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20060522 LSIの構造

 CPUの本尊$${^{*1}}$$を上から見ると、鼠色の四角い板の中央に接着剤でのようなもので固定されているいぶし銀の四角い部品とそれを取り囲むように配置されている小さな部品とが取り付けられている。

 いぶし銀の四角い部品は半導体チップである。このチップの裏側に何百万個ものトランジスタが作り込まれている$${^{*2}}$$。半導体チップは小さく造れば造るほど製造費用が安くなる。しかし小さいままだとそれを使って電子回路を作ろうとすると取り扱いが難しくなる。専用の機械で電子回路を組み立てる$${^{*3}}$$ようにすれば、小さいままでもいいかもしれないが、専用機械を持っていない人はその半導体チップを使った製品が作れない。そこである程度扱いやすいようにセラミック製の大きめの板$${^{*4}}$$に半導体チップを取り付けて販売する。ただ接着剤などで取り付けてあるだけではなく、電気信号をやり取りするための何百もの端子がそれぞれの決まった位置に確実に接合$${^{*5}}$$されている。また半導体チップは数μmの傷が付いただけでも動作しなく場合があるので、セラミック製の板はそれを防止する役目もある。

 写真ではチップがむき出しになっている。こちら側の傷は大丈夫なのか。むき出しになっているのは半導体チップの裏側である。半導体チップのトランジスタは、チップのおもて面の深さ数極μmの薄い領域に作られている$${^{*6}}$$。従って裏面はおもて面ほど気を使わなくても良い。とは言え傷が付いたり欠ければ故障の原因となる。それなのに何故わざわざむき出しにしてあるのか。

 電流が流れると熱が発生する。半導体チップには微細な配線が高密度で施されている$${^{*7}}$$。狭い場所に細い電線が集中$${^{*8}}$$しているので、チップは相当発熱する。むき出しになっているチップの裏側に放熱板を直接に接触させることで効率的に熱を逃がせるようにしている$${^{*9}}$$のである。

*1 ppc750l.jpg
*2 20060521 パソコンが壊れた(3)
*3 部品マウンター
*4 @IT:Insider's Computer Dictionary [Duron]
*5 Packaging
*6 1401-2-A.jpg
*7 l_mm191204device4.jpg
*8 アップル - PowerPC G5 - IBMの製造プロセス
*9 KYOCERA | Semiconductor Parts | Services | Flip Chip Packaging | Production Capabilities

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