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20030428 新しい電気の定義

 昨日考えた$${^{*1}}$$ように電気は物質から電子が離れた状態だから、電気は突然何もないところから現れるのではない。この定義からすれば、電気現象は元を辿れば元々何か物があって、そこから発生すると考えなければならない。物質は電気がない状態が基本で、そこから電子が移動すれば「電気」の状態になるので、いつかは「電気がない状態」に戻るのだろう。

 こう考えると電気は基本状態からの変化した状態だから、電気は最初は全くないことになる。原子から電子が移動した後、その原子は電子や他の電子が移動した原子に対して「電気的に」振る舞うようになる。その振る舞いの根源は原子核に含まれる陽子であるとされている。原子核に含まれる陽子の数はその原子が基本状態で持つ電子の数と一致している。一致していないと「電気」の状態になってしまうので、電気がない状態を基本とするならば必ず一致していなければならない。

 夜空に輝く星や太陽、月、地球などは原子の集合体だろう$${^{*2}}$$から、宇宙全体で物と言われるものは全部原子でできているのだろう。宇宙の物は全部原子ならば、その基本は電気のない状態である。つまり電子の数とそれに対応する原子核に含まれる陽子の数は全宇宙でピッタリと一致していることになる。

 そんなことがあり得るのだろうか。宇宙に含まれる陽子の数$${^{*3}}$$を数えると$${1.575 \times 10^{79}}$$(10の79乗)ぐらいになるらしい。電子と陽子のとの個数がこの数の最後の一桁までピッタリ一致していないと宇宙が「電気」の状態になってしまう。そうでないと昨日考えた電気の定義が全宇宙で使えない。電子が一個でも多ければ、その電子の周りに起こる「電気的な現象」をどう説明すればいいのだろう。

 一個だけ多いのでは相互作用がないから、二個だけ多いとした方がいい。「電気とは、物質中に含まれている電子の移動によって引き起こされる様々な現象」と昨日は考えたが、最初から宇宙にある余分な二つの電子で引き起こされる現象を何と説明すればいいのか。電気なのか、そうではないのか。

 基本を電気がない状態と考えるから駄目なのかも知れない。全宇宙では必ずしも電子と陽子の数は一致していなくて、それぞれバラバラな状態が殆どで、むしろ電気のない原子の状態の方が稀と考える。そうすると電気の状態が基本状態となる。

 従って電気の定義は「対象とする物質の全体あるいは部分において、電子と陽子との数が一致している時以外の状態」とするべきである。

*1 20030427 電気の本質
*2 20010722 中性子星
*3 Eddington Number -- from MathWorld

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