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20070403 つなぎ売り(3)

 株式の売買手法に「つなぎ売り$${^{*1}}$$」というのがある。これは信用売りと通常の現物株式の売買とを組み合わせ得た方法で、上手くすれば原資が0円でも利益を出すことができる。保有する株式が期待に反して下落する場合に、保有する株式を手放さずに空売りをして利益を出す方法である$${^{*2}}$$。最終的に保有する株式が購入時よりも値上がりした時に売却すれば、空売りした分を合計すれば利益が増えていることになる。

 ただし、通常は空売りをしなくても現物の売買でも同じ事ができるので、わざわざ手数料などを支払って株式を借り入れて空売り$${^{*3}}$$をしなくてもいい。保有する株式が何らかの事情で売却できない場合にのみ、この方法を使うと上手くいく場合がある。

 一般の個人投資家にとってこのような「株式下落局面で保有株式を売却できない」という事態は発生するのだろうか。取引の関係で保有している株式のため売却できないということがあるかもしれないが、少なくとも私自身はそう言う状態にはなり得ない。つまりその株が下がったら売って、上がりだしたら買えばいいのである。つなぎ売りで儲けるというのは個人投資家の妄想ではないかと思っていた。

 ところがそうでないことが判ってきた。保有する株式を売るに売れない状況が個人投資家にも発生することが判った。現在、私はその状況に陥っている。私が現在保有する株式を一気に売却するとその株式の市場における価格は暴落してしまう恐れがある。売却してから暴落するのであれば空売りで利益を得ることができるが、売却とともに価格が下がっていくので空売りで利益は出ない。つまり保有する株式の売買高が少なすぎるのである。東証一部$${^{*4}}$$の銘柄なので、ある程度は取引株数があるはずだが、私の保有する株式は非常に少ない。こういう売るに売れない事態を想定して、もともと取引株数の少ない株には手を出さないのが鉄則だが、株式を入手して暫くしたら取引高が激減してしまった。

 とは言え、つなぎ売りはできない。信用売りだろうが現物だろうが売ることには違いない。私の売りに伴って如実に株価が下がるのである。どうすればいいのか。

*1 20050516 つなぎ売り(2)
*2 取引手法とは/カブドットコム証券
*3 株の空売りとは
*4 東証一部とは?「東証一部」の意味を解説 - 株式用語辞典KYJ

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