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20050516 つなぎ売り(2)

 株式のつなぎ売り$${^{*1}}$$の続き。つなぎ売り$${^{*2}}$$とは、信用売り$${^{*3}}$$と普通の株式の売買$${^{*4}}$$とを組み合わせた投資方法で、やり方によっては取得した株式の買値を最終的に「0円」にすることができる素敵な手法である、らしい。

 株価500円のある銘柄を1,000株買う。これが値上がりして800円になった。この時点でこの銘柄を1,000株信用売りする。後に株価は200円下がって600円になった。この時点で買い戻し200円×1,000株で20万円の利益。再び値上がりして1,100円になった。そこでまた1,000株信用売りにしたら800円に戻った。そこで買い戻して300円×1,000株で30万円の利益となる。

 最初に株価500円の株を1,000株手に入れるのに50万円使った。信用売りで20万円+30万円=50万円の利益を得ているので差し引き「0円」である。「0円」で1,000株を得たことになる。しかも現時点の株価は800円である。

 「0円」にするために信用売りを使う必要があるのだろうか。

 最初に株価500円で1,000株買う。800円に値上がりしたので普通の株式の売買で全部売却した。30万円の利益になった。後にこの銘柄の株価が600円になった。そこで1,000株購入する。これが再び値上がりして1,100円になった。そこでまた売却したので50万円の利益が出た。合計80万円の利益である。暫くすると同じ銘柄が800円になっていた。そこで儲けた80万円で1,000株買った。従ってこの銘柄を「0円」で手に入れたことになる。信用売りはしなかった。

 売買の間合いは「つなぎ売り」の時と全く同じである。つまりわざわざ信用売りを使う必要がないのだ。信用取引は決められた期限内に株や金を返さなければならない$${^{*5}}$$。期限内に株価が思惑通りにならないといけないのでその分不利である。

 結局、最初に買った時点から「どうしても株式を手放せない事情」がある場合にのみ、意味のある手法と言うことになる。個人投資家にそういった事情$${^{*6}}$$がそんなに起こるとは思えない。「つなぎ売りで0円株式投資」とは、個人投資家が生み出した妄想なのか、はたまた売買高を増やして手数料を稼ぐために証券会社が考え出した方法なのか。

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