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20050322 ハングル

 ハングル$${^{*1}}$$はたった三年で完成したらしい。

 韓国、朝鮮で使われている文字であるハングルは、現在世界で用いられている一般的な文字$${^{*2}}$$の中で最も新しいとされている。1446年に出来上がった$${^{*3}}$$。できた時は「ハングル」という名前ではなく、「訓民正音$${^{*4}}$$(フンミンジウオンウム)」といったらしい。私も幼少の頃はこの文字を「ハングル」という名前ではなく、「訓民正音$${^{*5}}$$(くんみんせいおん$${^{*6}}$$)」と習った気がする。

 日本の平仮名片仮名$${^{*7}}$$は、万葉仮名$${^{*8}}$$から成立した。万葉仮名は漢字そのものを日本語の音節を表すために当てはめたものだが、平仮名片仮名はそれを簡略化して表記したいという欲求からでき上がった文字である。識者によって形づくられていったのだろう。平安時代初期$${^{*9}}$$の頃である。

 一方、ハングルは、国策として当時の李氏朝鮮$${^{*10}}$$の王「世宗$${^{*11}}$$」が創成した。朝鮮語の音韻を分析して文字の構造を作っていったらしい。それまで朝鮮では文字としては漢字しかなかったので、その複雑な漢字を学ぶ機会がないため不利益を被っていた一般庶民のために朝鮮語専用の文字を与えようとしたようだ。愚民政策を実施$${^{*12}}$$している国とはかなり違う。

 文字は母音を表す記号と子音を表す記号とが組み合わされて構成される$${^{*13}}$$。母音の記号は三つの要素( ̄上の棒、|縦の棒、_下の棒)を組み合わせているらしい。その三つはそれぞれ天、地、人を表す。子音はその音を出す時の舌や歯、口の形を抽象化して作ったらしい。合理的すぎるぐらい合理的な文字である。平仮名片仮名の成り立ち$${^{*14}}$$と全く違う。

 これをたった三年で作ってしまったらしい。実際は七、八年かかったと考える人もいるようだ。いずれにしろ有能な人々が短期間に集中した方が合理的な構造を生み出し易くなるのかもしれない。色んな人の意見を採り入れながら時間をかけて作れば多くの人の賛同は得られるかも知れないが、合理性が低くなるのはよくあることである。そうなると「たった三年」という表現は適切でないかもしれない。

*1 ようこそ!ハングル講座へ
*2 世界の文字 Written characters of the world
*3 朝鮮文字(ハングル) Korean character
*4 訓民正音解例
*5 訓民正音
*6 総理官邸キッズルーム/たいせつな話
*7 日本文字 Japanese character
*8 万葉仮名一覧
*9 日本百科事典 - 平安時代
*10 李氏朝鮮
*11 国際交流(驪州郡紹介) 世宗(セジョン)大王陵(英陵)
*12 文部科学省ホームページ
*13 ハングルとは - コトバンク
*14 20000517 シとツ

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