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20040422 孔あき腰掛け

 腰掛けが欲しい。木製の椅子がいい。背もたれのないちょこんと座るための椅子である。家具屋ではそういった椅子を「スツール$${^{*1}}$$」と呼ぶ。

 木製の腰掛けというと直ぐに思い起こされるのは、柳宗理$${^{*2}}$$の「バタフライ・スツール$${^{*3}}$$」やヤマナカグループ$${^{*4}}$$の「マッシュルームスツール$${^{*5}}$$」である。どちらも将棋の駒の産地で有名な山形の天童市$${^{*6}}$$にある天童木工$${^{*7}}$$で製造されている。他にもいろいろある$${^{*8}}$$。

 欲しいのはこういった高級な腰掛けではない。これらの腰掛けを置くにはそれなりの部屋が必要だし、それに値段も凄い。単なる腰掛けにこれだけの金を出すのは相当な思い入れがないとなかなかできない。

 欲しいのは妻の実家にあるような木製の腰掛けである。それは飛騨産業$${^{*9}}$$で製造された物だが、現在は絶版になってしまい売られていない。

 四本足の腰掛けで「$${^{*10}}$$」の部分に孔が開いている。この椅子$${^{*11}}$$は座面の真ん中に孔が開いている。この孔は屁$${^{*12}}$$を逃がすためと思いがちだが、そうではない。片手で椅子を持ちやすくするためだろう。

 件の椅子の孔は真ん中ではない。こんな風に端にある$${^{*13}}$$。こうすることで更に持ちやすくなりそうである。実際に手を入れて掴んで持ち上げてみると椅子の足か座面が自分の方に傾くので大して持ちやすくならないのだが、持ち運びの時にしっかりと握ることができるので安心感が出てくる。

 四本足だと足が一本浮いてガタガタいうことがあるので、三本足の方がいい。これ$${^{*14}}$$やこれ$${^{*15}}$$などがいい。足はすらっとしている方$${^{*16}}$$がいい。そして座の端の部分には、手が入るぐらいの孔があるといいのである。

*1 スツール
*2 20030601 柳宗理のやかん
*3 YANAGI SORI, A DESIGNER - Official Web Site http://www.japon.net/yanagi/
*4 山形デザインハウス//ヤマナカグループ・マッシュルームスツール マホガニー
*5 マッシュルームスツール
*6 山形県天童市/将棋駒といで湯とフルーツの里
*7 天童木工HOME
*8 天童木工/Gallery
*9 飛騨産業キッツウェッブ
*10 ROOM'S-TAISHODO(創立50周年家具の大正堂) 構造と名称
*11 英国アンティーク・イギリス館 スツール 品番: 308205 年代・国: 1900s 英国
*12  20020101 カルマン渦
*13 stool.jpg
*14 Wood worker kei S-1.JPG
*15 国際デザインセンター 「長大作のデザイン・ワーク その視点」
*16 キッツウェブ_ブランド_プロヴィンシャル19

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