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20021225 サンタのひげ(3)

 我が家にもサンタクロースが来た。来たことになっている。今日の早朝にクリスマスツリーの元に子供達へのための贈り物を置き、ツリーには「サンタのひげ」を二、三本引っかけておいた。「サンタのひげ$${^{*1}}$$」とはチェロの弓の弦である。今年の1月頃から計画していて、とうとう実行する時が来たのである。準備万端整ったので、あとは子供達が起きてくるのを待つだけである。

 ドタドタと床を走る音が聞こえてきた。子供達はクリスマスツリーの根元に置いてある贈り物に群がった。その瞬間、自分へのとおぼしき贈り物の包み紙を破って「やったぁ、思った通りだ」と喜んでいる。サンタクロース$${^{*2}}$$に貰った物に夢中になっていて、件の「サンタのひげ」に一向に気付いてくれない。

 我慢が出来なくなって子供達に向かって「あっ、なんかツリーに引っ掛かっているぞ」と叫んでみた。小学一年の娘がその「サンタのひげ」を手にとって「サンタのおひげはこんなに長いの?」と言う。そうだよ、というと納得して贈り物にまた夢中になった。娘にとってはサンタクロースが存在して当然なのである。

 小学四年生の息子はどう反応したか。つりーにかかっているサンタのひげを一瞥しただけだった。彼にとってサンタのひげなどどうでも良く、自分の欲しい物が貰えることが重要らしい。

 一番下の一歳の娘$${^{*3}}$$は何にも判っていない。

 完全に不発に終わった。しかし来年も行う予定である。物的証拠が毎年あれば、サンタクロースの存在を疑おうにも疑い難くなるに違いない。

*1 20021121 サンタのひげ(2)
*2 20021111 巡回サンタクロース問題
*3 20010730 新しい家族

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