
そんな雑貨店の品揃えの不思議-個性的な雑貨の編集で強いアピール–
「富本雅人の雑貨販売のツボ その4」
-雑貨コンサルタントのおせっかいな提案-
売場づくりの実際
前回までは、ファッション店で雑貨商品を取り扱うことのメリットやビジネステーマ、ターゲット設定等のポイントに関して述べた。それらを踏まえ、今回からはさらに具体的な雑貨商品の導入、運営方法を説明していく。
商品構成、チョイスのよりどころ
あなたが扱いたいと思っている、その雑貨商品は、想定している自店ターゲット(お客様像)が、どこで、いつ、何のために使う(買う)雑貨なのだろうか?
自宅で使用する。リビング、ベッドルームで。キッチン、ダイニングで料理や食事の時に。ホームパーティを催す際に。通勤時にバックに入っている。コレクションや趣味として。友人へのギフトとして…etc。
品揃えの源はお客様のライフスタイルと嗜好。いくらなら。どこで使うのか。どんな機能があるのか。どんなタイミングで欲しく(必要に)なる商品なのかということを整理し、アイテムを検討したい。
雑貨のまとめ方。分類、編集の方法は様々
分類(編集)計画にあたってはファション商品同様、理性的なMDツリー(体系)図、棚割図(表)を作成することが、雑貨売場の最適な品揃え計画への近道。
そして使用する場面別の分類に加え、その雑貨商品の情報やストーリーに着目した個性的な編集も有効である。デザイナーや作家別。生産国別。ビンテージの場合は年代別など。その場合に必ず守りたいのは、お客様がその雑貨のコーナーを見て、納得しやすいようにすること。
「モダンなスタイルでまとめているな」「著名なプロダクトデザイナーの○○がデザインした商品のコーナーなのか」「カンボジアのハンドメイドの雑貨ばかりだ」など。想定しているターゲットに理解しやすく、かつ強い訴求力を持つ編集でありたい。
来店の度に新鮮な印象
人気の雑貨店の品揃えは実に流動的。
ファッション商品に比較して、季節やトレンドごとの大きな改廃(セール含)が少ない雑貨商品の場合、常に編集の工夫や積極的な新商品の導入で、売場の新鮮さを保たなければならないのだ。
今週はこの棚に載っている商品が、来週は別の棚に新しいPOPとともに陳列されている、などということは人気店では日常茶飯事。
また、よっぽどの人気商品でもない限り、1年後も同じ商品が引き続き扱われている確率もかなり低い。
結果的に雑貨が特に目立つことになるであろうファッション店の場合、VMD面での工夫に加え、新商品の短サイクルの導入など、さらに強く意識して新鮮に見せる日々の工夫が必要だ。*取引先、商品開拓は次回 全8回予定
繊研新聞2010年4月27日の連載をもとに加筆修正しました。 全8回
富本雅人の雑貨販売のツボ
1.その雑貨はお客様を呼び込むのか? -雑貨販売のメリット-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nce50783ebc4e
2.あの雑貨売場のコンセプト-雑貨を売ることはストーリーを売ること
https://note.com/zakkaworkshop/n/n6d027d28556f
3.誰のための雑貨?-あなたのお客様の生活や嗜好を考える-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n54c86bbfdf62
4.そんな雑貨店の品揃えの不思議-個性的な雑貨の編集で強いアピール-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nfc9f99c81e00
5.どこで? 雑貨売場の仕入れの秘密-毎日が雑貨探し-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n656173a964c2
6.感性だけでは無理! 雑貨売場の陳列テクニック-どんな商品にも臨機応変-
https://www.zakka.org/school/column_senken06.html
7.雑貨屋さんのラッピングとPOP。雑貨店と雑貨売場 -雑貨屋さんの魅力の仕掛け
https://www.zakka.org/school/column_senken07.html
8.雑貨屋さん接客、雑貨商品の売り方のポイント(最終稿)
https://www.zakka.org/school/column_senken08.html
この投稿は以前ファッション業界紙に連載したものに加筆修正したものです。
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