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誰のための雑貨?-あなたのお客様の生活や嗜好を考える-


富本雅人の雑貨販売のツボ その3」 

-雑貨コンサルタントのおせっかいな提案-

2.あの雑貨販売のコンセプトより続く


リアルに想定する顧客層

雑貨を売場に取り入れる目的や狙いとするお客様(既存客、新規客など)を決めたなら、今度はそのお客様のライフスタイルと嗜好を想定、分析していく。

筆者が16年前(注:26年前)から行っているメソッドを紹介したい。
(注:ペルソナという言葉がはやるだいぶ前ですね)

今となっては、ファッションをはじめ消費者向けのどんな分野(飲食、自動車、不動産!他)のビジネスでも行っているようなことであるが、お客様の感性や嗜好に大きく左右される雑貨だからこそ避けて通れない手順であろう。

ターゲットの基本情報

デモグラフィック(demographics:人口統計学的情報)。“履歴書の左側”と言ってもいいが、ベースとなるプロフィールを考える。

「20代」「職業はOL」と幅を持たせるのではなく、あえて一人に絞り込み、「22歳」「29歳」、「都市銀行の窓口業務」「食品メーカーの営業職」と、より具体的に想定するのがコツ。

住所(に加え出身地)、収入(可処分所得や小遣いも)、学歴(どんな分野の勉強をしたかまで)、家族構成なども明確にしていく。イメージしにくい場合は、任意で選んだ雑誌等の一般人(有名人は特殊なので除外)の切り抜き写真をピックアップしたり、住まいの間取図を描いたり、簡単な家計の内訳を考えても良いだろう。

ライフスタイルと雑貨

ライフスタイルや嗜好に関する想定。

基本の「衣食住」に加えて、「働く/学ぶ」「趣味」「遊び」「娯楽」「健康」「美容」などお客様のライフスタイルを場面ごとに想定、分析していく。

例えば、「どんな美容法?」「ペットを飼っているとしたら?」「よく行く飲食店は?」などの嗜好を表すエピソードを。

そして場面別にその人が好む、必要としている雑貨のアイテム例を書き入れる。

ポイントは「固有名詞」や「形容詞」を必ず付け加えること。単なる「グラス」ではなく、「無印良品の…」「バカラの…」「手吹きの作家物の…」「アールデコスタイルの…」というようにその雑貨の情報も記していきたい。こちらも文章が難しければ、雑誌などの写真の切り抜きやイラストでもよい。


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ターゲットを仮に設定。もちろん本物ではない

客観性と随時の修正

できあがったお客様の「プロフィール」をそのまま採用するのではなく、できるだけ多くの人に点検をしてもらう(時にに第三者に聞くこともアリ)。

「この職業の人はもっと収入がある」「美容に気をつかっている人はこんな食生活ではない」「この住所は家賃が高いので……」などの客観的な意見や感想をもらい、矛盾点をなくし、さらにリアリティのある内容にしていくのだ。全8回予定
(雑貨コンサルタント/グループオンザリビング)

繊研新聞2010年4月20日の連載をもとに加筆修正しました。 全8回

富本雅人の雑貨販売のツボ

1.その雑貨はお客様を呼び込むのか? -雑貨販売のメリット-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nce50783ebc4e

2.あの雑貨売場のコンセプト-雑貨を売ることはストーリーを売ること
https://note.com/zakkaworkshop/n/n6d027d28556f

3.誰のための雑貨?-あなたのお客様の生活や嗜好を考える-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n54c86bbfdf62

4.そんな雑貨店の品揃えの不思議-個性的な雑貨の編集で強いアピール-
https://note.com/zakkaworkshop/n/nfc9f99c81e00

5.どこで? 雑貨売場の仕入れの秘密-毎日が雑貨探し-
https://note.com/zakkaworkshop/n/n656173a964c2

6.感性だけでは無理! 雑貨売場の陳列テクニック-どんな商品にも臨機応変-
https://www.zakka.org/school/column_senken06.html

7.雑貨屋さんのラッピングとPOP。雑貨店と雑貨売場 -雑貨屋さんの魅力の仕掛け
https://www.zakka.org/school/column_senken07.html

8.雑貨屋さん接客、雑貨商品の売り方のポイント(最終稿)
https://www.zakka.org/school/column_senken08.html


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