第1話 財務優良企業の発掘と要因分析|水産・農林業編|前編
ゼミメンバー限定の"最新データセットを活用した財務分析レポート"第1話です。
今回はザイマニ管理人が「データセットから水産・農林業に限定して財務優良企業を発掘し、その数字の背景(なぜその企業の財務は良い状態なのか?)を分析する」手順について、ステップバイステップで解説します。
■このレポートでわかること
・データセットから財務優良企業を発掘する手順
・ザイマニ管理人が重視する財務指標
・水産農林企業において財務が優良となる要因(仮説)
■分析材料
・財務データセット9月版(毎月更新中)
・国内上場×水産農林業に属する企業(全11社)
■想定される分析シチュエーション
・企業分析関連のゼミで水産農林企業を比較分析する課題が出た
・水産農林関連企業に勤めており、自社と競合他社の財務上の強み弱みを把握したい
・メディア事業を営んでおり、水産農林業に関連した企業で特集を組みたい
・水産農林業企業との取引・買収・投資を考えている
その他「データセットは手元にあるけど、どんな分析をすればいいかよく分からない」そんな方に特におすすめの内容です。3,000文字程度なので10分もあれば読み終わるかと。それではよろしくお願いします。
ステップ①データセットから分析対象企業を抽出する
今回は2022年に本決算を迎えた水産・農林企業に焦点を当てます。以下の手順で絞り込みます。再現性を確保するために、各手順終了時の行数も記載しておきます。
❶ 財務データセット9月版を開きフィルターを設定する(10,706行)
❷ 「業種」列を「水産・農林業」で絞り込む(32行)
❸ 「分析対象年」列を「2022」で絞り込む(10行)
ここまでの手順で水産・農林企業10社のデータを抽出することができました。成長性を加味するなら3年分のデータがある方が好ましいですが、今回は第1回のレポートということもあり、よりシンプルなデータセットで分析したいと思います。
なお、10月(今月)が決算月のベルグアース株式会社(1383)は2022年の有価証券報告書が提出されていないため今回の分析では対象外としています。そのため冒頭では対象企業が11社としていましたが、1社を除外し、データセットには10社(10行)が残りました。
ここまではどの企業分析者も同じような手順を踏むでしょう。大きく違いが出てくるのは次のステップからです。
ステップ②重視する財務指標でランキングを確認する
あなたは優良企業を見極めようと思った時、どの財務指標を重視していますか?
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