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ChatGPTって、小説家からはどう見える?

(写真は関係ありません)


「ChatGPTって、小説家からするとどう見えるの?」

って話を最近聞かれることがあるのだけど、正直めちゃ面白いです。

今日はその作家としての反応をすこし。

前提として僕はAIには昔から興味があって、事業者向けのAI見本市のような場所にもせっせと一人でチケット取って見に行ってしまうタイプです。
それにしても(或いはだからこそ)、自然言語理解の領域でここまでのアウトプットを実現するAIが登場したことに驚きと興奮を感じています。


ChatGPTって何?

Open AI社がリリースした最新のチャットAIです。自然言語を理解して、自然言語で回答してくれます。要するに『ふつうに話している言葉で理解して、返事してくれる』AIです。

マイクロソフトが1.3兆円の出資を検討しているとされ、評価額は4兆円に迫るともいわれています。あまりに巨額すぎてイメージがつかないですよね。

この世界最先端のAIサービスが、この一ヶ月くらいで世界中のニュースになりました。

さて、

「どうやらAIのチャットがすごくなったらしいね。で、どんなことできるの?」

という方に、
まず僕からお伝えしたいのは、

たぶんお前が考えてるよりずっとすげーぞ、
1回そこに正座しろ、

ということです。
正座できましたか?(しなくていいです)


世間ではChatGPTが
「大学院の問題に答えた」
とか
「ニュース記事が書ける」
というようなことが話題になっていますが、作家としての僕の関心は「創作ができるか」という点にあります。

大学の論文を書くことや、ニューズ記事が書けることは質問(要求)を理解し、事実を多数集めてきて再構成する、という作業をある程度イメージできます。
もちろん、それにしても大学院レベルのテストに答えたり、論文を書けるくらいすさまじい仕上がりになっていることに世界は衝撃を受けてニュースになったのだと思います。

しかしChatGPTは事実だけでなく、創作においても同じことができています。

そればかりか「読み手に与える感情」の設定さえも(もちろんざっくりと)だけど、ある程度できているのには驚かざるをえません。


AIに物語を作らせると?

たとえば僕がChatGPTに

「巨人軍の原元監督が実は超能力者だったという物語を作って下さい」

と入力したとします。

あなたなら、どんな物語を作りますか?

ChatGPTはこう答えました。

(原元監督、という入力の曖昧さによってChatGPTは監督名を間違えています)

元巨人軍監督の元木大介は、誰も知らなかった秘密を抱えていました。実は、彼は超能力者だったのです。彼の能力は、人々の心を読み取ることでした。

元木監督は、この力を使って、チームの選手たちの心を読み取り、彼らが最高のパフォーマンスを発揮できるように導いていました。彼はまた、相手チームの戦略を先読みし、選手たちに対策を教えることができました。

しかし、彼は自分の能力を隠すために、決してそれを公にしませんでした。ある日、彼はかつてのライバルチームの監督に会い、彼の超能力について話しました。すると、その監督も超能力者であり、彼と同じく人々の心を読むことができることが判明しました。

彼らは力を合わせ、次の試合に臨みました。元木監督が、相手チームの心を読んで選手たちに的確な指示を出し、相手チームの監督が、元木監督の心を読んで、次のプレーを予測し、対策を練ることができました。

結局、試合は激戦の末に引き分けとなりましたが、それは両チームが超能力者同士の戦いを繰り広げた結果だったのです。元木監督は、その後も超能力を駆使して巨人軍を指導し、多くのタイトルを獲得しました。

これをものの数十秒で作ってきます。

あるいは、

「桃太郎を怖い話にしてください」

と頼んだとします。

あるところに、大きな桃が流れ着いたという噂がありました。ある夜、村人たちは桃を切ってみると、中から生まれたのは不気味な赤ん坊でした。それが桃太郎です。

桃太郎は成長するにつれ、異様な力を持つようになり、周りの人々から避けられる存在になっていました。そして、ある日、村は恐ろしい鬼に襲われました。

桃太郎はその鬼を討ち、勇者として称えられましたが、その後、彼が村人たちを次々と襲い始めました。彼は鬼と同じように、力を使って人々を恐怖に陥れ、誰も彼に立ち向かうことができませんでした。

結局、彼の暴走は止めることができず、彼は最終的には自らの手で自分を倒しました。その後、彼の亡霊は、村に現れ、生贄を求めるようになりました。そして、彼の言い伝えは、この地方で語り継がれるようになったのでした。

ちょっと驚きませんか?
はやく正座して下さい(もういい)。

もちろん多少の矛盾点はありますが、野球がいつの間にか超能力バトルになってるのとか読んでみたいし、桃太郎が鬼を倒した後に村人に襲いかかるとか、たしかにホラーです。

AIが莫大な量の学習をしている結果だとしても、それにしても。

「これは物語か?」
と訊かれたら作家としてはどう答えるか?
 
僕は「これは物語だ」というレベルのアウトプットだと思います。

ではすぐさま
「作家という職業はなくなるか?」
と訊かれれば
「なくならない」
と答えます。

寿司ロボットが誕生して久しいですが
寿司職人は今日も板場に立っています。


物語の本質と、AIの地平

物語は壮大な比喩です。

なにか感情や感覚を伝えるときに、そのままを取って出して人に触らせて
「これが僕の痛みです」
と共有してもらえることができない替わりに
僕らは比喩を使います。

「世界中の絵の具を1つに混ぜたような色の夜空(に見える)」

とか。

「避妊具のB品検査機のように厳格な性格(誰?)」

だとか。この比喩が素敵かどうかは別として、
AのようなB、という比喩には無限の組み合わせがあります。
それだけ、僕らの感情は繊細で、さまざまな濃度、密度、色合いの感情があるからです。厳密に言えば、人生の中で「過去と完全に同じ感情」を自分自身でさえ二度体験することはないでしょう。

そして物語はその長尺版であり、とてつもなく壮大な比喩装置なのです。

一行の比喩では表せない気持ち、
一行の比喩では表せない感覚が物語であって、
だからこそ、変わりゆく感情と共に生きる僕らの物語は無限に生み出されるのです。

そして僕の興味は端的に言えば

「AIは新しい比喩を生み出せるのか」

にあります。
もし一行でも新しい、的を射た比喩を生み出せるのであればそれはもう完全な「作家」の誕生です。
それには人間の感情を理解するプロセスが必要であり、とりもなおさず、それは僕らが(あるいはAIが)僕らの脳の構造の謎を明らかにする必要があります。

この二十年の脳神経科学の進歩は飛躍的ですが、少なくとも現時点では、まだ僕らの心のメカニズムは明らかになっていません。
それどころか、僕らの意識がどのように生み出されているのか(というかそもそも本当に存在しているのか)すら、実はわかっていません。

AIはすでに物語を作れる。
しかしAIはまだ比喩は生み出せない。

これがいま僕らがAIと共に立っている場所から見える地平です。

でも、AIが人類の知能を越えて
人類の脳を理解する日が来るかもしれません。

そのときに人類は新しい地平で
いままで聞いたことも見たこともないような
まったく新しい比喩を体験することになるでしょう。

また、現実的な話でいえば、
現在のAIが提示したプロットを元に
人間の作家が完成度の高い物語を作っていく(比喩として完成させていく)
ことは十分に可能なレベルにあると思います。

作家ならこのざっくりとしたアイディアを元に、超能力野球バトルの小説や漫画を作れるし、漫才師なら、超能力野球バトルのお笑いを作れるでしょう。
新鮮な魚を前にした日本料理とフランス料理の料理人のような違いです。
(これもまた比喩)
そして料理の種類だけでなく、料理人の腕によって、できあがる料理の味も様々です。



最後になりましたが、
この文章はすべてChatGPTが作ってくれたものをコピペしました。




嘘です(おい)。


ChatGPT、日本語対応してるし面白いからぜひ遊んでみて下さい。

https://chat.openai.com/chat


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