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置き去り猫を助けたい!②

①はこちら

共存の道を探るも断られる

数日間あれこれ悩んだ結果、お隣さんにTNRを提案してみることにしました。TNRとはTrap・Neuter・Return(トラップ・ニューター・リターン)を略した言葉で、猫を捕獲して、不妊手術を行い、元の場所に戻すことです。

TNRをすればこれ以上増えることがないので、あとは今いる猫を見守っていけばいいことになります。が、問題はお隣さんがすでに猫たちを迷惑に感じていることと、私が1年後にまた引っ越しでここを離れること。

それでもお隣さんにTNRを提案したのは理由があって、それは迷惑だと言っている割に一部の猫たちに名前をつけて可愛がっているように見えたから。不妊手術費用の折半や私が率先して動くことを伝えれば、もしかしたら話に乗ってくれるのではと考えました。

ですが、甘かった。バッサリ断られました。今いる猫が減らないからそれじゃ困ると。そもそも自分の猫でもない居着いてしまった猫のためにお金と労力を使いたくないというのが、まあ大多数だと思います。考えて考えて勇気を出して提案したTNRを断られ、正直かなり落ち込みました。振り出しに戻る...。

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保護を考え始める自分に気づく

野良猫を保護したことがない自分にとって一番現実的だったTNRの砦がもろくも崩れ去り、ここからまた数日間悩むことになりました。理想を言うなら、全頭保護して不妊手術したのち里親さんを見つけることですが、あまりにも難しそうで自分にできる気がしない。保護どころか、捕獲の経験すらないのにどうすればいいのか...。

この頃から寝ても覚めても猫たちのことが頭を離れず、ついにお隣さんがTNRを了承してくれる夢を見るまでに。日中もお隣さんに来客がある度に(保健所が来たか!?)と窓から身を乗り出して隣の庭を覗くまでになっていて、なんだか自分がアブナイ人になってきていることに気づき、これはもう腹をくくるしかないのか...と思うようになりました。

もう、保護に向けて動こうと。

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超強力な助っ人現る

全頭じゃなくてもいい、自分のできる範囲で保護しようと決めた後、ある人に今までの経緯を話しました。彼女は私が「保護猫カフェ ネコリパブリック東京 お茶の水店」でボランティアをしていた時に知り合った人で、自身も猫ボランティアをしながら自宅サロンや保護猫譲渡会も開催できる代官山のギャラリーmayabellを経営しているパワフルな人(以下mayabellさん)。

どうやら引っ越し先に置き去りにされた猫がいるみたいで...という話はかなり早い段階からしていて、引っ越してからも置き去り猫たちの様子を気にしてくれていました。

もし猫たちを保護できたらギャラリーで開催する譲渡会に参加させてもらいたいと思いメールで状況を報告すると「これからお電話できますか?」と言ってくれ、この一言をきっかけに保護に向けてのスピードがグンと加速していくことになりした。

正直、人生で初めて置き去り猫に遭遇し、自分が保護主になるかもしれないプレッシャーでボロボロだったので、洗いざらい話を聞いてもらえるだけで本当に救われました。

それだけでも十分なのに、なんと彼女は「一緒にやりましょう」と言ってくれたのです。この日からmayabellさんと私はビデオ通話で会議を繰り返し、今後の作戦を立てていきました。

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できること、できないこと

猫たちの保護を進めていく上でまず決めたことが1つ。それはお互いに無理をしないこと。猫の保護にはお金も体力も気力も必要なので、そこは無理のない範囲でやろうと決めました。それぞれ生活があり、さらに自分の愛猫がいるので、優先順位は忘れないようにしようと確認し合いました。

次にどこまでやるか。理想は全頭保護して素敵な里親さんを見つけることですが、最初から完璧を求めるのはキケンなので、最低限として不妊手術は必ず全頭やろうと決めました。それができれば、もし保護できなくてもこれ以上ここで猫たちが増え続けることは防げるので。そして、可能な限り里親さんを探そうということになりました。

でもいざ不妊手術をやろうとするとかなりのお金がかかります。近所の病院では、オスの去勢手術が1万円、メスの避妊手術が1万5千円と言われました。これでも都内に比べればかなり安い方です。その他にもウイルス検査やワクチン、検便、駆虫などをお願いするとかなりの金額です。

ここでもmayabellさんに助けられました。良心的な価格で手術を受けさせてくれる保護猫のために活動する獣医さんを紹介してくれて、金銭的な負担がぐっと減りました。保護猫活動に理解があり、そして信頼できる腕を持つ先生に出会えたのは本当にありがたかったです。もしツテがない場合でも、区や市によっては助成金が出る場合があります。また、地域で活動する保護猫団体に相談してみるのも良いと思います。

色々と方向性が決まってきました。
③につづく

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