見出し画像

#マンガ感想文「七つの大罪」/神話の創造

出し抜けに質問ですが、神話とファンタジーの違いって、なんだと思いますか?

チクタクチクタクチクタクチーン。

正解は、私にもよくわかりません。

Googleだったら教えてくれるかもしれませんが、これを書き上げるまでは癪なので、検索しないことにします。

私は、勝手にこう思う。
「人間の時代」「人間の世」に繋がるのが神話、全く架空のお話なのがファンタジーではないだろうか、と。

神(もしくは神々)のことを語れば神話ってわけではないと思う。
神のことを語ってると見せかけて、「さて、なんで人間の世になったのかというと」という、はるか昔にせよ、現在と繋がりがあるのが神話ではないか。

古ければ神話になるってわけでもないだろう。
賞味期限みたいに、いきなりお伽話が神話になったりはしない。

桃から生まれた桃太郎が、猿と犬とキジの力を借りて、鬼を倒してお金持ちになりました。
これがファンタジー。

桃から生まれた桃太郎が、支配種であった鬼を、「申」「狗」「酉」という「印」で封じ、金銀財宝と引き換えに人間になり、世を治めました。

これが神話。なんかかっこいい。※正しいかどうかは分かりません。

「もののけ姫」は神話の終わりを描いており、神々は描いても、「千と千尋の神隠し」はファンタジー。

勝手ながら、そう「感じて」いるんです。

「指輪物語」(映画「ロード・オブ・ザ・リング」の原作)が神話「的」と呼ばれているのは、第三部「王の帰還」が特にタイトル含めて示している通り、「にんげんのおうさまが、かえってきました」「ふしぎなちからをもつものは、どこかにさっていきました」「にんげんのせかいがはじまりましたとさ」ていう結びになっているからなのです。
まぁ、神話「的」の「的」が外れない理由に、創作元(作者)がはっきりしていて、まだ100年も経っていないっていう時間的な理由はあるんですが。

また話は逸れているように思えるんですが
漫画「七つの大罪」
の特に終盤の展開に、私は、「これって、神話の創造に立ち合ってるんだな」と、深い感銘を受けていました。

終盤。
黒幕に次ぐ黒幕、って感じで、展開としてはとっ散らかっていくのですが、個人的にはそこが面白い。

かつてこの世界には、巨人がいて、妖精もいた。女神がいて魔神がいて、動物が話すことは珍しくなかった。魔法使いがいて、人間も魔法を使えていた。
大戦争が起き、彼らの力は失われ、人間族の時代が到来した。

作者が第一巻で宣言している通り、これは「アーサー王物語」の前日譚で、それは前提として読んでいたのですが、まさか、少年漫画的カタルシスの体裁を保ちながら、「王の帰還」ばりの神話的着地をしてみせるとはぁ!

これはファンタジー漫画ではなく、神話(的)漫画なのでした。画期的であります。
びっくりしました。

有名タイトルではあるので、今更熱くなってるのも若干恥ずかしいのですが、お時間あればぜひ一気読みしてみてください。
良い意味で、熱い展開も暗い展開もさらさら進んでいくので、一気読み向けだと思います。
かっこいい組織名とか横文字がでてくるので、そういうのも楽しいですよ。

というか、神話とかなんとか言ってますが、そんなのは置いておいて、エリザベスがすごく可愛い。夜中に子守をしながら読んでいたのですが、お父さんは「グフフ、、、エリザベスたん、かわええ」とニヤニヤしてしまいました。
フィギュアが欲しい。ぷにぷにしたい。妻に見られたらめんどくさくなるので、誰か止めて欲しいです。

あと今、妻が聞いてくれない、勝手な神話論を文章にできたこと、少々悦に浸っておりまして、「神話 ファンタジー 違い」でググのが怖いです。

全41巻。完結。

補足:エリザベスたん、、、

画像1


この記事が参加している募集

コンテンツ会議

マンガ感想文

自分に何ができるかはわかりません。 しかし!夢への第一歩として、一層精進いたします。 どのような形でも、読者の方々のリアクションは励みになります!