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映画評「ゴジラVSコング」

映画評「ゴジラVSコング」

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ゴジラとコングが戦う。

ぶっちゃけ、それだけで胸がいっぱい。
テンションMAXにしながら、「別につまんなくても良い」と良い意味での諦めを感じていました

だいたい、待たせすぎである。

一連のシリーズの「モンスターバース」が始まったのが、

2014年「GODZILLA ゴジラ」から。

面白かったけど、ゴジラが一向に出てこなくて、肩透かし感もあったが、ケン・ワタナベが、都度都度神妙な顔で「ゴジラ・・・ゴジラ・・・」と日本語発音で、不要なほどの存在感を醸し出す。

それから、

「コング 髑髏島の巨神」2017年
「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」2019年

とシリーズを重ねながら、再撮影やらコロナによる延期やらを経て、ようやく公開されました。
てことは、7年くらいは待ったわけである。

もう観せてもらえるだけで、映画の出来なんかどうでも良い。

そんなテンションで臨みましたが!

これがね、サイッコーです。

なにより、113分という、割り切った上映時間が素晴らしい。

ゴジラ と コング。

本来なら、相容れない2大巨頭を、いかにして同じリングに上げるか、てのが、こういう対決モノでの、宿命。
夢の競演ではあるけれど、無理がある設定を、あの手この手で言い訳しなくてはならない。
それって、必要な準備ではあるけど、話の進行としてタルいところが多い。

その点、本作では、「ほら・・・ふたりは古来からの宿命だからね。一度会ったら戦うしかないっしょ」というテキトーなセリフで済まされるあたり、どんな映画が求められているか、そこに製作側が相当に自覚的である。

サクサクっと物語をセッティングしたら、バトルスタート!
海上で戦うわ、夜の街で戦うわ、朝になっても戦ってるわ。
シチュエーションに応じた、ゴジラとコングのそれぞれの戦い方を堪能できます。

兎にも角にも、「もっと戦いが観たかったな・・・」と思うやつは一人もいないようにする!という覚悟。
どんなことがあっても「大盛り無料」だけは守る、そんな学生街の定食屋のような志である。

その代わり、人間ドラマはざっくばらんというか、露骨にやる気がなさそう。

本作から出てきた謎の大企業が、言い訳の余地なく悪役に。
ほら、、、新興のサイバネティクス企業って、悪そうじゃん?
マッドサイエンティストとか、いそうじゃん?
という偏見ベースの描き方。

この大企業が、悪役も引き受けてくれつつ、オーバーテクノロジーを駆使して、科学的な根拠が一切ないマシンをテンポよく出してくれるので、いろいろな局面でとても便利。
そのわりに、物語進行上しょうがないから、セキュリティはそのへんの市役所レベル以下で、真相を究明しようとする三馬鹿を、ばんばん侵入させてくれるという親切設計。

ここで、一番割食ってるのが、われらが小栗旬。いや、この場合は、SHUN・OGURI

天才科学者みたいな出で立ちなのに、雰囲気以上の活躍がない。
いてもいなくても、特に問題のない扱いで、日本人としては非常に切ない。

今日日こんなハリウッド進出はむしろ珍しく、「アルマゲドンの松田聖子」「バイオハザードのローラ」と並ぶ、意味のない配役である。

でも、プロモーションの場では、「ハリウッド進出!」と騒ぎ立てられ、「どうでしたか?ハリウッドはぁ!?」「いやー、ケータリングが豪華でしたね」みたいなやり取りをさせられてるので、胸が痛い。
でも、存在感はすごくあったので、ちゃんとした機会に恵まれてたら、絶対に映える気はするぞ。がんばりたまえ。

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※見どころはありますよぉ・・・コココ。


まぁ人間ドラマとかどうでも良いのです。
ゴジラ と コングが全編出ずっぱりなので、それだけで最高。

欲を言えば、「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」みたいな、「怪獣こそ至高!オリジナルの劇伴つかいまくって、オマージュ捧げまくるぜ!」みたいな狂気的進行が足りないところではあるが、あれは前作一作だけで十分な気もするし、まぁいいか。

ハリウッド底抜け超大作!なお祭り側面もありつつ、
・でっかいモノ・物が、どんなエネルギーで動くのか
・ゴジラの背びれって、なんで光るのか
・キングコングの「キング」ってなんだっけ

みたいな、フレッシュな要素に光を充てているので、かゆいところに手が届く感じで素敵。

私は、休みをもらった金曜日に一人で観て、土曜日に吹替版で子供と観ました。

あと3回くらい観たいぞ!

皆様も絶対にご覧いただき、このシリーズが一生続いてくれるよう、応援しましょう。
よろしくお願いします。


追伸)

吹替版の田中圭と田中みな実の田中コンビは、クオリティが笑えないくらいひどい。
その点を考えても、人間ドラマあっさりめで良かった。


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