【詩】詩を書いている
詩を書いている
下手な詩を書いている
詩を書くということは
地球がたえず自転するような
太陽と雨によって花が開くような
生き物が食べては排泄するような
そのような自然なことでは、ない
詩とは、吐瀉物だ
脳や胃や肺に溜め込んでおけず
吐き出さずにはいられない
そんな吐瀉物なのだ、私の詩は
たとえ美しい言葉でも
たとえ愛の言葉でも
やはり吐瀉物なのだ、私の詩は
詩を書かずに済むような
何も吐き出さずにいられるような
そんな人生のほうが
幸福であっただろうか
そうなのかもしれない、そうなのだろう
詩を書いている
下手な詩を書いている
蓄積も消化も排泄もできないものを
今日も吐き出している
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