こどもは、勉強教えられると嫌いになる。

「先生が全然電車の話をしてくれなくなったから」
そう言って個別指導の塾を辞めた小学3年生の男の子がいた。

担当がかわったらその先生は電車の話をしてくれないから、と、なんともカワイイ退塾理由でキュンです。

電車なんてもちろん詳しくないから、最寄り駅に乗り入れるようになった直通他社の車両が新しくてかっこいいよね、とかそんな、本物の鉄からガチ唾吐かれるような話しかしてない。

けど彼は、電車の会話の合間にうっかりすごいページ数の算数を進めていた。


彼は電車の会話も込みで、塾が、算数が楽しくなっていたのだ。


親は、
先生は、

こどもがやっている(ように見える)量(時間)が見えれば満足する。
そして

教えれば良いと思ってる。

あちゃー、です。



子どもには教えちゃだめ。


教えてハッピーなのは、教えている側の自己満足の視点だけ。


もちろん、大学受験の高校生みたいに自分の明確な意志の下に目標があって勉強しているなら、がんがん教えるべき。
英単語地獄の上にたっぷりの数式地獄を与えるべき。
北条早雲の分国法が早寝早起きの教えだとかを叩き込ませるべき。



おおむね、
小学生だったり、
勉強に良くも悪くも疑問を持っている子は、
そもそも塾で教わろうとさせると、やらなくなる。
もっと悪くすると、教えられるから
嫌い
になる。


塾=算数=楽しい
だって、大好きな電車の話ができるから。


その感覚がこども側にあることが、長い目で見た学習意欲にものすごいプラスに運んでいくということ。


入口なんてなんでもいい。
楽しくなってしまえば勝ち。


地頭の良い子ほど、
大人が自己満足でただ自分に「教え」ていることをかんたんに見抜く。
そして賢いから、それを指摘せず、この講師は使えるとこだけ使っとけ、と思いながら通ってる。
親の顔立てたりね。


こどもの学習時間をいかに楽しいものに演出するか、
そもそもそれが講師側の最大の仕事ってはなし。