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俳句

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全国俳誌協会第4回新人賞応募作(落選)

全国俳誌協会第4回新人賞応募作(落選)

水の星

AIの喋り続けてゐる日永

亀鳴くや水這ひ上がる紙の船

昼中の回転灯や春暑し

宇宙服解かば母ゐる蜃気楼

鳥籠に水を与へて夏浅し

喝采を遠く白夜の蚤の市

点滅の激しき店の麦茶かな

惑星にプールサイドといふ陸路

着ぐるみの中の暗闇秋蝶来

珈琲に氷沈める秋気かな

最果は瓦斯の惑星葡萄食ふ

麦の芽やアクリル越しの嬰児達

灯されて青き受胎の聖夜劇

雪晴の詩集に栞透けてをり

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春陰やここも人工芝なのか

春陰やここも人工芝なのか

春陰やここも人工芝なのか

某俳句賞に出した50句にも入れた句です。
コンビニ前の植え込みに敷かれていた人工芝を見て。

季語:春陰(三春)
写真:鶴見緑地展望塔
隣接の植物園に行った時に撮影しました。

六月の森をチョコレートに汚す

六月の森をチョコレートに汚す

食べ終わった後、口内に溶け残ったチョコレート。名残惜しさと虫歯になってしまう不安…。

季語∶六月
写真∶中央アルプスの麓(富山)
アルペンルートからの帰路、電車の車窓から撮りました。

夏至祭の歌や缶詰開くちから

夏至祭の歌や缶詰開くちから

去年シネ・ヌーヴォでやっていた奇想天外映画祭でウィッカーマン(1973)を観て。

ミッドサマーの元ネタになったと言われている悪夢のような映画です。
劇中に缶詰は登場しません。

季語∶夏至(仲夏)
写真∶シネ・ヌーヴォの掲示板(大阪西九条)