見出し画像

付加価値とは、「物語」を紡ぐこと

最近はChatGPTを使いながら、仕事で活用できることを探している最中です。やはり、体感しないと分からないことがありますね。

生成AIについては、若干過熱気味な風潮がある中で、冷静にメリット、リスク、そしてリテラシーについて、考えていたりします。

さて、時代の風潮と言えば、デフレマインドからインフレマインドに変わってきているということも見逃せない点です。

物価上昇が継続的に続くかは議論がある点だとは思いますが、少なくとも賃上げや雇用の流動化、値上げアレルギー緩和など、デフレマインドからの脱却の芽があることも確かかと考えています。

仮にインフレが恒常的にこれから進んでいくとなると、想像以上に社会経済・企業経営へ与える影響は大きいのではないかと考えられます。

その影響の一つである企業が値上げをしていくということに焦点を当ててみたいと思います。

インフレ下においては、値上げをしていくということになりますが、単純に既存のサービスや商品の値上げをすることは、消費者にとって、許容することができません。これは想像に難しくないと思います。

では、企業としては値上げをする際には、その値上げ分の価値を付与しなければならない。

コスト低減活動は継続的に実施しつつも、比重としては付加価値増大に向けての取り組みのウエイトを増加させなければなりません。

では、付加価値、つまりはお客様が価値を感じてもらうにはどうすればいいのかという問い。

一つの解としては、「物語」を付与することであると考えています。

つまりは、サービス・商品をある文脈から物語を紡ぎ、共感、貢献、体験といった価値を付与するということです。そして、それを訴求する。

例えば、A社のPCがあるとします。
「CPU性能は○○!」「SSD容量は○○!」といったスペック面での売り文句が並ぶのは当たり前の光景となっています。

しかし、スペック競争の問題点は、コモディティ化するということです。というのも、競合他社もそれに追いついていこうとし、結果価格競争に巻き込まれ、消耗していく可能性が高くなるのではないでしょうか。

もう一つの問題としては、そもそもスペックで物を買うかという根本的なものがあります。

PCに詳しくこだわりがある方は別ですが、スペックが消費活動の意思決定でどれだけ考慮されるでしょうか。PCを購入する際には「何かをするため」に買っているわけであって、スペックを買っているわけではありません。

やはり人間は感情を持つという本源的な理解が必要でしょう。その中で、共感、貢献、体験という価値を買ってもらうという視点を持っておかなければ、新しい基軸の商品や高い付加価値は生むことはできないのではないでしょうか。

そして、「物語」の出番です。

その商品の社会的意義、こだわり、コンセプトを打ち出すこと。そして、それを物語に落とし込むこと(ストーリーテーリング)が重要だと考えています。

その際には、商品の中に「語ることができる要素」は何があるのか。
感情を含めた本源的な消費目的は何か。誰に何をメッセージとして届けたいのか。このようなことを考えて、パズルのように組み合わせていく方法論になると考えています。

このような取り組みにより、唯一無二の価値を付与していくのです。
これは他社は真似できないものとなり得るし、一度共感されると、商品のみならず、企業のファンになってくれます。これは、企業にとって、相当のアドバンテージを得ることができます。

物語作りは創造性発揮の最たるものであるでしょう。

企業全体の創造性を、このようなストーリーテーリングで発揮させるべきであると考えています。

主に上述したのは、商品・サービスについて語ってきましたが、企業それ自体も物語を紡がなければなりません。

今、パーパス経営と言われていますが、まさにパーパス、理念を語ることこそが、「物語を紡ぐこと」です。パーパス経営の興隆が、「今」あるというのは偶然でしょうか。

最近はありがたいことに、若年層社員に向けた研修講師をさせてもらっています。その中で、創造性向上を強調していて、ここに問題意識を持ってほしいということを伝えています。

まさに創造性を発揮して、物語を紡ぎ、付加価値を高めることこそ、これからの時代に必要な要素になるという背景でお話をさせてもらっています。

全ての人が物語を紡ぐ人にならなければならない。
全ての人が作家にならなければいけないでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?