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京都ライター塾 第4回「インタビューのやり方」~インタビューは生活の中でも役立つ?~

京都ライター塾、第4回の講義は「インタビューのやり方」についてです。

本記事では、2006年からフリーライターとして活動している江角悠子さんによる京都ライター塾「第4回:インタビューのやり方」をレポートします。

インタビューの方法は、いろいろな仕事に役立ちます。私自身もこの講義を聞き、現在働いているカスタマーサポートでお客様のお話を聞くことに、インタビュー技術を活用中です。

そして、接客業や営業職の方にもヒントになるところがあるかもしれません。お客様からの聞き取りがうまくいかないなぁという方、ぜひチェックしてみてください!


企画書を書くには?

動画視聴コースでは企画書の提出はありませんが、本講座の方は企画書を提出しています。そのため、企画書に対するフィードバックが江角さんよりありました。

採用される企画書を書くためには、
・媒体のコンセプトを確認
・記事を書くことで読者に生まれるメリット

を考え抜くことが必要だと、講義を聴いて感じたことです。

そしてライターとして、どんな媒体で今後書きたいかを普段から意識しておく必要性がある、と江角さんは語ります。

「何かを企画したい!」と思うのは、自分自身から湧き上がる何かがあるということ。この講座以降、普段の生活の中で企画したいことを考える日々を送っています。

インタビュー・取材とは?

インタビューというのは、人に話を聞いて「素材集め」をする作業と江角さん。

もっとも重要である取材で集めるべき素材というのは、以下の5つとの説明がありました。

• 取材対象者に聞いた話
• 5W 1H(どこで、だれが、いつ、なにを、なぜ、どのように)
• 具体的な数字
• 現場で見たこと
• 現場で自分が感じたこと

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より引用

取材対象者に聴いた話

パン屋さんに話を聞くなら、パン屋さんの話がインタビューの素材となります。

5W 1H(どこで、だれが、いつ、なにを、なぜ、どのように)

江角さんの話で印象的だったのは「根掘り葉掘り聞くこと」の重要性でした。しっかり聴かないと、記事にする時に困ってしまうそうです。

このことは経験を何回か重ねると、体感として自分自身がわかってくるとのこと。失礼かなと思っても聴くことが大事ということを学びました。

具体的な数字

調べてわかっている数字は、インタビューの際に確認するというお話が江角さんからありました。相手にも調べていることが伝わると、安心感に繋がるとのこと。そして、具体的な数字で伝えることで、読者にもリアリティーを伝えることができるそうです。

現場で見たことと自分が感じたこと

現場で見てわかったことは、記事の中に盛り込めるそうです。現場に言った人しかわからないことは重要な素材となります。そして、読者にとっても有益な情報を伝えることができると江角さん。

例えば、パン屋さんの場合は、
・隣にパン工房がある。
・焼きたてがすくに並ぶ
・お店に入ると焼きたてのパンの香りがする

上記の内容も江角さんは取材ノートにメモし、内容によっては写真を撮ることもあるそうです。

取材をするまでの準備

(1)取材対象となる人やお店を決める
(2)企画書を作成
(3)アポ入れ(取材依頼)をする

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より引用

(2)の企画書は編集部に出すものではなく、取材対象に提出するものと江角さんから説明がありました。取材対象に提出する企画書には以下の内容が必要です。

①自分はどこの媒体の編集者やライター
②媒体のコンセプトや読者層、発行部数などの説明
③取材目的・日時の提案・撮影許諾のお願い

とくに③は目的をしっかり伝えないと断られる可能性もあること。定休日などは避けたいなどの話がありました。さらに、撮影許諾については、相手の準備もあるので、必ず伝えておいた方がよいとのこと。

急に写真を撮りたいと言われて、それが残るものであれば、とくに女性の場合はメイクや服など準備をしておきたかったと思うかもしれないですよね。江角さんのお話から、取材前から相手の視点で考えることの大切さを学びました。

雑誌の場合、秋の特集で載せるものを夏に撮影する場合もあります。そのため、何を撮影したいかを事前に伝えておくことは大切とのこと。そのため、アポ入れはすごく重要なことだそうです。

アポ入れの方法

そして、江角さんが実践しているアポ入れの紹介がありました。
①公式サイトなどからメールを送る(企画書の中に締め切りの日付を書いておく)
②締め切りの日に返信がなければ、電話する

※飲食店や観光スポットは、混雑時は避けるなど電話する時間を要検討

江角さんの場合は、取材に行く日と原稿を書く日を分けているとのこと。このお話から、自分に合った取材スタイルを探していくのが大事だと感じました。

質問リストを作る

①取材原稿の目的を決める
②お店について調べる
③基本情報は押さえる
④質問は多い方がいい
⑤事前に質問リストを送っておく(相手も答えや資料を用意できるので安心)

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より要約

「今の時代、ネット検索で記事を書けるくらいの情報は出てくる。取材に行くのはネットで出てこない情報を聞きに行くため」と、江角さんは語ります。そして誰も書いていない情報を聴くことを目的に、取材に向かうそうです。

他にも注意点の話があり、インタビュー原稿を書くには事前準備がいかに大切かというのがわかりました。

取材に持っていくもの

• 音声レコーダー
• ペン
• ノート
• カメラ
• 名刺
• (営業ツール)

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より引用

取材する場所にもよるが、立ったまま取材できるようなノートカバーを江角さんは使っているとのこと。他にも雑誌の場合はカメラマンさんがいる取材も多いが、メモがわりの目的で、カメラを持っていくこともあるそうです。

最後の営業ツールというのは、フリーペーパーの取材であればフリーペーパーなどという説明がありました。

さらに取材当日の身だしなみと言葉遣いにも、注意が必要だそうです。媒体の取材で行くと、フリーランスでもその媒体の人と思われると江角さん。媒体の看板を背負っていくという心構えが必要との言葉が印象的でした。

インタビュー当日の流れ

①インタビューする目的を共有
②インタビューの段取りを決める
③録音の許可を取り、メモを取りながら話を聞く
④聞くべきことを聞き、インタビュー終了⇒写真撮影
⑤原稿の確認など、今後の流れを説明

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より要約

江角さんは話を先に聞くようにしているとのこと。想定以上のことを聞けた場合、話の中で出てきたことを撮影できるからだそうです。

そして、雑誌は印刷の日、Webは公開の日が決まっているので、原稿を確認してもらう人と必ず連絡が取れるように、個人のメールアドレスを聞くようなこともあったそうです。

話の引き出し方10のコツ

1. 笑顔でいること
2. 相手を名前で呼ぶ
3. 相手の答えをさえぎらない
4. 相手が聞き取れるスピードでゆっくり話す
5. オーバーなくらいに相づちを打つ
6. 質問を細かく分ける
7. 聞いた話の中から、次の質問を考える
8. 分からなかったことは、その場で聞き直す
9. いいと思ったことは伝える、自分の感想を伝える
10. 相手のファンになること

京都ライター塾10期・第4回「インタビューのやり方」資料より引用

江角さんの話の引き出し方のコツは、日常生活でも使えそうです。とくに3番の「相手の答えをさえぎらない」というのは、取材ではなくオンラインで話すと時差があるので難しい、と私自身も最近思っていました。沈黙は相手が考えている時間なので、待つ姿勢が大切とのことです。

8番もライターの仕事は情報を正しく伝えるこという観点からも、大事だというお話がありました。わからない言葉をメモしておき、お話が終わってから確認するといいそうです。いろいろなジャンルの取材をしていると、そのジャンルでは常識でも、一般の人は知らない言葉があるとのこと。知ったかぶりにならないよう、自分も気をつけたいと思いました。

9番も大事なことで、感想を伝えることで新たな話を引き出せることもあるそうです。そして、普段の人間関係の中でも使える技術とのこと。このお話を聞いてから、思い出した時は実践しています。普段の生活の中で使うことで、いい練習にもなるそうです。

そして、何より世界が変わるとのお話が印象的でした。

最後にファンになって帰ってくることが、いい原稿を書くことにも繋がるそうです。

インタビューをするための技術を学ぶには、「はじめての傾聴術」という本がオススメとの話がありました。

こんな時はどうする?

ピンチの時に江角さんがどう乗り切ったかのお話がありました。例えば、相手が全然話してくれない時は、気にせず質問するなど、たくさんの方にインタビューしたからこその体験談です。

相手の機嫌が悪い時の方法などは、秀逸でした。

まとめ:インタビューは楽しい!

インタビューの技術は、普段の生活でも役立つし、会話力は普段から磨けるとのお話が江角さんよりありました。

この講義を聞いてから、レポートを書くまでに期間があったので、私自身も聞く技術は普段の生活に役立つことを実感しています。

インタビュー技術を身につけ、話を聞きたい人に取材できたら素敵、とやりたいことの展望が広がる講義内容でした。

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