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京都ライター塾 第3回「課題の添削と企画の立て方」レポート

京都ライター塾、第3回は「課題の添削と企画の立て方」についてです。

本記事では、2006年からフリーライターとして活動している江角悠子さんによる京都ライター塾「第3回:企画の立て方」をレポートします。


「私の好きな◉◉」の記事添削

第2回「インタビュー原稿の書き方」で、「私の好きな◉◉」という課題に対しての添削が1人1人に対して、行われました。

添削に入る前、講師の江角さんから注意点の説明がありました。

・朱入れは否定ではなくて提案
・その人の人格を否定されているわけではない

添削の注意点

江角さん自身も、以前は添削に抵抗があったとのこと。でもある時,、3つのことに気づいたという話が印象的でした。

・抵抗があったのは記事を自分の作品だと思っていたから
・記事はクライアントのものである
・読者にいい記事を届けるための修正

気づいた3つのこと

商業ライターが書く記事は、作家が書くエッセイではないと江角さん。朱入れは、もっと読者に届く文章になるための添削とのこと。

朱入れで気持ちがしんどくなるという方は、この江角さんの考えを参考にするといいのではと個人的に感じました。

こうして、受講生の添削が始まりました。みなさんが指摘を受けていたのは以下のことでした。

・読者がひっかかるところ(小骨)は取る
・500文字の中で2回同じ言葉が出るのはもったいない
・固有名詞は商品の一般的な名称にする
・タイトルはその店ならではのことにする
・感情は読者が決めること
・専門的な内容は読者のためにかみ砕く必要がある

添削で指摘されていたこと

受講生の文章がよりよいものとなり、添削の大切さが改めてわかりました。

企画提案(営業)する

ライターが仕事を依頼してもらうには、さまざまな方法があるとのこと。例えば、異業種交流会で自分を売り込むという方法があります。他にも、公式サイト(ブログ)を持つ、クラウドソーシングに登録する、誰かに紹介してもらう方法もあると江角さんからのお話がありました。

今回の企画提案というのは、上記以外に出版社や編プロに提案することです。

出版社や編プロでは常に、次はどんな特集にするかを探し、悩んでいます。
売れっ子ライターさんは、企画を持ち込んでいると江角さん。依頼を待つだけではなく、取りに行くライターになりましょうとのお話がありました。

企画提案するためにやること

・自分が書きたい媒体を見つける
・自分のメディアで記事を書く(note・ブログ・Twitter)

企画提案のためにやること

江角さんから、上記2つの提案がありました。その中で印象的だった言葉があります。「人生は短いのでやりたいことをやる」というお話。

やみくもに仕事を探すのではなく、自分の軸を持つことが必要との話がありました。

自分のメディアで書くことで、編集者の目に止まり、依頼がくることもあるそうです。自分のメディアで書いた文章が、そのままサンプル原稿になります。

江角さんご自身の体験から、書くことに関する好きと苦手の話がありました。江角さんは、真面目な文章を書く方が得意とのこと。自分に合った、書きやすい文体のところを探すというのも一つの方法だそうです。

どう探すかわからない場合は、知り合いのライターさんがどういう媒体で書いているかを調べるとよいとのことでした。

媒体を絞れたら作業すること

媒体のコンセプトと読者の興味を調べます。

その際に大事なのは、重なる部分を見つけることだそうです。重なることは、以下の内容になります。

・読者が読みたいもの、知りたいこと
・自分だからこそ書けるテーマ、書きたいこと
・まだ媒体で書かれていないこと

3つの重なる部分

上記の3点が交わる部分を見つけることが必要。交わった部分が企画提案できることになります。

媒体、読者、本人の全員にメリットがあることを見つけられるのがベストというお話がありました。

企画を立てるには?

企画を立てる時に考えることは3つあります。

誰がターゲットか?

ターゲットを考えると、企画の方向性が見えてくると江角さん。

自分が興味があることを挙げていく

・今ハマっていること
例えばBTSにはまっているなどもいいそうです。
・今悩んでいること
「暗記科目が苦手である」「人間関係がギクシャクしている」「痩せたい」などでいいとのこと。

自分の悩みが仕事と連結するのは、人生に考えると楽しいと江角さん。
仕事を通して、自分の悩みが解決できるのは確かにおもしろそうですね。

誰に会って、何を聞きたいか?

ライターの仕事のいいところは、取材を口実に会いたい人に会えると江角さん。

必ずしも有名人に話を聞くことではないとのこと。
江角さん自身、好きなケーキ屋さんのパティシエに話を聞けたこともあったそうです。

身近で頑張っている人の話を聞く、というのも一つの方法。

自分がやってみたいことも企画にできると江角さん。
そして企画は机に向かって考えるよりも、出かけたり、雑談している時の方が見つかりやすいと感じているそうです。

企画を立てる上で意識すること

・独自性⇒ありそうな企画なら、オリジナリティーを加える必要性
・具体性⇒有名人のお宅訪問を考える
・実現可能⇒果たして、その有名人お宅は訪問はできるのか?
・話題性⇒雑誌が発売、Web記事がアップの時に季節などが合っているか?

このような点を意識して、企画を立てることが重要とのお話がありました。

企画を深めるには?

江角さんより「漬物」をテーマにした場合の説明がありました。
・どう掘り下げる? 
例:作り方、日本の全国各地にはどんな漬物があるかなど
・どういう切り口で書く? 
例:体にいい、日本の文化を語りたいなど
・最終的に伝えたいことは?
例:健康食品としていい、全国各地にはいろいろな種類の漬物があるということなど

参考例「デジスタイル京都」

(上の記事はレポートを書く時に掲載されていた最新記事)
江角さんより、「デジスタイル京都」で連載を担当するなら、どういう企画にするかを考えてみようと提案がありました。

企画を立てる時に考えて、作業することは以下の3点となります。
・媒体の特徴
・読者は何を読みたいと思っているか?
・同じ企画は採用されないので、過去記事をチェックする

過去記事にはない企画で、自分だからこそ書けそうなことを考えてみるとのこと。京都ライター塾の卒業生の中で、過去に採用された内容のお話がありました。

企画書のフォーマット

A4の用紙におさまるように作るのが基本とのこと。
その中に書くことは以下です。

・タイトル(仮)
・テーマ
・原稿内容の構成
・写真のイメージ

企画書のフォーマット

企画書1枚を見れば、どういうことを書くのかが編集部に伝わるものを作れたらOKと江角さん。そして、実際に企画を提案した方は、企画書とサンプル原稿をつけたとのお話がありました。

企画書のゴールとは?

採用されること、と江角さん。採用されるために必要なのは以下の2点です。

・読者へのメリットが感じられること
・どんなページになるか全員が想像できること

企画書のゴール

まとめ:採用される企画を立てられるようになろう!

課題の添削と企画を立てるための方法が語られた今回の講座。課題が添削される前の「朱入れは否定ではなく提案であり、その人の人格を否定されているわけではない」というお話が心に響きました。

企画を立てることは、自分の悩みを解消するものでよいのなら、仕事を通して自分の悩みを解決することができます。自分の悩みを解決すると共に、読者の悩みを解決することが仕事になるのは、ライターという仕事の面白さにも繋がると感じました。

江角さんのお話にもありましたが、人生は短いです。やりたいことは今すぐに、この講座での学びを参考に企画してみたいと思える講座でした。

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