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生き様ってこのおじちゃんのためにあるんだ。看取り本6冊目


何回も立ち上がろうとする。

立てない

立てない

立てない

3回ぐらいじゃ絶対めげない。

ベットの高さを変えてもう一度、

立てない

立てない

立てない

今度は体を少し前に出して、もう一度

立てない

立てない

うぅぅぅ・・・

立てた〜

額には滝のような汗。
お風呂上がりなのに・・・笑
じいちゃんには関係ない。

自分のことは自分でやる


若いうちから体が動かしづらくなった。
初めはできないことに落胆したんだって
早くてかっこいい車が好きだった。
大好きな運転ももうできない。

動かしづらくなったのは右半身。
このじいちゃんは、右利きだ。
今から左利きになれ!なんて誰がいえるもんか。

ご飯を食べる箸。
新聞をめくる。
トイレで紙をとる。
リモコンを握る。

全部、右手だったのに

じいちゃんは、めげなかったんだって
時間があれば体を動かしてた。
動く左手はもちろん、動かしづらい右側も
自分で自分をいじめるように

「なんでそこまでやるの?」

聞いて見たい言葉が口まで出た。
けどその言葉は出なかった。

懸命に体を動かすその目がものがっていたから
生き様ってこういうんだ。

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僕たちは生と死の近くにいる。
生きてることが当たり前過ぎてその人が亡くなった時に
思ってしまう。命の尊さ、儚さ、

看取り本、6冊目。
この本に、じいちゃんの「生き様」を入れる。
それができるのはじいちゃんに関わった僕たちにしかできないことだ。



ありがとうございます! おいしいものを食べて、エネルギーにします!!