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「搦手(からめて/からめで)」

note巡りで得た知識シリーズです。
今回は、歴史に関係がある言葉です。

史跡・小牧山城に関する記事で目にした「搦手口」の「搦手」の読みと意味を調べてみました。

「搦」という漢字は見たことがあり、一度は「そう読むのかぁ!」と思ったはずなのです。
でも、思い出せません。
「す……すりて? "擦り手"とは違う表記?」と思いながら、ネット辞書で調べてみた結果。

搦手(読み)からめて
からめ‐て【搦手】

〘名〙 (古くは「からめで」とも)
① 人をからめとる人。捕手(とりて)。
※古今著聞集(1254)一二「年来(としごろ)搦手向かひ候ふ事、其の数を知らず候」
② 城の裏門。敵の裏面。⇔大手・追手(おうて)。〔吾妻鏡‐嘉禎元年(1235)九月一〇日〕
※平家(13C前)四「老少二手にわかって、老僧どもは如意が峯より搦手(カラメデ)(高良本ルビ)にむかふべし」
③ 城の裏門または敵の背面を攻める軍勢。⇔大手・追手(おうて)。〔玉葉‐寿永三年(1185)二月八日〕
※太平記(14C後)一四「搦手(カラメて)の寄手三百余騎は、海道を西へ落ちて行く」
④ 相手の正面以外の、手うすなところや注意をはらっていない面。
※其面影(1906)〈二葉亭四迷〉六七「そんならと搦手(カラメテ)の妻の冬子を攻落して」
⑤ 商家における見世(みせ)を大手に見たて、台所(だいどころ)の称。
※雑俳・柳多留拾遺(1801)巻四「からめては女房のふせぐ大三十日」
出典 精選版 日本国語大辞典

コトバンク 精選版 日本国語大辞典「搦手」の解説 より引用)
搦め手(読み)カラメテ
からめ‐て【×搦め手】

《「からめで」とも》
1 城やとりでの裏門。陣地などの後ろ側。⇔大手。
2 相手の弱点。相手が注意を払っていないところ。「搦め手から批判する」
「―の妻の冬子を攻落して」〈二葉亭・其面影〉
3 城の裏門や敵陣の後ろ側を攻める軍勢。⇔大手。
「―の大将軍は九郎御曹司義経」〈平家・九〉
4 敵や罪人を捕縛する人。とりて。
「―四方を巻きて攻むるに」〈著聞集・一二〉
出典 小学館デジタル大辞泉

コトバンク デジタル大辞泉「搦め手」の解説 より引用)

読みは「からめて/からめで」。
言葉として、聞いたことはあります。
意味を聞かれたら、調べる前なら、辞書とは違う意味を答えたでしょう。

調べるきっかけになった言葉は、史跡であるお城の「搦手口」の「搦手」なので、「裏門側の出入口」ということでしょうね。

(「揉み手擦り手」の「擦り手」を連想するなんて、社畜魂ありすぎ? 媚びない態度が一部役職者や古参社員に気に入られず、苦労したクチです。)


ついでに、対義語の「大手」「追手」についても調べてみました。

大手(読み)おおて
おお‐て おほ‥【大手】

〘名〙
① 城の正面。表門。大手門。追手(おうて)。⇔搦手(からめて)。
※平家(13C前)九「西は一谷を城に構へ、東は生田の森を大手(オホテ)の木戸口とぞさだめける」
② 敵を正面から攻撃する軍隊。追手(おうて)。⇔搦手(からめて)。
※平家(13C前)四「大手は長井の渡り、搦手(からめで)は故我杉(こがすぎ)の渡りより寄せ候ひしに」
出典 精選版 日本国語大辞典

コトバンク 精選版 日本国語大辞典「大手」の解説 より引用)
おお‐て〔おほ‐〕【大手】

1 城の正面。また、正門。追手(おうて)。⇔搦(から)め手。
2 取引所で、多額の売買をする人や会社。大手筋。
3 同種の企業の中で、特に規模の大きい会社。大手筋。「大手の私鉄」
4 敵の正面を攻撃する軍勢。追手。⇔搦め手。
「―、搦め手二手にわかって攻めのぼる」〈平家・九〉
出典 小学館デジタル大辞泉

コトバンク デジタル大辞泉「大手」の解説 より引用)
おう‐て おふ‥【追手】

〘名〙
① 敵の正面を攻撃する軍勢。大手。⇔搦手(からめて)。
※源平盛衰記(14C前)三四「木曾義仲、〈略〉西門へぞ追手(ヲフ)手にとて向ひける」
② 城郭の正門。表門。大手。
※太平記(14C後)三「一万二千余騎、梨間の宿のはづれより、市野辺山の麓を回て、追手へ向ふ」
出典 精選版 日本国語大辞典

コトバンク 精選版 日本国語大辞典「追手」の解説 より引用)
おう‐て【追手】
《「おひて」の音変化》
1 「大手4」に同じ。⇔搦(から)め手。
「佐々木兄弟四人は搦め手に廻る、北条、土肥、岡崎等―なり」〈盛衰記・二〇〉
2 「大手1」に同じ。⇔搦め手。
「市野辺山(いちのべやま)の麓を回って―へ向かふ」〈太平記・三〉
出典 小学館デジタル大辞泉

コトバンク デジタル大辞泉「追手」の解説 より引用)

※「追手」の読みが「おって」「おいて(おひて)」の場合の解説は省きました。「搦手」の対義語としての意味を抜粋しています。

きっかけになった記事に案内図の写真がありまして、「搦手口」の反対側に「大手口」があります。

言い換えれば「正門側の出入口」ですね。

東京の地名「大手町」にも、このような意味が関係していそうな気がします。

では、きっかけとなった記事と、記事主様のクリエイターページをご紹介します。

私のフォトエッセイやアルバム記事にコメントを下さり、愛知県にゆかりのある方だとわかり、親近感がわきました。

ウリ子さん、コメントや記事を書くきっかけを下さり、ありがとうございました。

最後に、小牧市観光協会のサイトから、小牧山城の歴史に関するページを。


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