ゆずな

どこにいても、何をしていても、「好き」を大切に。アラサー女の作品レビューと等身大エッセ…

ゆずな

どこにいても、何をしていても、「好き」を大切に。アラサー女の作品レビューと等身大エッセイ。 ブックレビュー:https://bookmeter.com/users/501996

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    私的な生活での考えや気付き

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    本や映画などの感想。

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最近の記事

日本語で読むか、英語で読むか

前はもっと簡単だった。 基本的に日本語で読む。気に入ったものがあれば洋書に挑戦する。未訳なら洋書で読んでみる。そのくらい。 イギリスに住み始めてから、読書と言語の問題が複雑になった。日本語と英語という選択肢だけでも、ざっと6パターンある。 日本語の本を日本語で読む(一番普通) 英語の本を英語で読む(所謂洋書を読む) 日本語の本を英語で読む(例えば村上春樹を英語版で読む) 英語の本を日本語で読む(英米文学を日本語訳で読む) 英語以外の外国語の本を英語で読む(例えばト

    • 『花束みたいな恋をした』を観て、好きなことへの向き合い方を考えた

       今更ながら観たんです。2021年1月29日公開なので、2年半経ってる。CM等で存在は知っていたものの、特に惹かれることもなくスルーしていたが、今回たまたま目に入ったから視聴した。特に映画にこだわりがある訳ではないのに、翌日以降にきちんと余韻を残している。この記事を書くくらいには。  まだ10年も経っていない「2015年から2020年」の5年間を描いた本作。それなのに、こんなにもノスタルジーを感じさせることができるのか、ということに驚いた。誰もが知っているようなエンタメやト

      • "Franny and Zooey"(『フラニーとズーイ(ゾーイ―)』)Book Review

        はじめに  J.D.サリンジャーを初めて読んだときの衝撃は忘れられない。次々と著作を読んだ。『ナイン・ストーリーズ』、『ライ麦畑でつかまえて』、『大工よ~/シーモア序章』、『このサンドイッチ~/ハプワース』と作品数はそれほど多くないが、サリンジャーお気に入りの「グラース家」の人物が登場する「グラース・サーガ」はパズルのピースを埋めるように読み耽った。  今回はグラース・サーガでも代表作の"Franny"と"Zooey"の感想をまとめておきたい。本格的な考察は2の再読時に行った

        • 国際平和を望んでいた

           ころころマカロン。マカロンころん。色とりどりのマカロンは、見た目の可愛らしさよりもずっと甘い砂糖という毒を持つ。確実に一口ずつ健康を蝕むような、そんな味。『ゴシップ・ガール』のブレアに憧れて、湯舟に浸かってマカロンを口に運びながらそんなことを考える。夢見心地のフランス生まれのメレンゲ菓子。  世界平和はマカロンの詰め合わせみたいだと思う。わかりやすい華やかさを備え、毒が詰まっている。固いメレンゲは噛むとその殻はぽろぽろと剥がれていく。学生時代は国際平和を目指す、なんて響きの

        日本語で読むか、英語で読むか

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        記事

          孤独とひとりは違うから

           ウィーンへの一人旅は最高だった。社会人3年目の5月に思い立って行ってみた。「一人で海外なんてきつい」って言われ、その通りきつかった。それが良かった。旅先で病気になっても、感動しても分かち合う相手はいない。  友達や家族と旅に行くと、どうしても日本の濃度が高く保たれてしまう側面がある。一人だと、異文化の中に溶け込めるような気がする。東京なのか、ウィーンなのか、その違いだけ。私は建築物や美術館に行く、カフェで一息つく、読書をする、散歩をする。普段の休日の過ごし方だ。場所が違うだ

          孤独とひとりは違うから

          若さと美貌

           女性ばかりでぎゅうぎゅう詰めのエスカレーター付近で、ふと思う。 「私は明らかに周囲の女性より若いし、ある程度美人な自信はある。でも、みんながそんな顔をして歩いている。いつか私のこの自信がなくなったとき、私は何にすがって生きていくのだろうか。」  私は都心の通勤中、人混みに紛れている訳ではない。何を隠そう、宝塚歌劇団の宙組公演を観劇し、劇場から出るまでの道を進んでいる。 見た感じ二十代から六十代くらいの年齢層だろうか。もっと年輩もいるかもしれない。九割型着飾った女性と、あとは

          若さと美貌

          咆哮、あるいは空(くう)に叫ぶ

           立ち並ぶ屋台と、宵に輝く燈火に永遠を感じた子供の頃。父の背中におんぶされたまま、「おまつりの夜」はずっと続くと信じていた。今では、そんな記憶さえ確かなものではないのに。おまつりの夜は、暗闇が怖くない唯一の夜だった。  たまに暗闇が少し怖い。私が日常に死を感じるのは映画館の暗闇だ。シアター全体が暗くなる瞬間に非日常がぽっと顔を出す。映画を観るときは違う世界に行くのだから、一度自分の人生が終わったような気がするのかもしれない。そういうわけで、私は暗闇が怖い。今でも暗闇が怖いと

          咆哮、あるいは空(くう)に叫ぶ

          背中を押されているような気がする

           もうすべてが嫌だ。うだるような暑さに加えて、体調もすぐれない。仕事だって目立つような活躍ができておらずくすぶっている。人生のパートナーも見つからない。友達に会うのもコロナで制限されているし、まぁ面倒だ。身の回りのことをするのも嫌だ。部屋が汚い。部屋の乱れは心の乱れというものの、まさに乱れだらけだ。  そんなこんなで上手くいかない中、大叔母の死の報せがあった。もう90歳間近でずっと寝たきりだったので、いよいよかという感じであった。父母は喪服を持たないという私に驚いていた。父

          背中を押されているような気がする

          読書欲vs気力

           私は人一倍「この本が読みたい」という気持ちが強いと思っていた。少なくとも周囲の人々と比べるとそうだ。だが、ネットで知り合った読書仲間は読むペースが相当速い人たちが数いる。月に10冊読めればいいほうだ、私は。  小説やビジネス書、ページ数や内容の濃さなど要素は様々だが、私は読みたいという気持ちが先走っている気がする。「読みたい」と思うときに他のことが気になったり、少ししか読み進めることができない。義務に感じ始めると読書はつまらないから、楽しむようには心掛けているがなかなか進

          読書欲vs気力

          あなたにとって神様ってなんですか?

           私は物心ついたころから、カトリック教会に通っていた。土曜日には教会学校、日曜日にはミサに出る。それが日常だった。たまにバザーとかのイベントもあった。シスターも同年代の子たちもみんな親切だった。  「良いことも悪いことも、いつもあなたのそばでイエス様が見守っています。」そんなシスターの言葉を真に受けていた私は、まるでどこにでもあるクマのぬいぐるみのように神様がそこら中にあふれていると思っていた。  なんとなくだけど、死んだら天国に行けると思ってた。それと同時に、なんとなくだ

          あなたにとって神様ってなんですか?

          Women in Tokyo

           マウンティングーー嫌な言葉が定着してしまった。全人類が関与を逃れることはできない。今更始まったことではなく、人間の本能だ。自己が他者よりも優れている部分を誇示する。 「また上司に褒めてもらって評価良かったんだ。彼氏からもバレンタインに薔薇もらってさ。えー、まだ彼氏できないの。出会いの場に行かなきゃ」  「女」の幸せは、「結婚すること、子供を持つこと、キャリアを築くこと、親孝行すること」などのステータスに基づき判断されがちではないだろうか。男性も同様だが、男性の場合は圧倒

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          Never Forget the Twilight

           ついに念願のブログデビュー。行動に移すのが遅くて、何かアウトプットしたいのにずっと何もせずうずうずしていた。  公開された場所に何かを書くことに意味があると思う。思ってはいるものの、これまでは私的なノートに「マビノギオン」(名づけはアニメ「中二病でも恋がしたい」より)なんて名前をつけて思考整理のためのメモをつづってきた。    (一応エンジニアなので)あわよくば自作のウェブサイトを作成、またはWord Pressで凝ったものを作って書きたいものを書こうだなんて考えていた。で

          Never Forget the Twilight