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【短歌】双幸吟 5

しあわせは 今日の予定が ただ君と 愛しみ過ぐる
ばかりであるとき

しあわせは 昨夜の名残り 沁み渡る 重き身体で 添い寝するとき

しあわせは 朝寝微睡む 君の頬 額に唇 くちづけるとき

しあわせは 寝返りをうつ 君がまた 我が傍で 寝息立てるとき

しあわせは もう明けぬると 告げようか 迷いつ君を 抱きしめるとき

しあわせは 抱きしめた時の あたたかさ 今日も変わらず 感じらるとき

しあわせは やわらかき手の 薬指に 揃いの指輪 かたくあるとき

しあわせは いつ起こそうか 迷いつつ 寝息に我も 誘われるとき

しあわせは 君の奏でし ピアノから 我が好みの 曲流るるとき

しあわせは 四半世紀を ともに過ぎ なほも愛しさ 勝りぬるとき


(10首  通算50首目)


《あとがき》
拙歌、ご覧下さり、ありがとうございます。

橘曙覧の「独楽吟」へのオマージュとして詠み始めた「双幸吟」。

今回の第5弾は1年ぶりの付き合い記念日への讃歌です。

感謝の気持ちを凝縮し、些細な日常を研磨して生まれた三十一文字。

ご笑覧いただければ幸いです。
ありがとうございました。

樹田 和  拝


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