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【私的読書生活】週刊読書録vol.21(2022/5/21〜5/27)
あっという間に5月も末。
うっとうしい雨の季節も少しずつ忍び寄ってきます。
今のうちにたくさん本を手元に確保しておかなくては!(注:十分すぎる積読があります。)
そんな今週の読了本は以下。
読書に何を求めるか
ここで語られる読書は、基本的には「実用書」「ビジネス書」「役に立つ本」を読むこと。
よって、フィクションを、どう味わうかというような内容はほとんどなく、本から必要な内容を取り入れ、それを実践することが目的。
読書を役立てたいと思う人におすすめ。
著者も「本要約チャンネル」という人気YouTubeチャンネルの運営者。
脳科学的視点(ドーパミン、セロトニン等の脳内物質等に言及多い)を踏まえた実践方法(メソッド!って今風ですね)は、「役に立つ」ための読書として魅力的だろう。
とは言っても、基本は、本の選び方(表紙や帯、目次、著者のプロフィールや前書き、書評等からまず読むべき本を選ぶ)、熱が冷めないうちの即読、隙間時間の活用、マーカーやメモ等を使っての能動的な読書、SNS等を用いてのアウトプットなどなど、王道を行くもの。
その中で他の読書術本であまり見たことのなかったのは「レコーディング読書」。これは内容を読むまでは読んだことを記録することだと思っており、アウトプットと何が違うのかと疑問に思っていた。そうではなく、レコーディングするのはあくまで本を読んで実践したこと。そして実践した後の検証を行うこと。実践しながら集中力やパフォーマンスを数値化して記録している本人の直筆メモは、究極の自分メンテナンス説明書。
読書術の本は本当にどれも楽しくて、よく読む。
それぞれの特色について考えるのも好きだ。
そしていつも考える。
自分が求めるものはなんだろうと。
またこのことについては、別に改めて書いてみたい。
物語られる画家
Podcast等で美術の魅力を伝えるらちまゆみさん「そんない美術の時間」の書籍化。
絵を観るというよりは、それを描いた画家の生きた時代背景、そして個々のエピソードに主眼を置いている。
語り口はソフトなので、誰でも安心して楽しめる内容(中野京子さんとかだと、もっとズバッと買書かれてしまうようなことも、本当にふんわりと)。
今、学校教育の中で美術史とかどのくらい習うのか寡聞にして知らないが、美術は時代を写す鏡として、授業の中などで語られると、楽しいかもしれない。
食べることこそ最高の投資
食事とか栄養について考えることが好きだ。
食べることが好きということが高じてである。
実際、食に関わる仕事をしているのも、その一環だ。
美味しく楽しく健康的な食事を作り、それを楽しく食べられた時の充足感はたまらない。
と同時に、いわゆる「低糖質」や「サプリメント」が、食事術の常識のようになっている風潮に、私自身はそのことに疑問を持っていた。
今回手に取ったこの本は、その疑問について、とてもわかりやすく解説してくれた。
著者は山梨学院大学スポーツ科学部の非常勤講師でもあり、大学や実業団、プロのアスリートのサポートも行ってきたという経歴の持ち主。有名なところでは末次慎吾さんや、荒川静香さん、高橋大輔、岡崎朋美さん、長友佑都さんなど錚々たる方達の名前が並ぶ。
そういうと大上段から、食生活についてめちゃくちゃダメ出しされそうにも思うが、語り口は意外なほど優しく寄り添ってくれる。
あなたのからだは、食べたものでできている
食べたものが、全部体になるようにしましょう
健康法を探すのはやめましょう。必要なものを選べる力を身につけてください
こういった観念的なアドバイスから、
夕方小腹が空いたなと感じたら、我慢せず「残業食」をとりましょう。(中略)私のお薦めはドライフルーツとナッツ。これらの食品にはビタミンやミネラルが多く含まれていて栄養価が高くて、多糖類で食物繊維が多いので、食べても急激に血糖値があがりません。
白米の糖質を効率よくエネルギーに変えるには、ビタミンB群を満遍なくとることが重要なのです
朝食は必ず食べてください。本番で緊張すると、血管が収縮して血流が悪くなる恐れがあるので、タンパク質をとって体温を上げておくことも大切です
などなど、すぐに使えるアドバイスまで。
この本は、今週の最初に紹介している本にあるように、「実践」しているところ。
著者の他の本も読みながら、何度か読み返したり、何らかの形で要約などをしてみようと思っている。
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自分にごほうびをあげよう
漫画も食関係。
こちらは食べることって人それぞれと思わせてくれるほっこり系。
詳しいレシピは全部には載っていないけど、何となくでも作って楽しむことも出来る。
登場人物が少しずつ成長しているのも楽しい。
私のごほうびごはんは何だろうな。
美味しいお酒とそれにあったおつまみかなぁ。
気分によって結構食べたいものが違うので。
連れ合いは、焼肉か唐揚げだそうです。
若いね、笑。
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真に思いやるとは
好きな作家の1人、久坂部羊さんの新作(なのかな。2021年11月発行)。
前情報なく、新作だと手に取り、そして2時間くらいで一気読み。
医療とは、命とは、生きるとは、死ぬとは。
医師としての目線から、鋭く問いかけてくる作品が多い久坂部羊。
今回も切り込んできた。
【あらすじ】
主人公村瀬薫子の手記として語られる物語。
次兄ー村瀬真也が殺人ー3人の自殺志願者を殺害ーの容疑で逮捕される。
引きこもりではあったが、心優しい次兄がなぜそんなことをしたのか。
面会、裁判の傍聴、そして薫子の記憶の中で明らかになっていく、長兄と次兄との確執、母の死の真相、そして今、末期癌で緩和ケア病棟に入院している父の想い、信頼する心療内科医の見解、マスコミの思惑、SNSに溢れる無責任。
そして明らかになる次兄の真の目的とは…。
久坂部羊さんのテーマに多い、「安楽死」の内容もあるけれど、他の作品に比べるとややその重点は軽め。時事的な事件も扱われており、「今」を語る小説だが、感染症のある世界が主題もしくは背景にはなっていない(医師作家だから、そういう内容かと思っていたら違いました)。
「ほんとうの思いやり」とは何か。価値観を根本から考えさせられる。
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今週は書く時間がとれたこともあり、長くなりました。
最後までご覧下さり、ありがとうございました。
次の週も楽しく読んでいきたいと思います。
皆様にも、素敵な本との出会いがありますように。
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