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VCは事業内容以外、起業家のどこを見ているのか?

ベンチャーキャピタリストは起業家の皆さんと日々対峙するのが仕事です。

ゆえに、以前のエントリーでも書きましたが結構な確率で、”成功する起業家ってどんなひとですか”とか聞かれるんですけど、正直100%それが分かったら苦労しませんw

とはいえ、自分が起業家のどこを見ているのか? は事業内容を除けば書けないこともないかなと思いまして、ちょっとまとめてみました。

まず、ひとの紹介やTwitter・Facebookきっかけで起業家の方にお会いすることになったとして、

面談やSkypeの日程調整・時間調整のやり取りがスムーズかどうか

これで意外と人柄も仕事への姿勢もわかります。特にレスが早く、かつ無駄なやり取りが無い(ように意識されていると感じ取れる)方に対しては好印象を持ちます。ユーザーやお客さんに対しての態度やUI/UXのセンスにつながると思うからです。

で、その後、実際にお会いする日になるまでに何をするかというと、FBやTwitterでその方の発言などをさーっと拝見します。

FacebookやTwitterなどで人となりを想像されることを知っているか

ソーシャル上での発言などから人物像や価値観みたいなものが少しでも見えてくると私は思っていますし、そういった外部の視線を冷静に受け止めているかを観察しています。

この力はセルフブランディングや企業・サービスのPRにつながってくるからです。特にサービス立ち上げ初期はPRに長けていることで早く事業を伸ばせるかなと思っています。

で、初対面!のときは、

第一印象に気を使っているか

登場のタイミングも早すぎず、遅すぎず(というか遅れるときはご一報頂けるのが理想ですが)、かつ最初から気持ち良いコミュニケーションをできるかどうか。

これも正解があるわけじゃないのですが、本気かどうか、は言動や表情などにあふれると思っているので(服装ではない)、こちらもあまりじろじろ見ませんが、さっと印象をインプットしています。

それから、面談に入れば、何で起業したのですかー、とかユーザーの視点でみてどういった課題解決/ニーズ充足させるサービスなのですかー、とか取りうるマーケットはこれくらいですかー、といった質問などをさせていただきます。

質問に対してまっすぐ答えられているか

は、大事。伝えたい、話したいことがたくさんあるのは分かりますが、相手の意図を汲んで適切な長さや内容で答えられるかどうかは重要です。ステークホルダー(株主や社員・取引先・顧客など)とのコミュニケーションは事業が進めば進むほど増えるので円滑なコミュニケーション能力は必須だと思っています。

ここのコミュニケーションが上手くいかないと往々にしてのちに問題になりがちな印象です。

芯はあるが頑固ではないかどうか

最後に、初回面談は一緒に事業を作っていけるパートナーになれるかどうかのディスカッションの場だと思っているので、単純な現時点の事業(アイデア)の良しあしを見るのではなく、「もっとこうしたほうが良いのではないか?」というやり取りもしたいと私は思っています。ゆえに、こちらの案を丸呑みにもせず、かといって完全拒否するでもなく、建設的に考えられるひとかどうか? は大事かなと思っています。このあたりは相性もありますけれど。

まとめると、ユーザー視点で物事が考えられるか? 自分自身の影響力を客観化しコントロールできているかどうか? そのうえでポジティブに今から先の未来を変えていこうという意思があってそれにひとを巻き込めるかどうか? といったあたりを知るために私は観察していますね。

これをすべてクリアすれば投資に至るわけでもないわけですが、少なからず人物評には影響のある部分かなと思っていますので、ご参考になれば幸いです。



もしサポートを頂きましたら起業家の皆さまへご馳走するなりして還元したいと思います。よろしくお願いします。