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"虚像と脳と資本主義"ーシミュレーション社会でどう生きるべきか?

最近話題のLLM(大規模言語モデル)。個人でLLMを活用したり、会社としても生成AIなどLLMへの投資を決めて取り組んでいるなかで、ひとつ確信に変わったことがある。

それは「僕らはAIシミュレーションの中で生きている」ということだ。

突然バカみたいに思われるかもしれないが、この「シミュレーション仮説」は、イーロン・マスクやオックスフォード大学教授のニック・ボストロムなど、多くの人に語られている。僕自身、最初は「そんなわけあるか?」と疑って元の論文を読み込むなどして調べていたが、最近のLLMの発展をみてほぼ確信に変わった。

この世の中も人間も、格差や貧困、SNSの誹謗中傷などの現代社会における問題もすべて、所詮AIシミュレーションであるなら、「今」を生きる自分たちはどう向き合うべきなのか?

そんなことを考えながら、人間において最もプログラムデザインされているであろう「」について最近調べまくっていたところ、脳は「種として強くなるために非常に優れたデザイン」である一方で「個として生きるには残酷なデザイン」だということを知ってしまった。

今回のnoteでは、そんな脳の仕組みをベースに、自分の視点から社会課題を分析して、解決策までをちょっと提案してみたいと思う。

(すいません一万字くらいあります🙇‍♂️。これでも半分以上削りました。。内容自体はおもしろいと思うので何卒)


前提:所詮シミュレーションなんだから、気楽にやろう

本題に入る前に、シミュレーション仮説の補足と、自身のスタンスとして伝えたいことを先に書く。

シミュレーション仮説を簡単に説明すると、僕らが生きている世界は『マトリックス』や『レディ・プレイヤー1』みたいな、仮想空間上のシミュレーションと同じだよねって話。つまり、先の人類がシミュレーションをつくり、そのシミュレーションがループすることで、あたかも現実かのように僕らは仮想現実を生きているってこと。

そんなバカなことある?と思うかもしれないが、想像してみてほしい。

この先10年で人間をシミュレーションできるかはわからない。でも、100年後、500年後はあり得るかも?とは思わないだろうか。イーロン・マスクが言うように、僕らがそのシミュレーションを完成した最初の人類である可能性は、数十億分の一の確率であるかもしれないね、と。

それが確信に変わってきたのは、最近のLLMの進化だ。

まだ発展途上の技術にもかかわらず、すでに文章では50%以上の人が騙されているし、画像生成AIでも実在する人間なのかAIなのかもはやわからない。高度な性格も高いレベルで学習可能であるという論文も最近出ている。

このAIが作成した音楽は、本物の歌手よりも「それっぽい」と話題だ。

下記のGoogleとStanfordの実証論文「Generative Agents: Interactive Simulacra of Human Behavior」では、AI同士が本当に社会活動をしている。会社でもこの論文をもとにAIヒューマンを作っているが、もはや人間だと思った。

出典:https://arxiv.org/abs/2304.03442

これから書くことは、このシミュレーション仮説を前提に、現在のポスト資本主義やSNSの誹謗中傷、コミュニティ、web3の未来みたいなところを、脳科学やデータと、自分のエッセンスを取り入れて紐解いたものだ。

ただし、自分のスタンスを先に伝えておくと「社会課題を紐解き、解決策を示す」みたいな話は、もう散々いろんな場所で語られていて聞き飽きていると思うし、そんな真面目で堅苦しい話をしたいわけじゃない。

今回のnoteで伝えたいのは、「どうせ世の中たぶんシミュレーションなんだから、もっと気楽に、課題に向き合っていこうぜ!」って話。

生きていると、色々大変なこととか、許せないこととか、辛いことがたくさんあると思う。

自分も最近、自転車の前輪だけ盗まれたり、プロジェクトで炎上したり、社内の揉めごとの火消ししたり、恥ずかしいことも辛いこともまぁ色々ある。

前輪盗まれて遅刻した時のslack

でも所詮、僕らの生きてる世界がシミュレーションなんだとしたら、もっとライトに社会と向き合ってもいいんじゃないかって言いたい。

イライラする人がいても「そういう役のキャラなんだな」とか、困難にぶち当たったら「そういうシナリオ」ね、とか。スーパーマリオみたいなゲームをクリアする感覚で、どう解決しようかな?的なマインドになれると理想だと思っている。

人類が誕生してから、およそ20万年。サルトルの「歴史にコミットする(アンガージュマン」や、台湾のIT大臣オードリー・タンの「社会参加によって、いつかログアウトするときの世界を、ログインしたときよりももっとよいものにできる」という名言があるように、これまでの先祖を見習って、僕らも今の「面」をクリアしていかないといけない。

そこでまずは、僕らの世代が「どんな問題にどう向き合うか」を考えるため、根本にある生物的な観点としての脳の仕組みを考察する。その上で、資本主義やSNSといった現代の問題を深掘り、解決策まで見出せればと思う。

種としては超優秀だけど、個としては残酷な脳のデザイン

人間の脳は、実は10万年くらい発達していないらしい。なんなら、3000年前の文字の発明によって、ちょっと小さくなっているらしいw

(PS:LLMの学習にあたり、最近、脳神経や生物系を学び始めた"にわか"なのでそこは理解していただきたい。でも一応めっちゃ勉強してます。)

シミュレーション仮説を前提とした際に、最もプログラミングされているであろう場所はたぶん、人間の脳だ。このデザインを知ることが、今の時代でクリアすべき面を理解するのに役立つと思っているので紹介したい。

生物的に考えたら当たり前だが、ヒトの脳は「種の生存と繁栄」のために最適にデザインされている。ここで強調したいのは "種として強くなるために" 非常に優れたデザインであるということ。

逆に言うと「種として強くなればいいので、個人の幸福はどうでもいい」という、個として生きるには残酷なデザインになっている。

その上で、個人的によくできた設計だなと思ったのは「生と死」「競争」「幸福ホルモン」の3つ。

まず「生と死」は、より強い遺伝子を受け継いでいくための最適なデザインだ。死がなければ、遺伝子的な大きなアップデートがなされず、種として弱くなってしまう。つまり、個体に死があるからこそ、種が繁栄するようになっている。(興味のある人は『生物はなぜ死ぬのか』『利己的な遺伝子』を読んでほしい。)

そして、種からすると弱い遺伝子はいらないので、基本的に「戦いたくなる」ように設計されている。容姿や能力、性格などが違うのも、すべては競争のバリエーションを増やすため。コロンビア大学の研究では闘争本能は骨からも出るらしいから、戦いたくないと意識したとしても、もはや生物であるかぎり抗えないw

ただし、強いやつも遺伝子だけが残ればいいから、死は弱者にも強者にも平等に訪れる。(って考えると、ちょっと生きやすくなるかもしれない。)

さいごに「幸福ホルモン」。競争性と生存確率を高めるために、人間は不幸の方が感じやすい設計になっているらしい。もっと言うと、うまくいっている時でさえ、常に不幸を感じさせるようにデザインされているという研究結果がある。

だからもし、今悩みを抱えている人がいたら、こう伝えたい。それは「不幸が訪れているのはあなたのせいではなく、そもそも人間がそういう風に感じるように強制的にデザインされている」ってこと。もちろん個別の理由はあると思うけれど、根本的にヒトは不幸を感じる生物なのだから、仕方がないと思うことも大事。

そんな脳のデザインが、地球上最強の種をつくり、ほぼ人類以外の外敵がいない環境を生み出した。そして、人類やその知能を強化するプログラミングによって、人間同士で競い合っている構造になっている。

なので、僕らが抱えている問題や課題も、問題っちゃ問題なんだが、正しくは「脳がそれを問題としているだけ」とも言える。

まぁ、これもシミュレーションゲームだしね。困難があった方がゲームも映画もおもしろくなるからそういう設定なんだと思うようにしている。

資本主義とSNSは何が問題なのか?

個として残酷なデザインをされてしまった我々人類は、まさに今、世の中に多くの問題を感じていると思う。いや、問題だと思うようにデザインされている、と言った方が正しい。

そんなこんなで、僕ら人類は20万年間ずっと、放っておいても、勝手に脳が課題を設定して、発明や文化によってそれを解決し、また新たな課題を設定して解決するというループを繰り返してきた。

じゃあ、今を生きる人間として、倒すべきボスキャラはなんだ?

個人的には「資本主義」と「SNS」の2つだと思っている。この面をクリアするために、まずはそれぞれの問題について簡単に扱う。

1. 資本主義の問題

資本主義そのものは、すばらしい発明だ。貨幣により価値を交換できたり、貯蓄できるようになった。

ただ、現代においては、貨幣の分配率における不具合から「格差社会」が生まれていることが問題だ。どれくらいかと言うと、世界の資産額上位約10%の人が、全体の約80%にあたる資産を所有している

出典:WORLD INEQUALITY REPORT 2022

昔だったら、力が強いやつ、病気に強いやつ、頭がいいやつなど、個体としてのバリエーションで力が均衡していたが、今はカネの力が強すぎてバランスが悪い。(例えば先日12,000人もの人員を解雇したGoogle CEOのピチャイは解雇した人の報酬総額に近い、2億2600万ドルもの株式報酬を今年受け取っているという。)

ただ僕は、資本主義による格差が不公平だと言いたいわけじゃない。むしろ頑張っている人が報われるのは当然だとも思う。でも、種を強くするためには、もう少しバランスを取ろうぜってことを伝えたい。

2. SNSの問題

そしてインターネットやSNSの登場が、その格差を広げ、より不幸を感じさせやすい状態をつくっている。

個人的に、ハーバード大学・アーサー教授の「SNSはいわばジャンクフードみたいなもので、高カロリーで低栄養素」という表現がめちゃくちゃ好きだ。体に良くないってわかっているのに、ついつい食べたくなるw

https://www.youtube.com/watch?v=vTmixSgeOI0&t=656s

もちろん、SNSやインターネットによって人がエンパワーメントされたり、救われている人がいることも事実だ。しかしながら、人口の増加とSNSによって脳がバグを起こしやすくなっていることは知っておいた方がいい。

先ほども伝えたとおり、脳そのものは、10万年前からほぼ変わっていない。にもかかわらず、昔は共同生活で幸せも不幸も見える距離感にあった人たちが、遠く離れていてもSNSで繋がれるようになった結果、幸せという一側面だけが切り取られて見えるようになった。

特にSNSは闇深い。TikTokもInstagramもTwitterも、みんな加工したり、いい部分だけを切り取ってアップロードする。より可愛く、より有能に、より幸せそうに。でもそんな幸せだけの世界など虚像なので、そこに近づけなくて辛くなる。

そもそも「幸福=現実(比較)ー理想」という等式があるように、幸せとは、理想と現実の比較から生まれる。つまり、SNSによって今まで以上に見える世界が広がり、その虚像がすべてのように映ってしまうことで、理想と現実のギャップを拡張させ、不幸せを感じさせやすい構造を生むことに問題がある。

実際に「世界一幸福な国」として有名だったブータンは、実は97位までそのランキングを下げているが、これは世界をつなげたSNSの台頭が影響しているという。

これらの社会問題=現代のボスキャラに立ち向かう方法を、自分なりに考えてみたので、以下に紹介していく。

資本主義の攻略法を考える

資本主義。こいつはかなりの難敵だ。個人が今の状況から抜けることは一定できるが、根本から問題を変えるには、発明や制度変更が必要になる。

自力で抜け出すには「インプット行動回数」が重要であることはデータや研究からも明らかになっているので、今回は「制度」に目を向けられればと思う。

1. 税改正と透明化

どこの税を変えれば良くなるのかを考えるのは、とても難しい。なぜなら、自国だけの問題であれば会社や富裕層の税金を上げるでシンプルだが、国際競争もふまえるとそうもいかない。アメリカより社会格差が広がっていないことを考慮すると、格差を生むほどの産業を生むべきという成田さんの論も一定は理解できる。

ただ、どういう税制や国策にするかは民主主義なので政治家に任せるとして、透明化はいち早く遂行すべきだと考えている。

ここで参考になるのが、デジタル担当大臣オードリー・タン率いる台湾の取り組みだ。よくDXが取り上げられるが、個人的には、その徹底的な透明性にこだわった施策が秀逸だと思っている。

例えば、台湾政府の合意形成プラットフォーム「vTaiwan」や、「PDIS(Public Digital Innovation Space)」によるオープンガバメントの取り組みなど、市民の意見による集合知や情報の透明性などがとてもよくできていると思う。

PS:オードリー・タンは最高なのでぜひ本を読んでほしい。今年のマイベスト本↓↓

2. 通貨自体のアップデート

ふたつめに、通貨自体のアップデートだ。ブロックチェーン技術によって誰でも通貨を発行、デザインできるようになった。これはワンチャン、この資本主義の問題を解決できるのでは?と個人的には思っている。

過去にnoteで書いたNetwork Stateもそうだが、例えば2019年にGaudiyが実験したこととして「Trust Economy bonding curves」というものがある。これは、価格の計算ロジックにも新しい手法を使っているが、そのメインは信用スコアによって取引価格が変わるというロジックを組んでいることだ。

このように、ブロックチェーンでお金のデザイン自体もプログラミングできることから、通貨がスケールした際には資本主義の問題解決に寄与できるのでないかと考えている。

そのため、Gaudiyでは、web3によるお金の再デザインのため著名な経済学者の方々を顧問に招き、様々な共同研究などさせていただいている。

「Gaudiy-坂井方式」https://prtimes.jp/a/?f=d35719-18-pdf-0.pdf

SNSの攻略法を考える

次に、SNSの攻略法を考えてみる。繰り返しになるが、SNSは良い側面もありつつ、使い方次第では毒になる。だからこそ、使い方に気をつけなければいけない。

資本主義の話は実践しづらいと思うが、こちらはより即効性のあるノウハウや解決策を提案できるので、個人でもよければ試してみてほしい。

1. マインドセット

まず前提として、SNSの社会はほとんどが虚像であり、見えていない不幸がめちゃくちゃあるというマインドを常に持ち続けることが大事だと思う。

自分もそうで、SNSではどう見られるかを考えながら発信しているし、noteでも有能そうに見えるように意識してたりする。でも実際には、色々な悩みやコンプレックスもたくさんある。

そんな感じの虚勢をみんなが取り合って、歪な仮想社会を作っていることと、SNS社会は現実ではないことを認知すること。そして発信する側も、難しいかもしれないが、可能な範囲でよく見せすぎず、失敗や不幸を発信する努力が必要だと思う。

2. 良いコミュニティに入る

次に、コミュニティだ。普通かもしれないが、やはり大事だと思う。ハーバード大学のある研究によれば、人を幸せにするものは金や富、健康ではなく「同じ志をもつコミュニティで、頼り、頼られて生きること」だという。

すべての人に、自身が居心地の良いコミュニティが必ずあるはずだと思うし、僕自身、努力したくなるコミュニティがあって初めて意欲が湧く生き物だったりする。オンラインでも、オフラインのコミュニティでもいい。強くなる努力はしなくていいので、貢献したいと思える居心地の良いコミュニティを見つけることに力を入れるといいなと思っている。

3. 異なる価値観の人と対話する

SNSによって遠くの人と繋がることができるようになった反面、価値観やそれぞれの正義によって、誹謗中傷や炎上、ネット上での喧嘩などの問題も起きている。これに対しては、異なる価値観の人とリスペクトしながら対話することが重要だと考えている。

大前提、正義は人によって違うし、常識もマジョリティーの価値観でしかなく、それが正しいわけじゃない。さらに生物的な観点でも、種を強くするための多様性として、意図的に性格や価値観の違う人を生んでいる。

人を殺すことですら常識では絶対にだめだが、戦争になってしまえば正当な理由となり、多くの人を殺した人を英雄扱いするような異なる常識に変わるような社会だ。

さらに「ヒューマンカインド」という書籍によれば、遠い距離にいるほど憎悪が増す、という統計もあるそうだ。そういう背景や前提を知った上で、リスペクトしながら対話する。自分も全くもって完璧ではないが、そのように生きる努力はしている。

ひとつだけ、具体例としてのSNS上のコミュニケーションを紹介したい。

約1年前、ちょうどGaudiyがシリーズBの資金調達を発表した際に、界隈で有名な裏垢に絡まれたことがあった。当時、SNSで攻撃っぽい絡まれ方をされたのが初めてだったので勢いでブロックしてしまったが、その方が炎上系で有名なアカウントだと聞いて、一度向き合って話してみることにした。

実際のDMのスクショと当時のツイート

一度は攻撃的な印象の返信をいただいたものの、上記のように歩み寄りながら自分なりの意見をお伝えしたら、とても好印象を持っていただけた。僕も怖さや嫌悪感もなくなり、実現はしなかったがご飯や会社訪問などの約束をするほどの関係性を築けた。これは自分にとって、とても良い経験であり学びがあった。

これはほんの一例であるが、「直感的にその人が苦手」「行動や言動が許せない」と思ったとしても、その現象や人格に目を向けるのでなく、その背景を理解し、両者がともに寄り添うことが、難しいけれど必要なのだと思う。

また、放射線医学総合研究所の実験では、嫉妬心が強い人ほど処罰感情が強い傾向にあることが明らかになっている一方で、これらの特徴がある人も、経済的なゲームでない場合は利他的に行動するという結果が出ている。

結論、世の中の嫉妬も攻撃も、資本主義やSNSが生み出しているのだ。非常識な発言をするが、誹謗中傷や暴露系の裏垢は、今の立場になると少し怖いが、生物的には健全で、根本的には社会の仕組みの問題なのだと思う。

まとめ

今回は、シミュレーション仮説から、今を生きる僕らが倒すべきボスキャラである「資本主義」と「SNS」について、その問題から解決策まで思うところを書いてみた。

ちょっと真面目なトーンになってしまったが、今回伝えたかったのは、この世は所詮シミュレーションで、色々な課題や困難があっても、そう感じるように脳がプログラミングされているだけ。だから気張らずに、歴史にコミットしていこうよっていうお話でした。

5周年にあわせて書き始めたのだが、書いているうちに全然違う方向に逸れてしまったwなので最後に少し宣伝…

宣伝:Gaudiy5周年を迎えて

Gaudiyは今、調子いいの?(虚像のフィルターなしで)

SNSの虚像の話をしたので、正直に話すべく、色々バラしていきたいw

外から見たら、最近シリーズBで35億円を調達し、メディアの露出や賞をいただいたり、大手企業とたくさん提携したり、優秀なメンバーがめちゃくちゃ入っていて採用も強そうとかたまに言ってもらえるのですが、、、良いところだけ見せてます!w

実際、全体的には会社の雰囲気もいいし、大型調達も成功したし、すごく優秀なメンバーが集まってきているのは事実ですが、課題も恥ずかしい失敗も死ぬほどあります。

まず、プロダクトがまだまだPMFしてません。自分の中では実現したい世界観の2%くらい。実際に数字もめちゃくちゃ伸びてるわけではないです。

また現在70名くらいの組織で、4年間これまで正社員の離職率ゼロでしたが、最近出始めています。すごいネガティブな理由ではないですが、ゼロではなくなりました。あとは文化を大事にするため、本人と社員全員のOKがないと入れないという「お試し入社」という制度があるのですが、1〜2割はそこで辞めてます。なので、離職が少ないのは少し訳がある。

他にも最近、社内で文化が合わずにぶつかったり、大手IPを炎上させてしまってちゃんと怒られたり、組織改変をめちゃくちゃやったり、、
過去は一切、後悔はしてないです!みたいなことを言う人もいますが、僕は全然、後悔してることがたくさんありますw

スタートアップなんて、イケてるように見せてますが、そりゃ色々あります(^_^)
「まぁでも、それもシミュレーションだしな」と心に言い聞かせ、ひとつずつ問題解決している。そんな感じです。

5周年を迎えて、今後Gaudiyはどうなっていくのか?

所詮、世の中はシミュレーションなので「バグみたいな会社」にしていきたいなと。

Gaudiyは創業当初から「ファン国家」というビジョンを掲げています。今回のnoteでお伝えしたような資本主義の不合理を、web3のコミュニティサービスで根本からひっくり返してやろうという野心です。実現可能性は限りなくゼロに近いです。でも夢はあります。

そして現在、色々な日本企業がグローバル進出でうまくいっていないなか、日本のエンタメという強みを生かし、web3×コミュニティで、世界のSNSという強者がうじゃうじゃいる領域で一旗上げてやろうという。バグみたいな無謀なことを言っている会社です。

また組織では、DAOの文化なので、CEOやCXOを議論バトルさせた上で選挙で決めるという、アホみたいなことをしてます。ちなみに先日やった初回では、CXOにあたるメンバーが2名交代しましたw

他にも評価制度をなくして給与を言い値にしたり、それらを大学教授を交えて実験するみたいな、一見すると頭のおかしいことをしてます。

ただ、Gaudiyの良いところを一つあげるとしたら、ビジョン共感が強く、このような無謀をみんなが楽しんでいるところかなと。そんな変わり者が多いことが、Gaudiyを推せる唯一のポイントかなと思ってます。

最近は、Gaudiyに入った新規メンバーには、まず「お気の毒に」と申し上げてますw そんな会社ですが、興味ある人はぜひ一言かけてください。

これからも無謀な挑戦をしていくので、いつ潰れてもおかしくない会社です。なので潰れたらぜひ笑ってください。そして誰か僕を拾ってください🙇‍♂️

#今こそ無謀に

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