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【今でしょ!note#107】評価経済社会において企業・地域・個人に必要なこと

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

最近、岡田斗司夫さんの「評価経済社会」という本を読みました。

この本が発行されたのは2011年ですが、2024年を生きる今の私がようやく感じつつある世の中のパラダイムシフトを、私が仕事し始めたくらいのタイミングで既に予測されていたことへの驚きと、ここまで大体合っているので、今後ともこの本に書かれていることの動きは加速していくのだと感じています。

今日は、この本の中から特に印象に残った箇所を紹介しながら、今の私たちが特に大事にしていかないといけないことをまとめておきたいと思います。


未来の変化は、若い人の価値観の変化によるもの

現代の10〜20代の人たちの多くは、価値の中心に「自分の気持ち」を置いている人が多いとの記載があります。
これは私も感じていますし、何なら30代の自分も、自分と同世代の人たちの中にも割と増えてきた印象です。

これは、彼らが苦労を知らず、甘やかされて育って、苦労を知らないから、というわけでは決してなく、一昔前の経済史上主義の価値観に執着しなくなっており、安定した会社に就きたい、出世したい、という価値観では、幸せを追求できないということを感じ始めているからです。

あらゆる情報サービスが無理に近づき、あらゆる製品価格・サービス価格が原価ギリギリに近づいている現代、さらにはこれから人口減少で国内マーケットの縮小がかなりの確度で起こると予想されている中で、貨幣経済社会は沈没しつつあり、代わりに評価経済社会が到来しつつあります

明治時代の殖産興業を後押しする形で生まれた義務教育では、最も大事なことは集団生活を学ぶことというのはよく言われるところですが、これは工場勤務で機械的な流れ作業を効率よく行うためのトレーニング、人材育成目的である要素が強く、高度成長期のような「たくさん作ればたくさん売れる」時代ではなくなった現代において、現在の義務教育の形があらゆるところで無理が来ているのを感じます。

働いても働いても給料がなかなか上がらない大人や、職位が上がるに連れて責任と忙しさだけが増していくように見える大人を見て育ってきた若い人も多いと思います。

そんな時代を生まれて生きてきた若い人だからこそ、「とにかくたくさん働いて収入をガンガン増やすぞ!」とか「とにかく早く出世したい」とかいう画一的な経済競争の中を勝ち抜いていきたい、というような価値観ではなく、「やりがいのある仕事に就きたい」「自分の可能性を伸ばしたい」「自分の気持ちに素直でいたい」と感じるのは、当然の流れかと考えます。

2050年を予測すると、そんな彼らが40〜50代と社会の中心を担う時代になっており、社会全体の価値観が今よりももっと「個人の価値観を大切にする」ところに重きを置かれているのは想像しやすいですね。
そんな社会の中で、中長期的に選ばれ続ける企業になるためには、やはり「仕事内容や働く環境、人間関係を通じて、個人のやりがいを与えられる企業」「個人の成長機会にあふれた企業」に変換させていく必要があります。

個人的な感覚ですが、2024年の今現在において、これが真の意味で実現できている企業というのはまだまだ少なく、その重要性に気付いていて、そのようなメッセージ発信と、変革を進めている最中の企業が多いという印象です。
今の時点で、自分が勤務している企業が既にそういう動きに変換していこうとする具体的な動きを感じられていればある程度健全な企業だと思いますが、あまりそのように感じられない組織に所属していらっしゃる方がいれば、結構危険なサインです。

私たちのような現役世代が、新たなパラダイムにシフトしていく中で、しっかりと環境を選んでいくことが、社会全体の自浄作用につながっていきます。
だから「自分がその環境の価値観に合っていないけれども、それは自分の努力不足だ」というような考えで無理して踏み止まるべきではありません。
若い人が「ここでは無理せず成長ができる」「仕事のやりがいがある」と感じられる場所を選びとっていくことこそが、そうでない企業を市場から追い出したり、変われていない企業を変えていくことにつながります

金融資本よりも、評価資本が重要になっている

上述した「パラダイム」というのは、誰もが疑う余地なく、そういうものでしょう、と感じているものを指します。

例えば本の中で紹介されているのは、「地球温暖化=悪いこと」という考え方。
1000年単位で見れば、これから地球は冷えていくと予想されている中で、地球温暖化は人類にとって喜ばしいことかもしれません。
実際に西暦1000年くらいの中世は今よりも暑かったという古気候の分析もあり、そこから1600〜1700年にかけて冷えてきて、また暖かくなりつつあるという傾向が示されています。

http://oprj.net/articles/climate-science/16

「高度成長は素晴らしい、もっと頑張ろう」「バブルが崩壊して大変、不景気だ」という考え方も、いつの間にかそのように考えるように私たちは影響されています。

貨幣経済社会においては、テレビや新聞のようなメディアが私たちの価値観に影響を与える装置として機能してきたわけですが、評価経済社会においては、個人の解釈や感想、特にインフルエンサーとされる人の考え方が、私たちの価値観形成に大きく影響するようになりつつあります。

そのため、貨幣経済社会が、誰もが豊かになるために競争する社会と言うならば、評価経済社会では、誰もが他人に影響を与えることを競争する社会ともいえます。

そして、貨幣と評価の価値は、常に「貨幣<評価」が成り立つとあります。
つまり、多くの金融資本を持っていても、それで評価に変えることは難しいが、多くの評価資本を持っていれば、それを金融資本に変えることは難しくないと言うことです。

そこから感じたことは、1つ目のポイントで述べた点とも共通しますが、地域も企業も「世の中の人たちから尊敬されて、選び続けてもらう存在でなくてはならない」ということです。

これは、私が「今の会社をどのような会社にしたいか」と問われた時に、色々と考えてたどり着いた答えとも重なる答えです。

これが「売上の1%を植林のために使いました!」というようなものだけではダメで、その企業の事業活動や地域の取り組み自体が、価値観を体現していないと評価資本の形成には繋がりません。

「資本金が○億円」あるというような経済規模の話よりも「企業活動そのものが、日本の労働生産性の改善に寄与している」とか「人が本来やらなくても良い無駄なプロセスを排除している」とか、これからより少ない人口でも運営できる仕組み、自分たちの国、自分たちの地域で消費と投資を生み、企業や地域の成長が自分たちの生活への恩恵を受ける形で還元できる社会の実現に貢献していると認識されることがより重要なのです。

これは個人でも同じで、「自分はこういう課題感を持っていて、こういう形で貢献したい」というものを具体的・明確に示して行動する人の価値がより高まっていくはずと考えています。

私もこのnoteでの記事などを通じて、自分が課題に感じていることやそれに対する意見をこれからも発信し続けていきたいと思います!

それでは、今日もよい1日をお過ごしください。
今日もお読みいただき、ありがとうございました!

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