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#272 子連れ倉敷&高松奮闘記3 大原孫三郎、總一郎氏への理解が少し深まった日

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

3歳と1歳の子どもを連れて、1週間の倉敷&高松旅行に来ています。
昨日は、初日から宿泊している美観地区のエアビーを拠点にして、1日中美観地区を堪能できた1日でした。

これまでの経緯は、昨日までの記事でまとめていますので、まだ読まれてない方は、ぜひこちらもご覧ください!

昨日は、朝からランニングをした後、美観地区のカフェで朝ご飯を食べて、「くらしき川舟流し」を楽しんでぶらぶらした後、大学時代の後輩に教えてもらった「語らい座 大原本邸」で大原家のことを学び、大原美術館、かき氷、夜も美観地区で外食と、結果的に盛り沢山な1日になりました。

大原家の詳細は別記事に譲るとして、大原孫三郎の一生を詳細に書き綴った本、「わしの眼は十年先が見える」を読んだ状態で倉敷に来ることができて、本当に良かったと感じています。とにかく、出会うもの一つひとつのものに対する興奮度が違います。

例えるなら、Perfumeのことを全然知らない人が、街でたまたま、かしゆかに出会ってもスルーしそうなところを、事前にPerfumeのかしゆかを認知していることで、「かしゆかがそこにいる!!!」と気付いて、一気にテンションが上がるような、そんな感覚です。

今日は、美観地区で丸1日過ごした気付きについて、ご紹介します。

旅先ランニングの至極

昨日は、朝早めに起きて記事をアップした後、美観地区から酒津公園までランニングしてきました。
約7kmのランニングでしたが、やはり知らない土地を走るのは新しい景色が見れて新鮮で、あっという間ですね。

酒津は、上述の「わしの眼は十年先が見える」の本でも何度か出てきて、児島虎次郎の住まいとアトリエがあった場所ということらしいんですね。

走る場所はどこでも良かったので、何となくGoogle mapを見ながら聞いたことがある地名だ!と思って向かってみました。

早朝でしたが、早くも遊んでいる子どももいました

ランニングシューズ一つあれば、どこでもできる運動って素晴らしいです。
旅先の地理も自分の足で走ってみると位置関係も頭に入りやすいですし、これからもちょこちょこ走ろうと思います。

くらしき川舟流し

美観地区でホットサンドなど朝ごはんを食べたら、川舟に乗りました。
ちなみに、朝ごはんを食べたのはこちらで、ビスケットが有名なお店でした。
初めて行きましたが、色んな種類のビスケットがあって一気に食べてしまいます。トーストを頼むと、トースターごと貸出されて、各席で自分でトーストを焼くシステムになっているのも面白いところでした。

さて、川舟ですが、当日要予約で昼前には完売していました。私たちは美観地区に宿泊していることもあり、朝早めの時間から予約が出来たのですが、当日別の場所から美観地区に来られる方は、早めに来ないと割とすぐに売れきれてしまうので注意です。

川舟は、日差しも強かったですが、子どもも舟に乗って近くで魚を見たり、白鳥を見たりして、なかなか楽しめたようです。
大人も、大原孝四郎氏、孫三郎氏、總一郎氏が三代に渡って辰年生まれだったことから、縁起が良いとされて龍の模様が付いた橋などが多いといった話や、もともとは美観地区から瀬戸内海まで4Kmほどで到着できたが、今は川が迂回しているので10Km以上かかるとか、瀬戸内海沿いにある児島は、もともとその名の通り島で、埋め立てて陸繋ぎとしたなど、色んな話を聞きながら舟に揺られる経験ができました。

こんな感じで20分ほど揺られました

語らい座 大原本邸

大原美術館に入る前に、大原家のことを勉強しておこうということで、大原美術館の前にある大原本邸にお邪魔しました。事前に読んでいた本の情報とクロスして理解することで、立体的に当時の様子が浮かんでくるような感覚があり、面白いです。

大原本邸

中に入ると、「降り注ぐ言葉」として、大原家5代壮平、6代孝四郎、7代孫三郎、8代總一郎が語った言葉が天井からぶら下がっているという面白い演出。

「十人のうち七人も八人も賛成するようなら、もうやらない方がいい」
「やるべし、大いにやるべし」

など、本の中でも紹介されている言葉が出てきて、なかなか胸熱スポットになっています。大原孫三郎氏の話は別途詳細取り上げようと思いますが、「十人のうち七人も八人も賛成するようなら、もうやらない方がいい」ということで、孫三郎もはじめのうちは「役員会に諮って、十人のうち三人賛成するならやる」という方針なのですが、終盤になってくると「十人のうち一人賛成ならやる」、ついには十人のうち誰も賛成しなくてもやる」みたいに変わっていくところが痛快です。

例えば、大原孫三郎氏が創業した倉敷絹織(現:クラレ)に、入社したての大原總一郎氏を早い段階で色んな世界を見せたいということで海外駐在させようと役員会に諮るのですが、「まずは会社のことをもっと知ってから行かせた方がいい」とか「一人で行かせるのは心配だ」みたいな最もに思える数々の反対意見にあい、まさかの全員反対。最終的には「大原總一郎氏が結婚したら」ということで話が落ち着くのですが、社長vs役員全員の構図でバチバチやっています。

息子の總一郎氏にはそこまで着目していなかったのですが、大原本邸で紹介されているエピソードを見ると、ビニロンの工業化に成功したり、東大で「化学繊維工業論」の授業を持ったりと、總一郎氏もかなりの人物なんですね。

このような人物になったのも、若いうちから海外で様々なものを見てきて、特に日本が第二次世界大戦に入っていく中での外から見た日本をよく理解していたこともあると思うのです。
そう考えると、多くの人が言っているから・・で自分の決定を歪めてしまうのは、改めて危険なことだと考えさせられます。仕事上でも、反対が多めの事案に出くわすと「お、これは進める価値がありそうだ」と最近思え出してきて、更に面白いと感じられるようになってきました。

孫三郎氏が考え事をするときに一人でこもっていた別邸。抹茶もいただけて素敵な場所でした

Voicyで聴ける大原美術館の特別展解説

念願の大原美術館・・!ということで、個人的には今回の旅行の目玉イベントの一つなのですが、ちょうど子どもたち2人は昼寝の時間になり、1時間強、ゆっくりと観ることができて、非常に有意義な時間でした。

特に、これからの美術館の楽しみ方が絶対変わる!と感じたのが、音声解説付きの美術館の周り方です。

現在、特別展が開催されているのですが、館長の三浦篤さんと、大原芸術財団理事で、Voicyパーソナリティの田中慶子さんの対談解説を聞きながら館内を順に回れます!

これはなかなか強烈な体験で、あまり美術館に来る機会も少ない自分にとっては、大変ありがたいことでした。
まるで三浦館長と田中慶子さんと一緒に館内を回っているような気分になり、一人で作品を見ていても「おーすごいな」くらいで終わってしまうところを、「なるほど、そういう見方ができるのか!」とか「この作品は、児島虎次郎氏がベルギー滞在時に書かれたものだからこういう表現になるのか!」とか気付きながら回れるんですね。

「陽の死んだ日」という作品に出会ったのですが、これが自分としては一番衝撃的でした。
作者の熊谷守一さんが亡くなった息子さんのことを表現した絵らしいのですが、物凄く激しいタッチで描かれており、無念、後悔などが伝わってきます。

これも音声解説を聞きながら見たので知れたのですが、たまたま横で同じ作品を見ていた人は「陽の死んだ日って何だろう?」みたいな感想だけ呟いて次の絵画に移っていったのを見て、せっかく美術館に来ても音声解説なしだとすごく勿体無いと感じました。

自分のスマホで音声解説を聞けますし、本当に有難いVoicyの活用方法と感じたので、もっと他の美術館でも普及してほしいと切に願います。
そして、もっと美術館に足を運ぼうと思えた、人生の中でも貴重な1日になりました。

大原家の話など、もっと話したいことばかりですが、今日はこの辺にしておきます。これから小豆島に移動予定ですので、次回もお楽しみに!

夜の美観地区も素敵でした。また来ます!

それではまた!

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