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#289 ポジティブよりも「ニュートラル」。インナーマッスルを鍛えよう

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

人の悩みや不安というものは、いつの世もなくならないものですね。これだけ便利になった世の中においても問題はなくなることはなく、ある問題Aに対する解決策が、別の問題Bを生み出す、ということの繰り返しで現在に至っていると理解しています。

私たちは、誰しも何らかの問題を抱えていて、「問題があるから悩みや不安がある」と思いがちなのですが、実は問題の有無と悩みや不安の有無は別の話だったりします。
どんなに多くの問題やトラブルが発生しても「またやっちゃったよ、ははは」くらいで過ごせる人と、他人から見るとそこまで大したことなさそうに見える問題やトラブルに対して「ああ、もうダメだ。何で私はこんなに上手くいかないんだろう」と感じる人もいます。

私はこれまで、その差をポジティブかネガティブか、の二択で捉えていたんですね。自分は相対的にはポジティブな方だと自己認識していて、結果的にそんなに悩みはないです。とはいえ、ポジティブがネガティブか、というのは、「Aさんはポジティブ、Bさんはネガティブ」というように画一的に決められるものでもないですし、たまたま今日はポジティブだけど、明日はネガティブ、みたいな体調や状況によりけりです。

最近、健康寿命ベースで考えると、もうそろそろ人生の折り返し地点に入りつつあるな、ということを感じ始めていて、後半戦に向けて「できるだけゴキゲンでいよう」という気持ちが以前よりも増しつつあります。

過去に、特にストレスコントロールが大切な仕事の場では、戦略的にゴキゲンでいることに関する意見を書きましたが、家族や友人と過ごす時間も含めてトータルでセルフコントロールできるようになりたい。

そんな考えから手に取ったいくつかの本から、今日は樺沢紫苑先生の「言語化の魔力」からヒントを得た「ゴキゲンに過ごすためには、ニュートラルが大切」というテーマでまとめていきます。


4人に3人が抱えている悩みの現状

はじめに現状認識ですが、内閣府が2023年11月に行った「国民生活における世論調査」によると、「あなたは日頃の生活の中で、悩みや不安を感じていますか?」という設問に対し、75.9%が「感じている」と回答しており、毎年だいたいこれくらいの割合で推移していることが分かります。
つまり、4人に3人は、何らかの悩みを抱えている、ということです。

出典:国民生活に関する世論調査(令和5年11月調査)
https://survey.gov-online.go.jp/r05/r05-life/

性別では、男性で「悩みを感じている」という回答が74.3%、女性が77.4%で若干女性の方が高めです。
年齢別では、「40〜49歳」が83.3%で最も高く、次が「50〜59歳」で78.8%という結果になっています。

出典:同上

「何に悩みを抱えているのか」という設問に対しては、「老後の生活設計について」が63.6%で最も多く、「今後の収入や資産の見直しについて」が59.8%、「自分の健康について」が59.2%となっています。
つまり、悩みを抱えている多くの人が、「未来」に関して悩みや不安を持っていることが分かります。人生100年時代と呼ばれる中、社会保障がどうなっていくか分からずに、自分や家族がお金の不安なく健康に暮らしていけるかという不安を抱えている人が多いと推察します。

出典:同上

ポジティブがいいわけではない

で、本記事の主題に入っていくわけですが、私はこれまでポジティブが最強というか、ポジティブでいれば、大抵のことは乗り越えていけるし、悩みを感じることも少ないと考えていました。

ただ一方で、自分のことをネガティブだと認識している人にとっては、ポジティブな人とずっといるのも着いていけなくなって苦しいだろうし、できればポジティブに物事を捉えたいけど、どうしてもネガティブに捉えてしまう人がいることも認識していました。

ここで、以下のようなポジティブとネガティブを比較する例が挙げられていました。

「靴屋の営業担当が、知らない島にたどり着いた時に、そもそも誰も靴を履いていなかった。その時に、誰も靴を履いていないから売れるわけがないと捉えるのか。それとも、誰も靴を履いていないからチャンスしかないと捉えるのか」

「言語化の魔力」より意訳引用

ここで前者の「売れるわけがない」が「ネガティブ」、「誰も履いていないからこそチャンス」が「ポジティブ」、というように捉えられがちなのですが、一見前向きに見える後者の「ポジティブ」も、何の根拠もないただの楽観思考でしかないんですね。

本来、このシーンで必要なのは「ポジティブかネガティブか」ではなくて「靴が売れそうなのかどうかを判断するための根拠集め」なんです。
島の人に声をかけて靴を見せてリアクションを見てみるとかして、好印象を示す人が多ければ「靴は売れそう」という判断になるし、誰も目もくれなければ「靴は売れなさそう」という判断になるわけです。
つまり、物事が好転するかどうかを判断するため、あるいは好転させるための具体的な行動しかないんです。

多くの悩みや不安も同じだと思うんですね。単に「老後の生活設計に不安がある」と感じていても、何年も後の自分の生活がどうなっているかなんて、ポジティブにもネガティブにも解釈はできます。
だけど、「○○年後に自分がこうなっていれば、生活が立ち行かなる可能性は下がるだろう」とか「○○年後に最低限必要なお金を計算しておいて、それくらいあれば何年間は持つだろう」という具体的な認識を持つことの方が、より前向きな行動です。ここで必要なのは「何とかなるさ」一点張りの根拠のない「ポジティブ」ではなく、ニュートラルに物事を見て、やれることをやるだけ、の姿勢です。

半分の水が入ったコップ

半分の水が入ったコップを見て、「もう半分しかない」と捉えるのか「まだ半分ある」と捉えるのか、という話を聞いたことがある人は多いと思いますが、実はニュートラルに「コップに半分の水が入っている」と受け入れられるのが一番強い

ポジティブかネガティブか、の二択で考えるのではなく、「ニュートラル」という選択肢を持って淡々と「やれることをやるだけ」というスタンスでいることが、悩みや不安を解消するには最強だと捉え直しました。

新入社員として会社に入ったばかりの頃、最初の研修で出会った上司の方が言っていた「一喜一憂しない」という言葉を未だに強烈に覚えています。
仕事でも家庭でも、自分一人ではなく、誰かと何かをするとなり、何らかの役割を持って過ごしていく以上、日々の暮らしの中で、上手くいくこともいかないこともあるのが平常運転です。

それを一々、「上手くいってよかった!」とか「ガーン!上手くいかなかった・・」と反応していては、疲れてしまいますよね。

日経平均株価も短期的には上がったり下がったりを繰り返しますが、株価がちょっと動くたびに一々反応していたら、心が持ちません。
それと同じように、ある程度中長期の時間軸の中で「いい日、悪い日があるのは当然」くらいのスタンスが大事。

そして、ニュートラルな自分を保つとは、バランスボールの上に座っているようなイメージで、体幹を鍛えることに尽きるのかなと。
日々の出来事の中で「一喜一憂しない」と心の中で唱えて振る舞っていく過程で、外からは見えないインナーマッスルが鍛えられていくと考えています。

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林 裕也@30代民間企業の育児マネージャー
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