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#299 幹部や上司を味方につける!組織におけるランチェスター戦略

いかがお過ごしでしょうか。林でございます。

先日は、自身のキャリア戦略におけるランチェスター戦略の適用範囲について考えてみて、個人レベルで「両利きの経営」を実現するには、本業にあたる既存事業で生活に必要な収入は確保しつつ、自分ドリブンの個人事業で新規事業を小さくても模索し、ここに「弱者の戦略」を実際に適用して行動検証していきたい、という話をしました。

一方で、いわゆる既存事業にあたる本業側でも「弱者の戦略」が取れる領域は十分にあり、こちらでも適用していくことで組織力をうまくレバレッジ効かせて、やりたいことを実現していく、という手段もあります。

それが「自分がやりたいことを実現するために、組織を活用すること」であり、その時に必要になるのが、いかに自分の「上司」を攻略するか
上司がいけてないケースとか、個別には色々事情もあり、文句や愚痴を言いたい気持ちもよく分かりますが、組織の中で力を発揮したり、評価されてやりたいことを実現していくにあたって、「上司に評価される」方がやり易くなるのは間違いないです。

あらゆる組織において、いわゆる経営幹部と呼ばれる人や、幹部でなくともある事業部の事業部長、もう少し小さな単位だと、チーム内の管理職にあたる部長や課長といった「上司」にあたる人がいるはずです。

今日は、いわゆる「大企業」という組織で10年以上を過ごしてきた私は、上司攻略に成功するケースと失敗するケース、色々と経験してきました。
そこから学んだ「上司攻略術」について、ご紹介したいと思います!


組織は、組織の論理があることを理解する

まず、前提となる話から触れておきたいのですが、最近は、上司・部下などのヒエラルキーを持たず、全ての従業員がフラットな関係で指揮命令系統を持たない「ティール組織」や、意思決定や課題解決を迅速に行うために、権限を各従業員の役割に分散させる「アジャイル組織」も出てきましたが、一定規模の組織であればやはり指揮命令系統があった方が組織が組織として有効に動ける側面もあることから、「ピラミッド組織」もまだまだマジョリティだと思います。

組織が何らかの目的を持って存在している以上、その目的の達成目標がピラミッドの下位に少しずつ分割されて落とされていくので、役員であっても、組織長であっても、現場管理職であっても、何らかのKPIが設定されることが常です。

風通しの良し悪しはあれど、ピラミッド型の組織構成を取っている以上、それぞれの人がそれぞれの立場で、組織から課された達成目標があります。
役員であれ、組織長であれ、管理職であれ、どんなに「良き理解者」であれど、そのチームの配下のメンバーがやりたいことは極力かなえてあげたいという気持ちはありながら、その目的達成とは全く離れた「個人のやりたいこと」というのは、なかなか通しづらいのが常です。

逆に言えば、メンバーから見ると、この構造を理解した振る舞いさえできれば、上司もメンバーを応援しやすくなり、個人としての「やりたいこと」はかなり実現できます。

具体的なアプローチは二つあります。

個人のWillを組織のMustに

一つは「自分がやりたいこと」を、上司が組織から課された「組織目標」にうまく適合させてあげるロジックが作ることです。

このアプローチは、アメリカの管理職向け研修ではほぼ全員が叩き込まれると聞いたことがありますが、「組織目標と個人目標をリンクさせて、組織の上位目標をいかに個人としても達成したい目標に定義付けられるか」は、管理職レベルであれば、当たり前にできないといけないですね、ということです。

「会社(役員)はこう言ってるけど、俺は反対」みたいな管理職の人も時々見かけますが、現場としては、異なる二つのスタンスのいずれにフォローしていけば良いのか、混乱してしまうだけです。
そういう意味で、「優秀な管理職」の人は、必ず「組織目標」と「個人目標」のリンク付けをして、「個人のWillを組織のMustに」できています。
これは管理職だけでなく、組織を構成する誰もができることです。

上司を勝たせておいて、あとは好きなことをやる

もう一つのアプローチは、「自分がやりたいこと」が組織目標とは乖離している場合でも、とにかく「上司が欲しい成果」はしっかり渡して置いて、あとは比較的自由に泳がせてもらうパターンです。

上司の成果創出に対して貢献しておけば、多少の成果創出からズレたことでも、メンバーを応援してくれる上司は多いです。
一部のヤバいオッサンは除き、基本的に上司はメンバーを応援したい人が多いと感じています。周りの管理職仲間を見ていても、おそらくメンバーが感じている以上に、メンバーのことを考えている。
でも、組織の中で動いている以上、限られたリソースを分配して成果をあげることが求められますから、成果への貢献なしにやりたいことやりたいです!だけだと、なかなか応援しにくいのは仕方ないかなと。
だから自分は、上司が欲しいであろう成果への貢献には全力を出した上で、あとはやりたいようにやりますからね〜で泳がせてもらう、みたいなことも多かったです。

上司攻略における「弱者の戦略」

「上司vs部下」の構図の中で「弱者」の立場となってしまう部下側から見た「弱者の戦略」をご紹介します。

局地戦:上司に必ず勝てるものは「時間」

まず、「局地戦:リソースを集中して勝てる領域で戦う」観点では、基本的には上司より必ず多く持っている「時間」を活用するのが得策です。
ピラミッド型組織では普通、上司の方が所掌範囲が広くなりますから、1件1件にかけられる時間は少なくなります。だから、上司が「こういうことを試してみたい」と思っても、その時間がなくてできない、みたいなことは往々にしてあります。
そこで、所掌が相対的に狭くなる部下側が「時間」を投資して「この前気になるって言ってた○○の件、やってみました!」とプロアクティブに伝えるだけで、「うわ〜助かる!」となり、信頼感は一気に高まります。
簡単なようですが、「言われたことしかやらない」という言葉を多くの人が聞いたことがあるように、これができない人が意外に多いです。

接近戦:上司や、上司の上司、役員と直接話す

自分の直属の上司とは、さすがに頻繁にコミュニケーション取る方も多いと思いますが、上司の上司や、役員とも直接話せる機会があれば、できるだけ直接話してみる策です。
自分の直属の上司も当然完璧ではありませんから、上司の上司や、会社役員の意図を正確に汲み取れていない場合もあります。

組織内でやりたいことを通していくためには、上述したように「上司を勝たせる」ことが大前提になりますから、上司が自分に与えた仕事の方針が本当にそれで良いのか?を検証することは重要です。
「上司がこう作ってと言ったからその通りに作った」では芸はなく、「上司はこう作ってと言ったけど、上司にそれを命じた上司の上司が求めていることはそうではないのでは?」と感じたら、それを伝えて反映することが肝要。上司側がプライド高いケースもありますから、うまく懐柔しながら進めないといけなかったりはしますが、何度か成功すると、必ず頼ってきてくれます。
こういう動きができるためにも、「上司の上司が何を求めているのか」を把握しておくために、役員や上司の上司にも接近戦を仕掛けておくことは有効です。

一騎討ち戦:上司や上司の上司のスケジュールに、自分を頻繁に登場させる

本来、部下との信頼関係構築は、マネージャーの仕事です。信頼関係がベースにあった方が、あらゆる業務を上手く進められるので、部下のパフォーマンスを最大化してチーム成果を出すことが仕事であるマネージャーには必要不可欠だからです。

一方で、部下側は受け身で待っていればいいのか?というと必ずしもそうではなく、部下側からも積極的にコミュニケーションを取りに行った方が、より信頼を得られやすいのは想像に易いですね。

「上司は自分のことを分かってくれない」と嘆くのは簡単ですが、「分かってくれるための動きを自分は本当にできているのか?」は、問うてみる必要があります。
そういう動きを取れているかどうか、の分かりやすい指標の一つは上司の予定を見ることで、自分から「お時間ください」とお願いしたテーマが、上司の予定にどれだけ入っているか。

とにかく、一騎討ちでの上司との時間を持つこと。他メンバーが話している定例会議やお客さんとの打ち合わせではなく、自分が役員や上司と話す時間をどれだけ作れるか。自分が組織の中でやりたいことをやっていくための弱者の戦略であるといえます。

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