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【30】ページビューが伸びないブログやオウンドメディアの欠点は明らか。

オウンドメディアのページビューが伸びない、というwebマーケティング担当者の悩みをよく聞きます。
具体的な数字を聞くと、月間1万ページビュー程度から3万ページビュー程度で停滞しているメディアが多いようです。


とはいえ、他人事とは思えません。なぜなら、私にもまさにその経験があるからです。
下の記事でも紹介したように、最初に立ち上げた私のメディアは、毎日更新しましたが、1年たっても月間のPVはたった9,084PVでした。

【27】メディア/ブログの運営は、どれくらいの期間で成果が出てくるのか。

そりゃ、心も折れるってもんです。

ただ、今となってはこれは良い反省材料で、ページビューが伸びない原因ははっきりわかります。
そして、それはたったの3つに集約されます。

・記事の数が少なくて伸びない
・流入経路が少ないので伸びない
・記事の質が低くて伸びない

逆に言えば、これらすべてに問題がなければ、月間1万PVの壁を破るのは、単に時間の問題に過ぎません。
どんなに悪くても、1年以内に5万PV〜10万PVには到達します。
逆言えば、そこに到達していないブログやメディアは、必ず上の3つのどこかに欠陥があります。


月間10万PVほどあれば、Googleのアドセンスだけでは大した収益になりませんが、BtoBビジネスに置いては、リード獲得により大きな収益化が見込める数値でしょう。

なにせ、普通のコーポレートサイトのアクセス数は、だいたい月間数千PVもあればいいところでしょうから。

メディアからの動線をうまく貼るだけで、問い合わせが激増します。そうなるとほぼ例外なく「オウンドメディアすげー」って、なります。

なぜ「月10記事以上」必要なのか

まず最初の「伸びないメディアは、記事が少ない」という話題からです。
実は、弊社ではオウンドメディアを運営する上で、月に発行する記事の最低数を定めています。
具体的には「PVを伸ばしたいなら、月10記事は必ず必要」と申し上げています。


しかし、このように申し上げると、
「メディアの記事は、数ではなく質のほうが遥かに大事では」
と言われる方がいます。

これは、私の言い方が悪いのかもしれません。


実はこの話は「数か質か」という議論ではありません。この10記事は「質が高いこと」を前提とします。
ですから、正確に言えば、「質の高い記事が月に最低でも、10記事必要」です。


中には「月に5記事(週に約1記事)ではダメですか」とおっしゃる方もいます。

ダメです。
月に5記事では少なすぎます。


「そりゃ、たくさん記事を書けば、それだけPVが増えますよ」と単純に考える方もいますが、私が記事数の確保を勧める理由は、実は全く違います。

記事数を月に10記事確保する理由は、「記事数とPVが比例するから」ではありません。

どちらかと言うと、PVはごく少ないヒット記事が、大量に持ってくるため、
「記事数」を単純に増やしても、ゴミページが増えるだけで、PVには繋がらないのです。残念。


ではなぜ、記事数を確保するのか。
それは「リピーター」を増やせるからです。

つまりある程度の頻度で記事を発行しているサイトは、再訪問率が高くなります。これは、様々なサイトで実証済みです。

しかも当たり前ですが、平均的に記事をアップしたほうが良いです。
「1日で10記事アップして、あとはバッタリ1ヶ月更新が途絶える」より、「1週間に2回ずつアップして、1ヶ月で計10記事アップする」ほうが、圧倒的にリピーターを増やす効果が高い。

つまり「月に10記事」というのは、読者の方をファン化する、つまりリピーターとなっていただく要件であり、単純にPVが増えるから、という話ではありません。


なぜ「ファン化」に最低月10記事が必要なのか

ではなぜ「ファン化」に最低月10記事が必要なのでしょう。

例えば、ある記事がAさんという方の目に入り、気に入っていただいたとします。

Aさんはサイトを見て、他にも面白そうな記事があるので後で読もうと、サイトをブックマーク(もしくはSNSをフォロー)しました。その時はAさんは「ホット」な状態、つまり「ファン」の一歩手前の状態です。


そしてAさんは1週間後、「新しい記事はないかな?」とサイトを再訪問しました。
ところが、サイトは更新されていません。
Aさんはがっかりして、サイトを閉じました。


しかし、Aさんはあきらめず、さらに1週間後、「なにか面白い記事はないかな?」とサイトを再々訪問しました。

ところが今回も、サイトは更新されていません。Aさんはがっかりしてサイトを閉じ、そのサイトをすっかり忘れてしまいました。


上の話は、もちろんフィクションですが、フィクションではありません。

要するに、メディアは「読者の期待を裏切らない」ということが絶対に必要であり、それは「記事の質が高い」だけではなく、「サイトにそれなりの頻度で記事がアップされている」というのも、重要なことなのです。


したがって、「ホット」な状態の読者を「ファン」にするためにはある程度、コンスタントに記事が上がり、それなりに更新頻度が高くなければならない。それの境界値が、だいたい週2回程度の更新、つまり月に10本です。

これは、個人のブログにも同じことが言えます。

かつて賑わっていたブログが過疎っている事象をよく見ますが、如何に一つ一つの記事のクオリティが高くても、更新頻度が低ければ徐々に忘れ去られていくのは避けられません。


「ブログはとにかく毎日かけ」ということを念仏のように言う人がいますが、それには合理性もあります。

ようするに「憶えてもらえる」のです。また、単純接触効果により、好感度も上がりやすくなります。

もちろん、記事が薄っぺらければ、悪印象のほうが大きくなってしまい、更新頻度を高く保つメリットが失われますが、更新頻度を重視しないメディア運営は、間違っています。


「流入経路」は多ければ多いほどよい。

では次の話題「流入経路が少ないので伸びない」という話をしましょう。
メディアを伸ばすためには、流入経路を増やすことが絶対に必要です。

そして、基本的には、使えるものはすべて、使います。
例えば、下のうちいくつ、流入経路として視野に入れていますか?

・検索エンジン(Google/Bing)
・SNS(Twitter、Facebook、instagram)
・プレスリリース
・コーポレートサイト
・SmartNews/Gunocy/Newspicks
・メルマガ
・Youtube
・podcast/Voicy
・Linkedin/Wantedly/Eight

Books&Appsは、プレスリリースを打っていないのでこれは使っていませんが、それ以外はほぼ何かしらの形で、コンテンツをそれぞれのプラットフォームに配信しています。

ところが、「伸びない」と言っている、大抵のオウンドメディアは、Googleしか見ていません。記事を発行したけど、検索伸びないよねー、勝手に悩んでいるのです。


しかしGoogleも、言ってみればプラットフォームの一つに過ぎません。
また、「検索エンジン」という特性上、「検索ワード」となった、顕在化した欲求を持つ人にしかアプローチできない。

「なんか面白そうな話題はないかな」とか
「あの人は何を発信しているかな」とか
「どんなニュースが流行っているのかな」とか
「リリースウォッチしたいな」とか
「メルマガ面白いよな」とか

そんな欲求を持つ人達には、まったくもってアプローチしていないのです。
めちゃくちゃもったいない。


だから、記事を作ったら、とにかくいろいろなプラットフォームに配信をすることは、めちゃくちゃ重要です。

「手間がかかる…」

という方もいるかも知れませんが、SNSなどは記事を貼り付けて配信するだけ。
コーポレートサイトやプレスリリースには、リンクを入れるだけ、
podcastなどは記事の内容を話すだけ、ついでにYoutubeにも載せてしまえばいい。

全てに対してコンテンツを作り直す必要は全くありません。
プラットフォームごとにフォーマットはモディファイしますが、基本的に中身は焼き直しでよいのです。

実際、ホリエモンなどは、そうやってマルチプラットフォームでコンテンツを配信しています。
ブログで書いた内容を、Youtubeではなす。Voicyに配信する、Newspicksに書き込む、メルマガにも掲載する。

そうして、あちこちから少しずつ、アクセスを稼ぐのです。


これによる大きな利点は2つです。

一つは、プラットフォームごとに、別の好みを持つユーザー層を抱えている、ということです。
人間の時間はかぎられていますから、上のすべてのプラットフォームをやっている人などいません。

多少の重なりはありますが、「異なるプラットフォームには、異なるユーザー層と、ネットワークがある」と認識すべきです。


そしてもう一つは、プラットフォームごとに、受けの良いコンテンツが違う、ということがわかります。

ブログで受けなかった話題が、Youtubeではヒットするかもしれません。
メルマガでは反応が今ひとつだったネタが、Voicyではよく聞かれる、なんてことはよくある話です。


これは、上で述べたように、ユーザー層のちがいによるもので、コンテンツ配信をマルチプラットフォーム化することには、
計り知れないリターンがあるのです。

手間なんて、コンテンツを作ることに比べたら、ルーティンワークです。
大したことありません。

さ、今すぐやりましょう。

メディアにおける「記事の質の担保」とは

そして最後の話題、「記事の質」です。
我々がオウンドメディアの立ち上げや、コンサルティングに入るときは、必ず最初に「記事の質」をチェックします。

このように言うと、
「うちは記事の質は自信あるよ、それでもPVが伸びないよ」という担当者の方もいます。
見ると、たしかによく調べて書かれており、かつ自社商品のアピールにもなっている。

それなので「質には自信がある」という方も多いのかもしれません。


が、殆どの場合、それは「記事の質」について誤解をしています。

記事の質とは、よく言われるような
「情報の網羅性」や
「記事のボリューム」あるいは
「キーワードの出現回数」
などとはあまり関係がありません。

いくら検索エンジンにすり寄っても、そこから得られるのは僅かなPVだけ。
メディアの成長はないでしょう。


そんなことよりも、遥かに記事のPVを左右するのは……


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