【27】メディア/ブログの運営は、どれくらいの期間で成果が出てくるのか。

って聞かれることが多いので、今回は「期間」の話です。

広告と異なり、ブログやメディアは、記事を投下し始めてからアクセスが伸びるまでに時間がかかります。

「それはわかっている。」という方も多いでしょうが、おそらく気になるのは「時間がかかるのはわかるが、どれくらいかかるのか。」でしょう。


例えばBooks&Apps。

【3】「ゼロ」→「100万PV」に成長する過程で、webメディアがクリアしなければならない、3つの関門

という記事で書きましたが、当初、我々が始めた条件は、

1.毎日1記事ずつをアップ
2.新規ドメイン、新規サイト
3.当初のSNSのフォロワーは私の友人300人
4.会社は無名

でした。
要するに「記事を真面目に1記事ずつ公開する以外、なにもない」状態からの運営でした。
この条件から、どのくらいの期間でどの程度のアクセスが得られたのか、淡々と書いていきます。

開始1ヶ月め → 315PV/月

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こんなものです。しかもおそらく殆どのアクセスは身内です。
「まあ、1ヶ月だし、こんなものだろう」と、まだ余裕の構えです。


開始3ヶ月め → 3,390PV/月

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開始して3ヶ月め。Facebookで友人たちに見てもらえるようになり、ユーザーが増えました。

この頃励みになるのは、やっぱり「リアル」との比較です。
つまり「たった3000ページビューか……」と嘆くのではなく、「600人以上と話ができた!すごい!」と思うようにするのがモチベーションを保つコツです。

ここからが踏ん張りどころ、まだまだ伸びる!
そう思っていた時期もありました。


開始6ヶ月め → 2,663PV/月

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半年くらいで成果がでるだろう……
そう思っていた時期もありました。いえ、本当にそう思ってたんです。


でも、現実って無情です。
まあ、これが面白いほど停滞します。ご覧の通り、ページビューは3ヶ月めよりもむしろ下がりました。

ただ、希望としては「ユーザー」は上がってるんですよね。
新規は少ないんですけど。

なので「固定したファンの方が覗きに来てくれているけど、新しい流入がないので、停滞している」という状態です。


開始9ヶ月め → 3,306PV/月

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いいんです。PVなんて。

そういうことです。お気づきと思いますが、ページビューは開始3ヶ月めから殆ど変わっていません。

ここまでの累計記事数は25本×9ヶ月=225本。
225本の記事を毎日投下しても、月間ページビューは3306PV。

企業がやるオウンドメディアなら、上司から「そろそろやめろ」と言われる頃ですよね。


でもですよ。
みてください「ユーザー数」を。
一貫して伸びているんです。

要は、毎日見に来てくれる人が増えていて、1ページ前後見て帰る、というサイクルになっているので、ページビューではなく「ユーザー数」に注目すれば、実は確実に成長しているんです。

「安易に、ページビューを指標にしちゃいけない」っていいますよね。
そのとおりです。


ちなみに、当時のアクセス元の割合は、こんな感じでした。

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自然検索からのユーザー数が全体の6〜7割を占めていたのですが、セッション当たりのページビューを見ると、「一見さん」が多いので、ページビューへの貢献は少ないです。

そのかわり、全体の2割弱を占めているノーリファラー(つまりブックマークなどをしてもらっている人たち)は検索からの流入者よりも1ページ多く閲覧しています。

参照トラフィック(SNS)も自然検索よりも多い。

ここで気づきました。
メディアの運営は、「一見さん」より「ファンの人」を喜ばせるべきなのです。
検索エンジンを向いたって、Googleの奴隷になるだけ。そんなメディアは私も読みません。


続けていきます。

開始10ヶ月め → 4,049PV/月

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開始11ヶ月め → 4816PV/月

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開始12ヶ月め → 9,084PV

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苦節1年。この頃から急激にアクセスが伸び始めました。
ユーザ数は3000名を超えています。ちょっと手応えを感じ始めたのは、このあたりからです。

ただ、毎日記事を書くの、めちゃくちゃしんどいんです。
もうやめたい……と思いながら、続けたのは、半分意地でした。
ただ、「1年毎日書いたら、月間9000PVまでは行く」というのは貴重なデータです。


で、お金の話をしましょう。

仮に、記事をすべて外注したとすると、25本×12ヶ月=300本。@2万円ならこれまで人件費抜きで600万円の投資です。

運営の人権費を20万円/月とすれば、だいたい840万円の投資で、3000人の購読者を獲得できる計算になります。

仮にFacebook広告で、「フォロワーを獲得する」キャンペーンを打った場合、1フォロワーあたりの獲得コストは200円〜300円とすると、広告で同じことをしたら多くても90万円で済みます。

そりゃ、短期的な成果だけを見れば、企業は「広告」を使いますよね。


でもですよ。
「広告で一時的に掴んだキャンペーンのユーザー」と
「毎回記事を楽しみに見にきてくれる読者の方」
のどちらが、うちにより親しみを感じてくれているでしょう。

私は「後者です」と自信を持って言えます。

また「広告で掴んだフォロワー」はすぐに離れていってしまいますが、「ファン」の方は、このあと3ヶ月、6ヶ月、1年とずっとウチのサイトを見に来てくれる可能性があるわけです。

そして何より「ファン」の方は、「コンテンツの拡散」に協力してくれます。

広告で掴んだユーザーは、「コンテンツの拡散」を担ってはくれません。
「短期的な成果ではなく、ファンのネットワークを作っていく」というメリットは広告にくらべると10倍、ときには100倍も大きくなります。

それを証明するのが、次の15ヶ月目です。
だれもが驚くような、圧倒的な伸びを見せます。


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インターネット上における 「生成AIの利活用」 「ライティング」 「webマーケティング」のためのノウハウを発信します。 詳細かつテクニカルな話が多いので、一般の方向けではありません。

ビジネスマガジン「Books&Apps」の創設者兼ライターの安達裕哉が、生成AIの利用、webメディア運営、マーケティング、SNS利活用の…

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