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いまのこと(一歩踏み出すための一歩)


先週、前職の同期から連絡をもらい、急遽テレビ電話で話をした。

その同期は私より前に前職を辞めており、いまは違う会社で働いている。同期だったのに我々の代はさっぱりしていたから話す機会が少なくて、同じ部署になったときに、もっと早く一緒に仕事したかったねと言い合うくらい、考え方や価値観が似ている存在。
そんな同期から仕事の相談があると連絡が来て、タイミングが合ってすぐに日本とケープタウン間で話をした。
いまでもこうして連絡をくれて嬉しい。


質問内容は、私がいまフリーランスとして、いわゆる業務委託で仕事をもらっているワークスタイルについてで、彼もそういう働き方を考えているとのことだった。
どういう仕事をしているのか、どうやってその仕事を見つけたのか、どういう契約内容にしているのか、実際やってみてどうかとか。
ふわふわしている質問じゃなかったから、本気でわりとすぐ動きたいんだなと気づいた。

彼には奥さんと小さい子供がいるから、色々考えなきゃいけないことがある。でも話を聞いていると、想いは完全に今の会社ではなく、新しい働き方に置かれていた。
自分のやりたいこと、自分と家族としてのありたい姿が明確にあっても、一歩踏み出すことは精神的になかなか難しい。


いまの自分のスキル、これまでの経験がどれくらい通用するのか。
フリーランスでやっていけるのか。
仕事はあるのか。




これだけフリーランスが多くなった時代でも、まだ私たちの世代は「正社員、特に大手っょっょ」な風潮、価値観が強いわけで。どこの会社で働いていて、役職は何なのか、年収いくらなのかとか。まず会社に所属していること自体が安心だし、肩書きも与えられるし、やっぱりそこにこだわるし、まずそういうところから人を見る人が多いんじゃないかと思う。
私もちょっと前までそういう側の人だった。
いま思うとまじでダサいわ自分、と思う。

大事なのは肩書きや年収なんかじゃないのにね。
やりたいことができているのか。
生きたいように生きられているのか。
そっちのほうがもっともっと大事だった。


「一歩踏み出しちゃえば大丈夫だよ。我々が10年以上積み上げてきたことは、世間一般から見たらまじで価値があることだったんだなって分かったから。やってきたことを自信に思ってさ。絶対大丈夫だよ。」

使っていた求人サイトの情報とともに、私は同期にそう伝えた。本当にそう思ってるし、私がいまそうだから心の底から伝えた。

私は正社員を辞めるときはあまり不安ではなかったけれど(前職を退職する前にいまのフリーランスの仕事を契約締結していたことが大きい)、同期の気持ちはよく分かる。

新卒から安定した大企業のグループ会社を選び、正社員として10年以上働いていた我々は、安定第一思考。いまでも私の中で「安定」は大切な価値観。安定がないとやっぱり不安になる。


でも、安定ってそもそも何を持って安定なのかと今一度考えてみる。
会社が安定しているから、自分も安定。

なの?

会社が安定しているとはどう決められるのか。
会社の中では振り回されていないのか。
そして、未来は分からない。
大企業も経営不振になる時代。
社会インフラでさえ、不安定な時代。
じゃあ、安定って何なのか。


いまの私が考える安定は、
自分が安定している状態であること。

どんな状況になっても、自分が持っているスキルやつながりを活かして、会社など何かに依存しなくてもちゃんと自分の足腰を使って立っていられる状態。自分が確立していれば、どの環境にいても自分軸で生き抜けるから安定。

だと思っている。

もちろん、業務委託の場合そのプロジェクトが終わってしまったら切られるリスクもあるし、そもそも終身雇用ではなく、私なんかだと3ヶ月単位の契約になっている。いつ契約が終わってしまうのか分からない。

でも、そういう状況下で仕事していったほうがパフォーマンスは上がるということが分かった。足腰が強くなる。
だから、自分の価値が上がっていく。
すると、次の仕事につながる。

ぬるま湯に浸かっていたら、限りなく成長はないし、そもそも成長という言葉の価値が分からなくなると思う。


先が見えないからこそ、いまの環境に、いま与えられたものに集中してパフォーマンス上げていけるのがフリーランスのリスクからのメリットだと思う。メリットって思えるのか思えないのかその人次第だと思うけど。

ある程度自分のスキルが確立していて切り出せる業務ならフリーランスは良いと思うけど、やっぱりまだ社会が分からない新卒から3年目くらいまでは社会の仕組みを理解したほうが良いと思うから、会社に所属して研修とか教育とか色々与えられて吸収していくべきだとも思う。
特に大企業だとめちゃくちゃ仕組み化されていて、短期間で効率良く、社会人としての基本のキ、みたいなことを吸収できる。世の中がどうなっているのかも会社を通して見えてくる。

また、ある程度年次を重ねていくと、組織をマネジメントする役割を与えられることもある。その組織として出せる成果はやっぱりとてつもなく尊いと思うので、そういう組織マネジメントやその会社のマネジメントをしたい人も、その会社員でいることが最適だとも思う。

フリーランスは、その分野でのプロフェッショナルを求められるから、ある程度の専門性が必要。そして正社員と違うのは、身一つで業務に入っていくこと。正社員だと「組織でカバー」するというフォーメーションが組めるし、それが組織である強み。そして、教育されるし、教育できる。
フリーランスになって気づいたのは、その仕組みがないということ。もちろん契約先の社員さんと一体となって、時には助けてもらいながら案件を進めることが大前提ではある。

私もフリーランスになってまだ半年も経ってないから偉そうなことは言えないけれど、でも、

・正社員のときより確実にキャリアの幅が広がった(業界が変わったことと、コンサルの領域もITから事業側へ入り込むことができた)

・他にやりたいことをやれる時間が捻出できている(業務時間帯に縛りがない)

・本当にやりたいことへ向かっているから精神的にも良い状態にいる



私の場合は、海外へ引っ越すことが決まっていたからワークスタイルを変えなければならない状態に自然となったのだけど、新しい一歩を踏み出したからこそ、新しい環境になって、新しい自分になれるのだと思う。




夫の支えもあり、フリーランスでいまところは大丈夫。本帰国した後からが勝負だと思ってる。



安定は他に求めるのではなくて、自分が自立して自分軸で生きられるようになること。
肩書やステータス、収入とかに依存していたら、きっといつまでたっても本当の幸せを感じられないと思う。

このマインドになれて行動に移せたら、もっとより良い自分になれると思う。



私は、人生における最も尊い価値は、自分の生きたいように生きているかどうかだと思っている。相談してくれた同期も同じ価値観。


今後もその同期とは定期的に情報共有していこうって話して解散した。
仲間であることに感謝。


あっとゆーまに過ぎた2時間半のテレビ電話が、その同期が一歩踏み出すための一歩になったら良いなと切に願う。

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