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『土の中の子供』by 中村文則-ブックリビュー


暴力で惨めなこの世の中を描く中村文則の作品『土の中の子供』は全ての人にお勧めはできないが、大勢の人に読んでほしいです。

DVを受けて現在もPTSDを患ってる方にはTrigger Warning(フラッシュバックのトリガー注意)を載せたいです。

ストーリーは、無名の男性の主人公は子供のとき養親の手で受けた虐待を思い出しながら、過多の問題に向き合っていくダークな短めな小説です。身体的な虐待だけではなく、それ以上恐ろしい暴言と心理的な虐待と遭遇します。

―わかるか?お前みたいな人間はいらないんだ。そうだろう?恐怖を感じて喜ぶ変態なんだよ。死ねば、すっきりする。お前みたいに特殊で入り組んだ気持ち悪い人間なんて、考えるだけ、無駄なんだ。死んでればよかった。死んで、世間の同情を買うのが、お前の役割だったんだよ。

フラッシュバックの場面が本の中に一番騒然だと思いましたが、主人公にはこれが全貌ではなくて、大人でも幾多の事件に巻き込まれます。なんと悲惨な人生なんだ、と考えやすいです。

しかし、丸っきり絶望的だということでもないです。

過去の拷問や今の生きづらさに拘わらず、頑張っていく男の姿は読んでいて「すごく勇壮だな!」と思いました。

そして、男は孤独ではなくて彼女や仲間もいます。知り合いたちもそれぞれトラウマや悲嘆を負っていて、一緒に時間すごして傷は完全に消えることはなくても、少しは安心を感じれます。

この作品を読んで受け取れたモラルがあったとしたら、それを一言で表すと「前に進め」でまとまるでしょうか。

人間の醜い真相を描写する作品だが、人間で生まれて価値があることも繊細に伝わりました。言い返すと、重い暗いテーマを扱う作品ですが、思われるよりもっと楽観的です。「土の中の子供」でも命は尊い。大変な経験をした人は、この過去に恥ずかしがる必要はない。中村文則は「辛い経験を担ぐってまだ頑張っていることはプライドに思えることだ」と言ってるかもしれません。


今は『土の中の子供』をもう一度読みたいと思っています。


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読んでくれて、誠にありがとうございます。リビューを書くことは上手くないけど、日本語の勉強として挑戦してます。少しでも興味をもてたでしょうか。もし、お勧めの小説があれば、コメントに書いてください。Noteで読書が好きな人に繋がりたくて、盛り上げたいと思います。




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