ゼロからの化学の勉強法
大学4年生ですが、実は高校の教員を目指していて、教員採用試験の対策のために化学を勉強していました。友人と勉強していく中で、化学って範囲が広くて難しいって声があって、苦手とする人が多いんだなと思いました。
そこで今回、高校の化学が苦手な人の特徴と克服するためのポイントついて、自身の体験などを基にお伝えできればと思います。
目次
化学が苦手な人の特徴1つ目は、
1、中学校の理科が理解していない
です。
中学校の理科の化学分野の中でも特に、①周期表、②化学反応式、③イオンについては、高校の化学の勉強に直結してきます。
化学基礎からつまづいている生徒を個別指導塾のアルバイトを通じてみてきましたが、特に①周期表はとても大事です。
最低でも原子番号1~20(H2~Ca)とその物質名については、必ず書けるようにしておきましょう。
周期表がなぜ大切かというと、化学基礎で習う原子の大きさ、電子配置、イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度、典型元素と遷移元素など、周期表だけで化学の基本法則がほぼほぼ説明できるからです。逆に言うと、周期表が頭に入っていないと、これらの用語について理解することは非常に困難です。
化学基礎からつまづいているなーって思っている人は、恥ずかしがらずに中学校の理科から戻りましょう。
化学な苦手な人の特徴2つ目は、
2、物質量molを理解していない
です。
高校1年生または2年生に入っておそらく一番理解に時間がかかるであろう物質量molを理解できているかどうかで、化学が苦手になるか得意になるかが決まります。ガチです。
なぜ物質量molがそれほど大事かというと、それは、
化学の計算のほぼすべてにmolが関与している
からです。
酸と塩基、酸化還元反応、結晶格子、気体、水溶液、熱化学方程式、電気分解、化学平衡、高分子化合物・・・
これらの単元は、molを理解していないと必ずできるようにはなりません。
じゃあどうすればmolを理解できるかなんですけれども、実はmolってとてもシンプルで、
例えば鉛筆と12本集めたらそれを1ダースっていうじゃないですか。
他にもお米を約7000粒を集めれば1人分のご飯ができて、それを1合って呼ぶじゃないですか。
molもそれと同じで、炭素原子を6020垓個集めたものを1molというって、それだけなんですよ。
中学校で2個の水素分子と1個の酸素分子が反応して2個の水分子が生成されたと習ったと思いますが、実はmolも話でもそれが言えて、
1秭2040垓個の水素分子と6020垓個の酸素分子が反応して1秭2040垓個の水分子が生成されたと言われてもよくわからないじゃないですか。
6020垓個の原子を1molとおくことによって、2molの水素分子と1molの酸素分子が反応して2molの水分子が生成されたと、話がすっきりしますよね。
このように、実はmolって、
ただの比の計算
なんですよ。
mol計算のコツがわかりましたでしょうか。
mol計算は化学基礎に載っている応用問題も含めてすべて解けないといけないわけではありません。①molから質量、個数、気体の体積の変換ができること、②化学反応式の係数比とmol比が一致していること、この2点さえわかっていれば次の単元の計算もスムーズにいきます。参考になったでしょうか。
化学な苦手な人の特徴3つ目は、
3、単位について意識していない
です。
化学を勉強してきてよく出てくる単位を挙げると、
・アボガドロ定数 6.02×10^23(個/mol)
・モル質量(g/mol)
・モル濃度(mol/L)
・密度(g/cm^3)
などがあります。
ここでポイントとなるのが、
単位は計算の中で文字のように扱える
ということです。
例題:5.0mol/Lの食塩水100mLに含まれるNaClの物質量はいくらか。
という問題の場合について解説します。
モル濃度の公式を知っている人であればこのように方程式を立てて計算すると思いますが、
このようにかけ算した時にモル濃度(mol/L)の分母に合った体積(L)の文字が消えて物質量(mol)が残っていることがわかりますね。
つまり、
求めたいものの単位と同じ形になるように立式すればよい
ということになります。
このように、式に用いる値の単位を知っていれば複雑な計算であっても、この式はいったい何を求めているのかがわかるようになります。
まとめ
今回の話をまとめると、化学が苦手な人の特徴の3つは
1、中学校の理科が理解していない
2、物質量molを理解していない
3、単位について意識していない
となります。無機化学と有機化学を含めた化学の勉強法については今回は触れなかったのですが、今の段階で化学基礎から全く分かんない人でいくつあてはまったでしょうか。
化学は勉強にかけた時間だけ成績が伸びます。なので、あきらめずにこれらのポイントを意識して励んでいただけたらと思います。
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