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CQ[創造性知数]向上の鍵は、『思考過程』のスキルアップにある

前回『CQ[創造性知数]はIQ,EQの先をいく』の続きです。まだお読みでない方は、ぜひコチラからどうぞ。IQ,EQ,CQについての整理と、CQとはそもそも何なのだ、についてまとめてあります。


さて前回、CQは①人間性(性格)、②創造する能力(思考過程)、③創造したものの価値(思考結果)の3つの要素で構成されていること、
その中でも①人間性と③創造したものの価値は、評価することも難しいし、訓練することも難しいと書きました。

この中で唯一、②創造する能力(思考過程)だけは違います。
思考過程の特徴は
・技術として身につけることができること
・自己観察し、訓練することができること

にあります。

1つ目の技術として身につけることができるとは、フレームワークを勉強して身に付けることができるということ。考えるための『型』を使うことで、そこに当てはめるように考えることができます。【アイデア フレームワーク】などで検索をかけると山のように出て来ます。オススメは画像検索です。図解化されたフレームワークがたくさん出て来るので、それを見ながら勉強すればだいたいわかります。覚える必要はないと思います。必要なときに検索して見つけられるようになっておけばいいです。

2つ目の自己観察し、訓練することができるとは、思考はメタ認知することができるということ。ポイントなのは『測定』はできないが、『評価』することはできる、ということです。

『測定』は客観的な指標を使って判断できるということ。例えば短距離走で言えば、『タイムが0.2秒縮んだ』や、『自分とレギュラーとのタイムの差は0.3秒ある』などは測定することができます。『誰が見ても同じ結果になるもの』とも言えるかも。
『評価』はタイムには出ていなくとも、『フォームを改善した結果身体を楽に使えるようになった』や、『いままでよりもきちんと地面を掴んでいる感覚がある』などを評価することです。自分自身をメタ認知することで、一段高いところから俯瞰して判断します。主観的な要素を多くふくみながらも、改善のためには重要な情報です。

そして②創造する能力(思考過程)を向上させるには、この『評価』が重要です。自分の思考特性を理解して、得意な考え方、苦手な考え方をメタ認知して、目標とする思考スタイルを目指すためには、きちんと『評価』することが必要です。

はい、ここまで書いてきてなかなか小難しくなってまいりました。深夜に見ていたら諦めると思います。笑
というのも、思考の『評価』はイメージしにくいからです。

先ほどの短距離走でいえば、『走る肉体』があるから具体的です。筋肉は物体として動いているし、その動きを感じることで練習の成果が出ているかを『評価』できます。

一方『思考過程』はどうでしょう。実態があるわけではなく、頭の中のことなので目にも見えませんし、感じるというのも、わかるような、わからないような、やっぱりわからないような。笑
ノートにメモ書きしたり資料を集めたりすると、思考過程の片鱗や、思考に使った材料は目に見えますが、プロセスそのものが見えるわけではないです。それにもしノートを見返したとしても、それを『思考過程を評価する』ということをしたことがある人は少ないでしょう。普通は結果で判断しますから。

正解不正解もそうですし、プレゼンが通った通らなかった、商品が売れた売れなかったもそうです。正解してたらきちんと考えられていたということ、プレゼンが通ればきちんと考えられていたということ、商品が売れたと(略
といった具合です。

結果から独立して『思考過程そのものを評価する』ということは、普通しません。

1つ目の理由は『そのような訓練をしてこなかった』というのがあります。学校はテスト結果で評価します。数学は途中式も採点されますが、これは『正解がある問題と解くためのプロセスの採点』であって、アイデアのような『正解のないものを扱うためのプロセス』とは別のものと考えた方がいいでしょう。

2つ目の理由は『評価をするための基準がない』ということです。短距離走であれば、『身体をきちんと動かせているか』や、『力が無駄なく地面に伝わるようきちんと地面をつかんでいるか』など評価するためのポイントがわかります。これは『なんとなくいい感じ』のようなものも含めて、良い悪いを感覚的に判断することができますよね。

しかし思考過程の話となると、『きちんと頭を働かせているか』や、『エネルギーを無駄なく脳の皮質スペースを活用させられているか』などを評価することは難しいです。できたとしても、走ることと比べると評価の解像度はかなり荒いと言えるでしょう。
そしてたいていの場合は、十分な睡眠を取ったか、健康的な食事や運動をしているか、真剣に考えているか、など『思考プロセスの評価』ではなく『思考プロセスを支える周辺の要素の評価』へと落ち着きます。
睡眠や食事運動は具体的で、評価しやすいですからね。

さて、2つの原因『そのような訓練をしてこなかった』と『評価をするための基準がない』という問題を解決するための方法は、
『評価するための基準』を作り、それを利用して『訓練をする』こと
です。そしてその訓練の様子や変化を『評価』することです。

そこで評価するための『基準』を考えました。前回の記事の最後にも紹介した、思考過程の3要素です。

それが
・思考形態
・集中力の方向
・思考のメタ認知

です。


詳細は次回にしますが、ここでは概要だけサラッといきます。

思考形態には3つの方向がある

・拡散
・収束
・着想

です。


拡散はアイデアを広げていく方向です。ブレインストーミングやマインドマップのような発散系のフレームワークがわかりやすいでしょうか。
CQの特徴とも言える、1つの情報から無数のアイデアへと広げていく方向です。

収束はその広げたアイデアをまとめる方向です。KJ法は代表的ですが、他にもビジネスモデルキャンパスや、フィッシュボーン、7SやSWOT分析も、枠を用意して当てはめていくという意味では収束に入ると思っています。完成した図は整理された引き出しのようにまとまってます。

着想はアイデアが突然閃く方向です。お風呂に入っているときに不意に思いついたり、散歩中、電車での移動中、はたまたトイレの中など、急に閃くというのは良くあることだと思います。これは『デフォルト・モード・ネットワーク』という脳の活動状況が関係していることがわかっているのですが、ここに関してはまたいずれ。


次が集中力の方向です。

・没入感
・俯瞰

の2つです。


虫の目、鳥の目と呼ばれるものです。

没入感方向の集中力は、どんどん解像度を上げていくような集中力です。Google Mapを日本、東京、渋谷、渋谷◯丁目、、、と、どんどん細かく詳細に表示していくような感覚でしょうか。

俯瞰方向の集中力は、全体を見渡すような集中力です。Google Mapなら今度は逆に、渋谷、東京、日本、世界地図、、、と、どんどん表示範囲を大きく全体を表示していくような感覚です。


最後、思考のメタ認知です。

これはまた少しややこしいので、次回以降に詳細を譲りましょう。
内容としては
・思考プロセスの理解
・(理解した上での)思考プロセスの活用

の2つです。

どんなものか理解して、うまく活用するということです。
先ほどの陸上の例でいえば、『自分が短距離走型なのか長距離走型なのかを理解して』その上で『自分に必要な訓練を重ねる』ということ。
理解があって、その上に活用があります。


さて、だいぶ情報量が多くなってきました。一度読んだだけではよくわからないでしょう。私もわかりません。
そこで前回からここまでの情報を一気に整理したのがこれです。

CQという概念があり、これは『人物・過程・結果』という3つ要素から構成されていて、その中の『過程』がさらに『思考形態・集中力方向・思考メタ認知』へと分かれて、それぞれがまたさらに分解されています。


どんどんマニアックになってきましたが、果たしてこの内容にはどこまで需要があるでしょうか。笑。
しかしこれはもはやライフワークなのでまだまだ続きます。

最後までお読みくださったマニアックな方、ありがとうございます。
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しかし、なくても書きます、乞うご期待!

7月10日追記
3記事目【CQ[創造性知数]入門】『思考過程』の図解体新書
へ続きます。


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