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【CQ[創造性知数]入門】『思考過程』の図解体新書

思考形態、集中力の方向、思考のメタ認知を図解する

初回記事『CQ[創造性知数]はIQ,EQの先をいく』、2記事目『CQ[創造性知数]向上の鍵は、『思考過程』のスキルアップにある』の続きです。

2記事目の最後、CQの3要素の1つ『思考過程』は『思考形態、集中力の方向、思考のメタ認知』の3つに分けられ、そこからさらにそれぞれ細かく分かれていくと書きました。

この記事ではまず、これらの関係をもう少し視覚的に整理していきます。
図解体新書です。図解体新書、、思いついたら書きたくなってしまいました。笑

さて前回の記事で書いた下の文章。

2つの原因『そのような訓練をしてこなかった』と『評価をするための基準がない』という問題を解決するための方法は、
『評価するための基準』を作り、それを利用して『訓練をする』ことです。そしてその訓練の様子や変化を『評価』することです。

この部分でいう『評価するための基準』の部分から説明していきます。


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まず、何かを考えるときの起点になる『何でだろう?』と、結論として『こうなんじゃないか!』を下のように?と!で表現します。(説明しようとすると、心なしか学校の先生みたいな口調になってしまうのはなぜでしょう。今回は全体的に文体固めでお送りしております。)


するとこの『?』から『!』へつながる思考過程があるはずです。
考えるときの『なんでだろう?』、『うーん。。。』、『これだ!』でいうところの『うーん。。。』のところです。
この過程の中には3つの思考形態『拡散・収束・着想』があり、必要に応じて使い分けられながら結論までたどり着きます。


そしてこの過程は一瞬のできごとではなく、あれこれと考えている期間があります。この期間中の集中力は一定ではなく、俯瞰方向と没入方向が組み合わされて進みます。


この中の『俯瞰方向の集中力』は認知神経科学でいうところの『オンライン・メタ認知』というモード。実際に何かに取り組んでいる最中に状況を俯瞰する思考モードのことです。
例えば誰かとの会話中に『相手はいま楽しんでくれているだろうか。』と、ふと冷静になる目線もそうです。スポーツ選手がプレー中に冷静に試合展開を組み立てるのも、このオンライン・メタ認知の集中力を働かせているときですね。

何かを考えるとき、『没頭する考え方と、考えたことを冷静に見直すような考え方があるよね。』と言われれば、『確かにそうだな。』と思い当たる人が多いのではないでしょうか。

そしてさらにこのプロセスを俯瞰する思考のメタ認知があります。

このメタ認知を先ほどと区別して『オフライン・メタ認知』と呼びます。
先ほどの会話の例でいえば、その友人と別れたあとで『あのときもっとこう言えばよかったな。』と振り返ったり、スポーツでいえば『試合が終わったあとに改めて振り返る』のもそうです。

そうして自分の思考過程を理解して、より能力を発揮できるように活用する。
これがCQを向上させる思考過程のスキルアップの仕組みです。
とはいえ全体的に概念的で、いまいち地に足ついた展開になっていない感覚があります。大丈夫です、ここから地に足つけていきます。もうしばらくお付き合いください。

そしてこれらの要素を含めてスコアにするシートを作りました。ワークショップとセットで、自己観察と自己評価をしてくれた友人の結果がこれです。

自分自身の思考能力の項目ごとの評価と、このあと後半で書いていくフレームワークを使った結果、それぞれがどれくらい成長したと思うかを答えてもらいました。

魔法のように1発で何かが変わるようなものではなく、継続的に訓練することで結果が出るのがCQの特徴です。
1ヶ月、3ヶ月…と長期的に関わるとまた変わってくると思います。

そしてここで先程引用した下の文章もう1度。

2つの原因『そのような訓練をしてこなかった』と『評価をするための基準がない』という問題を解決するための方法は、
『評価するための基準』を作り、それを利用して『訓練をする』ことです。そしてその訓練の様子や変化を『評価』することです。

後半ではこの中の『訓練をする』に入っていきます。


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思考の論理展開を可視化せよ

この『訓練をする』ための鍵は、思考過程の可視化にあります。
『評価する基準』は前半で書きました。そして実際に評価をするためには評価する対象が必要です。
料理が美味しいかどうかを評価するためには料理を食べる必要があるし、スポーツが上達したかどうかを評価するためには実際にプレーする必要がありますよね。

料理にしてもスポーツにしても実態があるから評価できる。でも思考過程は頭の中というブラックボックスに収納されてるから、このままでは評価できない。だから評価できるようにしましょうということです。

そしてそのための解決策として思考過程の可視化があります。
詳細は以前書いた『思考の論理展開を可視化する!ビジュアルシンカーのためのiPad Proの使い方』にありますが、ここでは概要を見ていくことにしましょう。

この記事の中で紹介しているフレームワークを『マインドフロー』と名付けました。マインドマップとフローチャートを組み合わせたものをイメージしてください。マインドマップのように連想ゲームの要領で情報を広げていきますが、広げるときにフローチャートのように方向性加えました。

そしてマインドマップは単語だけで繋げていきますが、ここにビジュアルシンキングの要素が加わっています。いるのですが。。。わかりにくいですね、文章だと。笑
目の前で実例を見せながらだとすぐわかるんですけど。

図解すると下の通りです。
まず用紙を取り出し、その中にビジュアルシンキングで絵を描きながら考えていきます。

そしてその用紙の中で『この部分をもう少し深掘りしたいな。』と思う部分を囲みます。

そして2枚目を取り出して、『この部分の続き』を考える用紙として使います。

こうして『どの部分を起点に次の情報に繋がったか』という思考の論理展開を可視化していきます。これを実践で使ったのが下の図です。


このように思考過程を可視化することで、『思考の質』を向上させるための3つの要素も可視化することができます。
それが
・考える時に“必要な”情報は何か
・考えるのが“得意な”情報は何か
・“どのように”考えるのが得意か

の3つです。

この3つは『考える素材、得意な品物得意な調理方法』のような関係です。


さて、先ほどの『マインドフロー』を踏まえると『考える時に必要な情報』はこの部分です。

数枚、例えば5枚以上くらい使って考えたあと、この『囲まれた元の部分』にどんな情報があるかを見返します。
5W1Hで分析するのですが、人によって『who、人に関係する情報ばかり囲んでいるな』『why、なんのためにやるのかばかり考えているな』など特徴があります。

これを把握しておくと、例えば会議で『今日はなんだか頭が回らないな。。。』というときの打開策がわかります。というのも頭が回らない原因が自分のコンディションの問題なのではなく、『自分が考えるために必要な情報が会議の場に十分出ていないこと』があるからです。

必要な情報がわかっていれば、会議の中でその情報が出るように発言や質問をすることができます。

この辺りは1つ1つ話し始めると長くなるので、できるだけサラッといきます!

次に『考えるのが得意な情報』はここです。

矢印の先、2枚目のシートです。同じく5W1Hで分析していきます。
これも分析していくと傾向が見えてきて『how、方法論ばっかり考えてるな』や、『what、具体的なアイディアありきでしか考えてないな』などがわかってきます。

ちなみに私はこのhowばっかり考えてるタイプです。このnote記事がもう、howの塊みたいな文章です。


そして最後、『どのように考えるのが得意か』です。ここに関しては実際に添削をされないとピンと気にくいところですが、わかりやすい分析としては下のような項目があります。


『思考スタイル・思考方向・思考の進め方』で分類しています。
思考スタイルとは、
・順番にステップを上がっていくように積み上げていく考え方をするか
・ゴールが先にあり、そのゴールに届くためにどうするかと考えるか

思考方向とは、
・拡散させる思考が得意か
・収束させる思考が得意か

思考の進め方とは、
・直感的に考えるのが得意か
・論理的に考えるのが得意か

などです。
どれがいい、どれがダメだという話ではもちろんなく、
『自分がどうなのかを知り、得意を伸ばしつつ、苦手なものは訓練するか他の方法でカバーする』ことが目的です。

思考の論理展開を可視化し、評価できるようにすることで、訓練することができる。そのためのフレームワークが『マインドフロー』であり、このフレームワークを使うことで思考の『オフライン・メタ認知』をしやすくなります。

この『オフライン・メタ認知』によって思考過程を訓練し、CQを向上させることができます。

これらの項目はそれぞれで1記事書けるので、タイミングを見て書けるといいなと思っています。

これをきちんと活用すると自分の思考の質向上はもちろん、
・相手が必要な情報が何かを知ることでコミュニケーションが取りやすくなったり
・考えるのが苦手な情報を、それが得意な人にお願いするなどチームワークの相乗効果を起こしやすくなったり
・思考スタイルの違いを知ることで全体ファシリテーションがしやすくなったり

などなど、かなり応用が効きます。


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さあ、だいぶ情報量が多くなりました。
我ながらよくもここまでまとめたと思います。
皆さんもお疲れ様でした。

どんどんマニアックになって止まることを知りませんが、考えていることの全体像はまだまだ続きがあります。

最後までお読みくださったマニアックな方、ありがとうございます。
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しかし、なくても書きます、乞うご期待!


お知らせ

来月8月2日に文京区で『CQ[創造性知能指数]入門!創造性と発想力を高めるための基本ワークショップ』を開催することになりました。

このブログで紹介している内容はかなり応用編から始まっていますが、CQ入門ではもっと入口のところから丁寧にやります。

このブログは面白いけど、もっと簡単なところから始めたいぞ、質問しながら理解したいぞ、という方はぜひお越しください。

詳細は下記からどうぞ。


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