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わたしと会社と旅と

先週末、ひさびさにライブに行った。横浜のzeppで聴いたハナレグミの歌声は最高だった。永積さんの歌声に何度救われたことだろう。「今日から声出しが解禁されたから、歌っていいよ。」と永積さんが言った。みんな恐る恐る声を出していたけれど、最後にはみんな歌っていた。口笛も吹いていた。わたしは吹けない口笛を吹こうとくちびるをとがらせながら、この数年間で変化した世界を想った。社会人歴ももうすぐ4年が経つのか、と変わりゆく世界のなかで過ごした4年間を思い返した。

ハナレグミの心地のよい歌声を聴きながら、振り返ったこの数年を、仕事の話の視点で書いておこうと思う。

プロフィールに”マーケティング”と書いたとおり、わたしはいまマーケティングチームに所属している。星野リゾートにあるいくつかのサブブランドのうち、”星のや”というブランドのマーケティングを担っている。

ホテル運営会社なので「問題は現場で起きているんだ。」かも知れないけれど、同じくらい前のめりで、マーケティングチームも常に未来のことを考えている。わたしはこのチームがとっても大好きだ。

ここに来る前は、2つの現場でサービススタッフとして勤務をした。

まず、新卒で働いたのは「星のや竹富島」。沖縄県・八重山諸島のなかにある小さな小さな、とっても小さな島だった。埼玉県出身なので、やっぱり何度見たって海に感動をする。海は憧れそのものだ。自然とともに生きていくということはどういうことなのか、そんなことを学びながら働かせてもらった。本当に貴重な経験をしたと思う。島時間とよく言うけれど、本当に島には特殊な時間が流れていた。忙しかったけれど、いつも異世界だったように思う。

朝が来て、夜になること、雨が降ったり、台風が来たり、花が咲いたり、風のにおいが変わったり、そんなふうに1日が、季節が、1年が進んでいくことを、噛みしめることができる場所だった。

嬉しいとか、悲しいとか、悔しいとか、そういう気持ちをちゃんと味わえる場所。竹富島に行かなければ、今のわたしはいないと心底思う。わたしの星野リゾートライフはじまりに、星のや竹富島に行けたことは本当に大切な経験だったなと思う。

竹富島から次に向かった場所は東京だった。金融街の大手町に立つ、塔の日本旅館「星のや東京」。

星のや竹富島と同じく星のやブランドの施設だったけれど、まったくの別世界がそこにはあった。これが”星のや”ブランドの面白さであるな、と改めて思う。同じなのに、違う。違うのに、同じ。わたしが星のやブランドに携わることに面白さを感じる理由のひとつである。

補足しておくと、星野リゾートには、そのなかに様々にブランドがあって、旅のニーズに合わせてぴったりの宿が見つかるようになっている。わたしは入社してから4年間、先に書いたようにおもに星のやブランドに関わる仕事をしている。もちろんほかのブランドも大好きでプライベートでよく泊まりに行ったりもする。(これもまた追々滞在記とともに書きたい。)

話は戻って、星のや東京。わたしが異動したころ、まだ“コロナウイルス“がこんなに猛威を振るうとは誰も思っていなくて、海外のお客様がたくさん来ていた。

マスクなんて年に数回しかしない生活をしていたし、誰かと一緒にごはんを食べるとか、握手をするとか、嬉しくてハグをするとか、そういうことが当たり前ではなくなるなんて、これっぽちも想像していなかった。

打撃を受けたのは星野リゾートもおんなじで、わたしたちは世界の状況を理解することに精一杯だった。満員電車の通勤が苦しかったのに、いつしか京浜東北線はいつもガラガラになった。楽だったけど、寂しかった。どうなってしまうのだろうと誰に聞いたらいいのか分からない疑問がたくさん出てきて、情報に翻弄された。たくさんの制約のなかで、おもてなしをするという、わたしたちに与えられた試練は大きいのか、そうでもないのか、それすら分からなかった。

ただ、わたしには「世界から旅がなくならない」ということに確信があったから、この不安が終わることはなんとなく分かっていたように思う。少なくとも、わたしが旅をやめることはない。その限り、旅はなくならない。そう思うと俄然やる気が湧いた。

そんなこんなで星のや東京で奮闘していたコロナ真っ只中に、タイミングが重なって、今の部署に異動した。星のやブランドのマーケティングに携わるチーム。学生時代にこれといってマーケティングの勉強をしてきたわけでもなかったので、0からのスタート。サービスを通してお客様のリアルな反応を得るとか、そういうことはなくなったけれど、新たな刺激、新たな学びがわたしをわくわくさせた。現場が諦めずににいられるその裏には、獲得のために必死になってくれるほかのチームがいるからなのかと実感した。

そしてまた、わたしたちがマーケティング業務をやれるのは、現場がいつでもお客様を受け入れてくれるから。会社はこうやっていろんな人たちが役割分担をして頑張っている。たった4年間の社会人経験だけれど、それを学ぶには十分すぎる時間だったように思う。

大事なことを学べたのはコロナのおかげも多いのかもしれない。ある意味、奇跡みたいな時間を過ごしているのだと思う。

だいぶざっくり書いてしまったけれど、そんな感じで、わたしの星野リゾート歴は4月で満4年を迎えようとしている。このnoteはそんなわたしの物語である。わたしと会社と旅と。そんな物語である。




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