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#おれが昔オタクだった頃もちろん私もオタクだった件
〘新話de神話〙 ~目次~
【神話創作文芸部ストーリアについて】
部長 矢口れんとさん
マガジン へッダー用画像
〖目次〗
✭部活動の記録
✬個人活動の記録
◉参加方法・要項・注意点など大切なお知らせ
創部 覚書【note神話部の趣旨】
参加要項・注意事項
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〘 新話de神話 〙◉お題de神話
202311『馬/神の馬』
202310『収穫/穣かなる』
202309『杖/
〘新話de神話〙異聞でも何でもないやつ7
無理やり年内に、しかも神話部の企画のまとめ前に終わらせた『異聞・阿修羅王』でしたが、もう、妄想炸裂で大満足でござりまする_(_^_)_
だが、しかし──。
9ヶ月も書いてたとか……(←しかーも! 部長に言われて初めて気づいた)
序1・2話
本編32話
結1〜7+終
うん、全42話www
安定の長さw 妄想だけでここまでデタラメ書くかww まあ、いつものことです
〘異聞・阿修羅王/終序〙邂逅
※結7の続きです。
新たな季節のおとずれ。
花咲き乱れ、鳥がさえずる須彌山の春。須彌山の季節は、そのまま人界に反映される。
「おい、お前」
塀の隙間から邸内を覗いていた大柄な少年は、背後から突然かけられた声にびくりと反応した。
「そこで何をしている」
恐る恐る振り返り、少年の驚きはさらに強まることになった。
立っていたのは、少女と見紛う華奢な姿の少年。歳の頃は同じ
〘異聞・阿修羅王/結7〙弥勒の覚醒め
須彌山を包む光が
仄かになる頃
世界では日と月が
それぞれの場所で
姿を現すだろう
弥勒(みろく)の覚醒(めざ)めと共に
*
廊下の片隅で倒れていた乾闥婆(けんだっぱ)は、遠くの爆音で意識を取り戻した。
(……む……気を失っていたか。あれから如何ほど経っておる……?)
力を入れると、動けるようにはなっている。
「……くっ……」
とは言え、まだ身体の半分以上が目覚め
〘異聞・阿修羅王/結6〙阿修羅と雅楽
もはや、何度目かわからぬほど繰り返された刃(やいば)の交わり。
だが、それは物理的な押し引きとは明らかに異なっていた。その場を支配していたのは、闘うことを主とした摩伽(まか)と須羅(しゅり)──二人が内に秘めた力の凌ぎ合いである。
「舎脂(しゃし)をここに連れて来るがいい……あれに須彌山(しゅみせん)の最期を見届けさせよ……!」
半眼とは言え、額の第三の眼(まなこ)が開いた
〘異聞・阿修羅王/結4〙刻限
須羅(しゅり)と剣を交えながらも、摩伽(まか)の脳裏からは須羅の言葉が離れなかった。だが、攻撃の速さはさらに増しており、思考に集中する暇(いとま)がない。
(おれが須彌山(しゅみせん)を……何故(なにゆえ)だ……! いや、おれに須彌山を破壊させんと、謀っているに違いない……!)
皮膚すれすれを過る風圧。
日輪刀からは灼熱を、月光刀からは凍気を感じ、触れれば切れるだけで済まな
〘異聞・阿修羅王/結3〙須彌山
切っ先を突き付けた摩伽(まか)と、突き付けられた須羅(しゅり)は、微動だにせず、ただ睨み合った。
「フッ……このおれに教えてやるなどと、相変わらず口の利き方を知らぬ奴よ」
須羅の方は笑みさえ浮かべており、本当の意味で『睨み合って』いる訳ではない。だが、場の空気としては間違ってもいない。
「……良かろう。おれも乾闥婆(けんだっぱ)に免じて、聞いてやるとしよう」
譲歩の姿勢を
〘異聞・阿修羅王/結2〙隠し事
つい、と演舞の型のように、須羅(しゅり)は爪先を摩伽(まか)に向けた。
「お前にもわかっておろう? この須彌山(しゅみせん)に限界が来ていることは……」
摩伽の片眉が反応する。
「限界が来ているから破壊し、消し去れと言うか……? そのようなことを言うておったら、何もかもを、そうせねばならぬではないか」
「壊れたものは直す、出来なくば新たに作る、人と違い、肉体が劣化すれば代替
〘異聞・阿修羅王/結1〙真の力
※異聞・阿修羅王32 の次話ですが、時系列的には 序1・序2 の続きになります。
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右手に持つは日を司る日輪刀。
左手に持つは月を司る月光刀。
左右に腕を大きく広げた阿修羅王──須羅(しゅり)独特の構え。
その不思議なまでの美しさ、艶やかさに、これまで幾度となく見て来たインドラ──摩伽(まか)でさえ、思わず心の中で唸った。同時に、今
〘異聞・阿修羅王32〙夢の続き
寝所を出たインドラは、何かに導かれるように謁見の間に向かっていた。
「む……?」
入り口に佇む影を認める。
「……乾闥婆(けんだっぱ)か……?」
「……インドラ様……!?」
呼びかけられ、乾闥婆の方が驚きに目を見張った。
「如何した? 今時分にこのようなところで……」
「インドラ様こそ……」
控えた乾闥婆を見下ろしたものの、すぐに視線を謁見の間に移す。
「……
〘異聞・阿修羅王31〙乾闥婆王と阿修羅王
躊躇うように、乾闥婆(けんだっぱ)が視線を落とした。
「……お主、申していたな。自分では雅楽(がら)に平穏な幸せをやれぬ、と……。私はあの時、それは謙遜か、もしくは、雅楽との婚儀を断る口実と思うておった。だが、今、この時に臨んで思うは……お主、あの時、既にこうなることを識っておったのだな……?」
阿修羅は答えなかった。
「……お主は、一体、何を負うている……?」
再び視線
〘異聞・阿修羅王30〙雅楽
月が翳った刻。
「…………!」
暗闇の中で、突然インドラは目を開けた。
天井を凝視した眼(まなこ)が、何かを確認するように、様子を窺うように、やがてゆっくりと四方を巡り出す。
「…………」
しばらくすると、舎脂(しゃし)を起こさぬよう、そっと腕を離し、静かに寝台から立ち上がった。
「……何ぞ、ございましたか……?」
振り向くと、半身を起こした舎脂が不安気な表情を
〘異聞・阿修羅王29〙月翳
誰にも知られることのない地に、阿修羅たちはひっそりといた。
潜んでいるとは言え、無論、ただじっとしている訳ではなく、一族を挙げて須彌山や人界に目を配り、魔族や災に目を光らせている。見知った者と顔を合わせないよう、神出鬼没を貫いているだけなのだ。
「王……戻りましてございます」
「ご苦労だった。問題はなかったか?」
見回りから戻った羅刹(らせつ)に頷き、経過を訊ねる。
「