小幡東岳

東洋思想家 教育思想研究団体猶興会会長 歴史 思想 軍事

小幡東岳

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私の自己紹介

これまで幾つものnoteを書いてきたが、そもそも私が何者かという話は自分からしていなかった。 そこで今回は私は何者かということについてお話したい。特定を回避するために少ない情報になることは申し訳ないが、そこは立場上の問題であるためやむを得ないのだ。 まず、私は千葉県の生まれである。家は江戸時代には某藩の中級武士を代々勤めた身分であり、母方は農村の素封家であった。 小学校から高校までは剣道をやった。 そして一浪して自衛隊の士官学校たる防衛大学校に入った。  防衛大学校を

    • 東洋思想家の予言する、きたる動乱の世の中でモテる男とは

       現代の日本は実に平和であり、男も女もみんなのんびりしたものである。鼓腹撃壌の世の中は実にいいものだ。  しかし、そんな太平の世もどうやら終わりが近い。大国間での戦争は起こり得ないと長年いわれていた結果が、いまのウクライナ戦争である。五年前ではとても信じられないことだったろう。  東アジアにおいても、隣国中国は2027年までにはほぼ間違いなく台湾に侵攻する。どうせ起こらぬと高を括る者は、今の日本が戦後最も危機感をもち、異質なほどに防衛体制をつくりかえている現実をみよ。 こ

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      • 青年時のうれひ 王陽明とニーチェ

        私は大学受験に失敗して浪人したころから、人生の意味を考へて文学やら哲学に凝りだした。 ところが、これがために却って深く悩まれて、懊悩煩悶して世も眠れず、といった時期もあったものである。 今にして思えば懐かしい。そんな当時の私が何を学び、何を考えたかについて、ここで述べてみよう。幸いにして当時の日記はあり、これを読んで細部まで思い出すことができたのである。 まず、特にこれといった思想、哲学に取り憑かれる以前、私は自然形成されたある種特異な考え方を持っていたように思われる。

        • 幕末の英傑 橋本左内の「啓発録」

            橋本左内は、安政の大獄に処刑された人物である。 当時全国に名を馳せたインテリで、その頃は吉田松陰とは比べるまでもないほどに有名だった。 それは松陰の処刑が決まったとき、「橋本左内のような男と同じ様に処刑されるなら本望だ」といった旨の発言をしたことからも伺えよう。 福井藩士の家に生まれた彼は才覚に溢れ、若くして藩主松平春嶽の側近となり、藩内外の政治に大きな影響力を持った。 将軍家継嗣問題では一橋派を擁護し、これがために安政の大獄で処刑された。 西郷隆盛などもそんな左

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        私の自己紹介

          陽明学から学ぶ「自分らしい生き方」

            現代人というのは、価値観から道徳観念に至るまで、社会の生み出した、既存の概念に縛られている。 例えば何人かの現代人に善悪の判断をさせたら、おそらく誰に聞いてもかなり近いラインで一致するのではなかろうか。そしてそれがあるべき姿だと思っていやしまいか。  善とは、悪とは、そして自分とは。こういったことを皆が常に考え、議論するような社会だったら、却ってこの境界は曖昧になる。 そしてその考え、判断が多様化した社会こそが健全な社会である。 あなたの周り、或いはあなた自身は

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          宴会が苦手なひとへ

           現代っこ、若者は飲み会の誘いを断る、と一時期よく巷でいわれていた。  実際気持ちは分かる。私なども飲み会は仲のよい友人といくぶんには好きだが、しらぬひとも含めた大勢でいくのは昔から苦手だった。 若い頃には、はじめから最後までほとんど口を聞かずに帰ったことさえあった。 そんなとき私は心のなかでうちひしがれていた。なぜこうも社交的でないのだろう、と。 しかし今になって思えば、それもよいだろうと思うのだ。 老子曰く、 「宴会で皆が騒ぐなか、一人静かに席を立って帰るのが君

          宴会が苦手なひとへ

          日本とは神と武の国なり

          国家の理想、理念などはその始まりにみることができる。 そして日本は神武天皇の即位にはじまる。 神武という初代天皇の諡は、そんな日本の理念を最も表す二文字と私は考えている。 つまり、神と武である。 この二つの要素は、どんな時代にも日本を表すにふさわしいものだった。 初め、天皇、皇族が直接軍隊を指揮した時代は、この二つが完全に合致し、現人神たる天皇と軍はひとつだった。 やがて軍事を武士が担う時代となっても、天皇は神聖な存在であり、神道のトップである。日本中に神社があり、

          日本とは神と武の国なり

          性格の変革と諦観 

           人間誰しも自己の性格の長所と短所を自覚し、短所を克服しようと試みてきたであろう。 私も同様である。 幼い頃から自己を恃む気持ちがあったと同時に、自己嫌悪も強かった私は、無意識的に自らの人見知りや、泣き虫なことなんかをどうにか治そうと努めていた。 ことにこうした性格矯正を強く認識してするようになったのは、高校一年のときに司馬遼太郎の「世に棲む日々」を読んでからだった。 学問の目的は「自己の性質の矯正にある」といった旨の台詞があったと記憶していて、大いに感銘をうけたのであ

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          今見返すべき、必見の時代劇ドラマ2選

          私は昔から時代劇が好きで、よく見ている。といっても、私ほどの年代の日本人ならば誰もが時代劇を見ていた。 故に今は衰退が甚だしくて、大変なげいているのである。 さて、今回私が好きな時代劇ドラマとして、二つの作品を挙げたい。本当はもっとたくさん思い出深い作品がたくさんあるのだが、私がみて特に出来がよい、作品にテーマというか深みがあるもの、さらに現代人にも受けやすいと感じられた二つに絞りこれを挙げることにした。 今回挙げるもの意外にも本当に優れた作品は多いので悪しからず。 さ

          今見返すべき、必見の時代劇ドラマ2選

          ウクライナの情報機関について

          現在ウクライナにおいて対外情報工作を行っている機関は、国防省情報総局(HUR)、対外情報局(SZR)、防諜機関の保安庁(SBU)の三つであるといわれている。 この内SBUに関してはソ連の諜報機関の流れを組んでおり、相当荒っぽいことをしているといわれるが、戦争中故に国防省情報総局の方もなかなかな破壊や暗殺活動を行っている。 情報総局の局長キリーロブダノフ少将は37歳の若さながら、士官学校卒業後から特殊工作一筋でやってきた相当のつわもので、ロシアにもかなり警戒されている。

          ウクライナの情報機関について

          自己肯定感を簡単に爆上げさせる秘薬「陶酔」について

          自己肯定感の高さは、人生において相当重要であると思う。あらゆる行動や判断に自信が伴い、能動的に生きるのと、常に自分を卑下し恐る恐る何かをするのでは、幸福度にまるで差が生ずる。 私もかつて自己肯定感のすこぶる低い人間だったから、その心情はいたいほど分かる。何をするのも消極的で、心のどこかで引っ掛かるような、嫌な気分を常に抱いていたものだった。 それ故に、自己肯定感の低いことのメリットも知っている。自己を肯定するために何か結果を出そうとして、未知の領域に踏み出す原動力にもなる

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          東洋思想家がすすめる小説三選

           こんにちは。猶起会会長の東岳です。今回は私がおすすめの小説を三つ紹介したいと思います。  「東洋思想家が~」というタイトルではありますけれども、そういった堅苦しいものではなく、これまで読んで純粋に面白いと思ったものを紹介します。   1.赤と黒 スタンダール これは読まれた方も多いかと思います。スタンダールの作品で、フランス文学を代表する傑作のひとつです。 これは是非若いひとに読んでほしい作品です。 私は18歳の時にこれを初めて読み、本当に面白く感じました。 それはこ

          東洋思想家がすすめる小説三選

          社会進化の真の原動力

           近頃あまり流行らぬ社会進化論であるが、私は個人的に昔から好きである。  社会の発展の歴史から法則性を見出だし、そこからさらに未来予想をする、という態度は、実際必要な考え方であろうと思う。    私は幼いころから歴史が好きだったこともあって、大学のころには半ば必然的に社会進化論に到達し、すぐに傾倒したものであった。    故に私もちょっとした将来予想というか、大局的世界観を有しており、そのうち語りたいと思っている。  だが今回私がお話したいのは、そうした社会進化の法則性とい

          社会進化の真の原動力

          東洋思想家は所謂「陰キャ」「コミュ障」なるを恥じず

          才気煥発、明るくて口が達者、要領がよくて、何かと弁が立つ方が、個人としても色々うまくゆくし、組織にも有用な人材かもしれない。 これは古くから変わらぬことであり、そうした人間が身分を越えて華々しき出世をするとか、そういった話が古今尽きぬのは当然と思う。 しかしそうしたことをはっきり認識した上で、東洋思想の価値観としては、素とか朴といった、単純、口下手、如何にも世間で要領よくやる、といったものとは真逆の性質が好まれたのは実に興味深いことである。これが東洋思想の妙味というか、面

          東洋思想家は所謂「陰キャ」「コミュ障」なるを恥じず

          伝記を読む楽しみと北一輝

          偉人の伝記なんかを、最近の子どもは読むだろうか。 私の幼い頃などは身近な存在で、実家には親の買い揃えた古今東西の人物の伝記シリーズがあった。 それは全て活字で、小さい頃には説教臭くて退屈に思えた。今同じものを見てもそう思うかもしれない。 だが、私は大学生の頃から伝記、評論のたのしみというものをしった。 それは当時深く敬愛していた、北一輝に関する評伝、特に松本健一氏の著者が中心だったと思うが、これを読んだのがきっかけである。  北一輝は天皇親政を訴えた二二六事件で首魁とされ

          伝記を読む楽しみと北一輝

          全社会人が東洋思想を学ぶべき理由

           近頃は経営者が陽明学などをやることが流行っているという。実際大いに意義があると思う。人の上に立つものは如何に己をおさめ、また人を導くか。誰しもが悩み、考えることであり、また、人類の長い歴史においても、悩まなかったものなどそうおるまい。  逆に、悩まない者などは物事を深く考えていないだけではなかろうか。 古来聖人と呼ばれ、人間の出来た者も、はじめから完成されていたわけではなく、あらゆる努力の末にその境地へと至ったにすぎない。 だからこそそうした古き教えは現代に悩める者にも響

          全社会人が東洋思想を学ぶべき理由