中村憲剛1

「中村憲剛はバルサで出来ている」Catorce 中村憲剛① ~THE INTERVIEWより~

「この4人(ブスケツ、シャビ、イニエスタ、メッシ)がいると、ディフェンスはどんな形でも止められない」

中村憲剛は、
「なぜそのプレーが出来るのか」
「どうやってそのプレーを学んでいるのか」
といった質問で、頻繁にバルサの話をしていた。

今回のnoteですが、4回に分けて配信された中村憲剛のTHE INTERVIEWで語られた話の中で、僕が感じた"中村憲剛とバルサの関係"について書きながら、中村憲剛自身のパーソナリティについても触れたいと思います。得られた情報量はあまりに多く、紹介したいお話はたくさんあるのですが、今回はバルサの話から展開された中村憲剛の話にフォーカスして書いてみたいと思います。

僕が視聴したコンテンツは以下の通りです。



◎いつから守備の出方について考え始めたのか?


【中村憲剛インタビュー 1/4】で話題に上がった
「中村憲剛の1.5列目の守備の出方の基準」
にて、戸田さんが最初に聞いた質問で
「何を基準にプレスのスタートを切るのか」
というものがありました。

憲剛は、
「相手の癖や特徴、ポジショニングによってアプローチ方法を変えていく」と答え、試合の中で意識している事象の話を紹介してくれました。それに対して戸田さんは、「いつからそれを意識するようになったか」という質問をしました。僕は、この質問に対しての回答に中村憲剛という選手の価値が示されていると思いました。

「見ていて『良いな』と思ったのが、ペップのバルセロナ。自分たちがひたすらボールを握って、相手ボールになったら(ボールを)持たせない。それを徹底していたのはあの時期だった」
「ただ、当時のフロンターレはボールを保持するスタイルではなかったので、頭の中で自分の引き出しとして持っていた」
「自分が先導でプレッシャーをかけにいくことに、周りの選手は最初は『えっ」てなってましたけど、自分で(プレッシャーに)行くタイミングを模索しながらやっていたら、鬼さん(鬼木監督)がチームとしての守備の形を持ってこのきて、結果合致しているかなと。」

話だけを切り取ると当たり前の話かもしれませんが、実は上記のような話を実行まで移せる選手ってほぼいないんじゃないかと思います。

もちろんバルサの試合を見て
「このプレー真似しよう」
といったものはあると思いますが、特に守備についてはチームの約束事もあって、自分1人で勝手な動きをしてしまうとチームメイトと監督から怒られることも多々あります。それをわかっていて、時には失敗することもありますが、それを気にせずに体験を積み重ねながら自分の体に染みつかせていている憲剛の姿勢によって、今のプレーが形成されているのではないかと感じました。

守備の話では、バルサの守り方の他にもチームメイトである阿部浩之のプレスのかけ方も参考にしているという話もありました。常に観察をして、自分の頭の中の引き出しを増やしていくこの姿勢が、38歳になってもなおJリーグチャンピオンでもピッチ上の絶対的存在として君臨している理由なんだなと思いました。


◎どうやってポジショニングを取っているのか?


【中村憲剛インタビュー 3/4】で話題に上がったのは、
「速いテンポでボールが回っている時に、展開を先読みしてどこにポジショニングをとるのか」
といった内容でした。憲剛は自分のプレーと結びつけながら、バルサで起こっている現象について次のように言及しました。

憲剛は、
「ボールの移動先に応じて相手の目線が移動するので、その反対側のポジションを意識的に取っている」
と答えました。戸田さんはそれに対して、
「そのポジションが空くのがわかっているのが大きい。そしてそれが出来るのが憲剛とイニエスタ」
と回答しました。憲剛は自分のプレーと結びつけながら、バルサで起こっている現象について次のように言及しました。

・(ボールサイドに)寄りたくなっちゃうんですよね、どうしても。けど、逆で止まっていることの効果もある。もちろん自分がボールを受けることが第一優先だけど、自分がそこに立つことで周りのディフェンスが動く。そうすると自分以外の選手が空いて、その選手にボールが渡った時に自分が一番受けたい場所に動き直してボールを受ければいい。
・このことを僕はバルサの4人(
ブスケツ、シャビ、イニエスタ、メッシ)を見て学んだ。イニエスタ1人と対峙しても「これちょっと違うな」と思った。しかも、感覚だけではなくロジックでやってるからタチが悪い。

憲剛がバルサで起こっている現象をこれほどまでに解像度高く言語化して、それを自分のプレーに落とし込み、さらに川崎フロンターレの周りの選手にまで伝承させていることは、4つのインタビューを見るとよく分かります。そしてこの話の直後には、イニエスタとシャビが2人がかりでブスケツを鍛えたように、憲剛と大島が守田を育てているという話も戸田さんから上がりました。憲剛のサッカー人生にバルサが大きな影響を与えていることは言うまでもない事実なんだなと僕は再認識しました。


◎最後に

日本で最もバルセロナのサッカーを解像度高く再現している中村憲剛が、自身が試合に出場するために考え尽くして生み出したノウハウを後輩選手に伝えることで、"川崎フロンターレにしか出せないプレーモデル"が確立されました。

そして、その哲学を発信できる場を提供していただいたCatorceというコミュニティにも感謝をしなければなりません。僕にはこのように感想を発信することでしか貢献ができませんが、このような哲学を発信できる環境がもっと注目されるために微力でも貢献できればと思って行動に起こしました。

今回はバルサ目線での感想をnoteで発信しましたが、ポジティブな数字が出るようでしたら、このコンテンツにおいてもっと書きたい記事があります。この記事をお読みいただいて、少しでも良いなと思っていただいた方は、拡散やコメント等のリアクションしてもらえると、とても嬉しいです。

今後のCatorceの活動の発展と、中村憲剛と川崎フロンターレの更なる活躍を願って、この記事を締めたいと思います!

p.s. 続編記事のURLはこちら


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