結城アツシ

結城アツシ

最近の記事

NO MINOH,NO MUSIC

昨日はどうにか堪えてくれた雨が、今日は朝からザァザァと降っている。街は相変わらず人ごみで、堪らずワイヤレスイヤホンで塞いで逃げ込む。昨日の一部始終が夢だったかのように世界は何も変わってなくて、何をどうしても、今日は昨日の続きでしかない、なんて思う。 結婚式みたいやな、と笑ってくれたけど、もしかしたら結婚式を終えた次の日はこんな気分なんじゃないかと錯覚する。経験ないから知らんけど。 思いついてからは1年以上だろうか、大切なライブが終わってしまった。 『NO MINOH,NO

    • スクラップ・アンド・ビルド

      ここ、何があったっけ? 通勤の最中。何でもないビルとビルの間。 ぽっかりと何も無い隙間がある。 そんなわけないのに、昨日までここにすっぽりとビルが埋まっていたような錯覚に陥る。 ふと見渡すと、馴染のないビルやマンションが何食わぬ顔でそこら中に蔓延っている。 数年前の様相すら思い出せず、さもありなんと言わんばかりに通勤を急ぐ人で街は流れていく。 まるで心のようだと想う。 青々とした葉が優勢になっていく。 またひとつ季節が過ぎている。 変わったのは街並みかはたまた。 この隙

      • 春眠暁を覚えず

        2024という、どこか遠い未来に感じていた今年も3ヶ月が過ぎてしまった。春眠暁を覚えず、なんてレベルじゃないほどに時間が過ぎ去っている。 寒いと感じることは滅多になくなり、街中を歩けば至る所で薄紅色が咲き、空模様の一喜一憂に拍車をかけている。 様々な観光客で賑わう街を歩く、ショーウィンドウに映る自分はまるで時の流れに追い付いていないように見える。変わったことは勿論あるし、それについては純粋にやったー、という感じだが、どうにも変われていない部分に目が行く性分には本当に辟易する

        • ガンダムSEED FREEDOMを観て

          これから観る予定の人は読まないでね。 20年越しにこの内容で作る必要あったんか????? ガンダムSEEDシリーズは紛れもなく自分のガンダムないしはロボットアニメへの礎となっている作品。 フリーダムのカッコよさへの衝撃は忘れないし、ラクス・クラインは永遠にヒロインだし、ルナマリア・ホークにはミニスカニーハイという性癖を植え付けられたし(これはシャナも同罪)、たまに「それは人のエゴだよ!」と叫んじゃうから、SEEDが好きなことは揺らがないけど、これはやらなくて良かったんじゃな

        NO MINOH,NO MUSIC

          旅の終わりはいつだって

          車内アナウンスが告げる旅の終わり。 人という人がごった返す新大阪駅。 旅の終わりはいつだって、幾ばくかの寂しさを携える。 そんな書き出しを描いたのはもう1ヶ月も前のことだろうか。佐久良ソラという、少しおかしな愛すべきミュージシャンの友人に招いてもらい、竹馬の友である芳仲悠人と山口、大分でライブツアーを敢行した帰りだったような気がする。 それはそれは楽しい旅だった。 僅か遠方で鳴る我が音楽の、彼の音楽の機微に一喜一憂出来る素敵な夜だった。その朝も昼も素敵なものだから、すっか

          旅の終わりはいつだって

          夜虹

          街灯が纏った虹を、どうにかして我が物にしようと躍起になる僕は、夜空に浮かぶ大きな満月を見つけてどきりとする。慌ててマンションの影に隠れてやり過ごそうとするが、月の輪郭や陰影が網膜に貼り付いて、観念したように夜空をくり抜いた光を見つめる。背中をつたう汗が僕を責め立てる。どうしたって僕は光になれないのでしょうか? いつか書きっぱなしにしていた散文。 随分と出遅れたくせに、随分と季節は足早で。 取り残されているどころか、後退するばかりです。

          転がる岩、君に朝が降る

          SWEET LOVE SHOWER(通称ラブシャ)という音楽フェスを知っているだろうか?行ったことがないならば、是非一度は行ってみて欲しい。とても気持ちの良いフェス。そしてこの記事は今年のラブシャで見たアジカンが刺さりすぎたので、それがなぜか冷静に振り返るだけのもの。 昼過ぎまでは本当によく晴れていて、少し動けば汗をかくし、ビールが本当にうめェ陽気だった。(ラブシャで飲むビールは、人生ベスト3に入るくらいうまい) Creepy nutsを見て、拠点としていたシートにて休ん

          転がる岩、君に朝が降る

          夏空に絵具をかさねて

          ポク、ポク、ポクと木魚が小気味よいリズムを取る。随分と慣れてしまったお経の展開に、2サビが来たなと恭しく手を合わせ、軽くお辞儀をする。 夏は佳境から佳境へと移り変わり、随分と生きづらい季節になったなと毒づく。そうしている間にも、汗が吹き出て止む気配がない。 去り際に仏門への勧誘をしてくるお坊さんを見送り、食卓を囲む顔ぶれも変わっていくなぁなんて、新参者のご自慢のむちむちな足を遠慮なく堪能しながら耽ける。この子が成人するころには、50歳近くになってるんだよなぁ、なんて口をつ

          夏空に絵具をかさねて

          八月、もう、無理じゃない?

          2023年8月1月、大阪某所のお風呂の中、ヨルシカです。 n-bunaボイスで再生された君はヨルシカライブ経験者だな? 階段を降りるとき、ふと足元が浮ついて踏み外しそうになる。当たり前に備わっているであろう機能が不全となる瞬間に怯える日々は、どうしようもなく生きていることを感じさせる。 8月になった。とてもじゃないが、人が営むに相応しくない暑さが続いている。君はどうだろう、元気にやっているのだろうか。おれは無理。バッテバテ。営業で出回った日なんか、帰ったらライフポイントが

          八月、もう、無理じゃない?

          最近聴いてる音楽なに?

          薬師寺いいっすよ。 みんな最近何聴いてる? おれはなるべくこの会話が成立する人と生きていきたいよ。 ここ半年は結束バンドが頭から離れない。いつ聴いても最強。アニメ作品の枠を超えてアルバムを好きになっちゃってるからずっと聴くと思う。 アルバムでいうとsupercellのToday Is A Beautiful Dayを思い出したかのように聴いてる。最近の大学生は君の知らない物語をコピバンでやるのだろうか。 ずとまよの沈香学はもっと話題になっても良くない?って思う。今年の覇権

          最近聴いてる音楽なに?

          あの碧に焦がれて

          仁淀ブルーって知ってる? おれは知ってる。この間見てきた。 めちゃくちゃオススメ。最強。 暑さには決して強くないから、夏はそんなに好きじゃないけど、夏の風景は好き。光量の問題なのか、あのくっきりとした輪郭は他の季節では見れないと思う。 ここまで書いて気付く。毎回始まりに季節を使っている気がする。誰がコミュ障や。実際、時節と天気の話は最強だよね。 美しすぎる川沿いを走る車。 ふと流れる懐かしいナンバー。 「真っ赤なブルーだ!」なんて、ほんと最強。 水面がキラキラ光る。

          あの碧に焦がれて

          自責展

          木漏れ日が眩しすぎて目を伏せてしまう。 木陰の輪郭が幾分くっきりとしている。 あぁ夏が来たなあと絶望する。 6月を過ぎると、1年も半分が終わったと宣う輩がいる。やかましい。僕もそのひとり。 20時ににんにくが品切れになるスーパー。 ちょっと高いトマトは買えても、298円のにんにくには手が出ない。 隣のマンション建設の音がうるさい。 折り畳み傘を開くのが億劫で、小雨を身一つで凌ごうとするも、突然土砂降りになりゲームオーバー。 食欲マシマシ。 やらなあかんことほっぽり出して、Y

          この技は諺になるか

          例のごとく、画像はそんなに関係ないけど、 昨日友人が主催したイベントが良かったなァという記録。 さて、6月も半ば。随分と空いてしまった。 光陰矢の如し、という諺があるけども、 その通りだなあと思うし、月日のことを「光陰」なんて言葉で表現しちゃうのオシャレポイント高いよね。光が強すぎてちょっとバテるよね。 ことわざを使いこなせる人、良いなと思う。 いや、なんでもそれで返されたらダルいけど。 的確に使われると、この人は言葉を良く知っていて、選べる人なんだなと感心する。 もし

          この技は諺になるか

          人生のハイライトは

          僕はミュージシャンであるけれど、それ以前にリスナーである。であるからして、好きなアーティストが割りといる。 ここ2ヶ月くらい、本当にありがたいことに、その好きピ達が矢継ぎ早にライブをしてくれて、本当にありがたいことにその現場に立ち会うことが出来た。 それはそれは最高な時間で、幸福値がカンストする瞬間がいくつもあった。もうこの余韻だけで生きていけるとさえ、その瞬間は思うけども、現実はそうもいかない。大小様々なあれやこれやが、心をさざめかしてくる。そうでなくても、生きているだ

          人生のハイライトは

          どんな日にも夜は来る

          時々、ひどく疲れてしまうことがある。 どうしようもないことが重なって、 普段ならあーあで済ませるようなことで、 ひどく苛立ったり、落ち込んだり。 近くのコインパーキングが悉く満車で、 人生に絶望してしまうような。 脳みそにもやがかかったような、 視野が狭くなっているような、 道端の花に気付かずに、こっそり季節が変わって。 初夏に差し掛かる緑道の、青々しい空気を胸いっぱいに吸い込んだら、通りがかったおっさんの臭いで台無しになったり。 それでも等しく夜はやってきて、 どこかで

          どんな日にも夜は来る

          その境界線が示すもの

          仕事柄、というほどでもないけれど、 多くもなく少なくもない頻度で新幹線に乗る。 新大阪から東京は約2時間半と、決して短くはない時間を高速で移動するハコに閉じ込められる。 主に乗車するのはのぞみで、座席の配列は2列と3列の計5列の構成となっている。ここで重要なのが、この150分をどこで過ごすのかになるが、僕は大概3列シートの通路側を選択する。お手洗いに立つときも気を遣わなくていいし、降りる際もスムーズ。かつ、大概満席になるようなタイミングでなければ、3列の真ん中は空席の可能性

          その境界線が示すもの