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小説「傲慢と善良」の読書感想文 読了版

やあやあ
読了したので記録と感想文をば

前回の途中まで(200ページ程)で書いた感想文はこちら

自分で書いたものをここにのせる方が人の書いたののせるよりハードルが低い
ぽねぽね
ちなみにネタバレするので、ミステリーとしてぽんでてネタバレファッキューな方は読んで怒ればいいんじゃないですかね?




結果として

とりあえずのハッピーエンドなんでしょうね
それに、どこかの感想で書かれてましたが、
ふたりにとってこの出来事は二人をぐっと近づけたし、これから夫婦になっていくからにはお互い腹割って話せる関係性は大切やと

まま、そうやろなとは思うけど
ただ真実が今回得た知見なんて「海外行って価値観変わった~、日本遅れてる~」みたいにそないに大したことじゃないとも思う
まぁもちろんのことでそこまで思い至ってない人だって数多おるわけで~
ただ今回の話の中心としては「傲慢」つまりは「強い自己愛」であり
自分の今までの価値観を変えるのは自己愛に大きく影響するし
もう一つの「自分たちの物語性」を重要視する人間たち(主に群馬サイド)
にとってはこの学びはとても価値のある事なんやろなと思う。

でも納得はできてない

結局のところ、僕がこの話でそもそも納得できないのは
群馬サイドでもなく真実サイドでもなく磔くん(架くん)サイドでもないからやと
どちらかといえば、金居に近いからやと思う。
まぁ実際はそこまで真面目じゃないけど

でも金居にとっては今回の話は「ふ~ん」程度で終わる話な気がする
結婚をもっとシンプルにとらえてて「達観」や「諦観」ともまた違った
単純に結婚対して抱いてるイメージの差ってだけかもしれんけど

結局のところ「婚活」を通じて「結婚」中心に人生の大事つまりは「自分の物語」の重大局面ととらえているかどうかな気もしてくる。

作中では「婚活」していくにつれて真実や磔くんにとって「結婚」が自分の物語の中でどんどん重要性が高まってきたんやと思う。

最終的にそこの重要性については何もかわらんままやった
結局のところ真実はスマートなイケメンが好きやし、それを好きでいる自分は否定できひんし、それを手に入れることによって自分の価値を証明したいとさえ思ってる。
相変わらず自己愛は強いままちょっと勇気が出て主張ができるようになったってだけで、
本来であれば、そういった主張が通る通らんで、他人から見た自分の価値を見定めていくことことが社会に出るってことやと僕は思うし
その自己評価と他社評価のギャップに苦しむのが「人生経験」であると僕は思っている。
だからこそ、僕が望む真のゴールは「やりたい事」と「やっている事」の調和がとれている状態であり、今回の出来事で真実はそれには近づいたとは思う。

「幸福とは、考えること、言うこと、することが調和している状態のことである」

Mahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)

ただ、その主張を今後周りが認めるか許すかは微妙やし、そこのギャップを乗り越えられてない以上は結局のところ「自分だけの物語」で完結する「孤独」なやつなんやなと思うし、真実はそもそもそういう人間やろ。
磔くんがつけた70点(実際にはつけてないけど)は間違いでもなんでもなく、
磔くんのコミュニティに参加できんのであれば、結局は70点であり、なんなら磔くんが今後苦労するまである。
磔くんがいい奴で良かったよホント

良いところ

ボランティア活動を通して得た、3.11の追体験によって価値観が変わると言うのは文学的にも良いと僕は思います。
昨今ではアフターコロナと言われてますが、日本の2010年代2020年代以降を物語るうえではやっぱりポスト3.11、ポストコロナの価値観を描くことは非常に大切やと思います。

残すところの「善良」について

真実は人に迷惑をかけない事や嘘をつかない事を美徳としていて、
それを守ってきた私は「善良」であると
そう考えているらしい
そしてそれは社会において婚活においては損することもあるし、
結果的に良いことに繋がるわけではないと理解はしていた。
ただその裏に透けているのはその「善良」であることに胡坐をかき
「善良」であるがゆえに私の価値は高いのだと言っているように感じた。

そのことが「いい子だよね、あの子」であり、70点どまりなところ
お互いさらけ出さないことを美徳としながら結局はお互いに格付けしあう
その行為自体に嘘も迷惑もなかったとしてもそれはすでに「善良」ではないやろ
それは「無害」や

タイトル回収

磔くんは物語序盤の小野里さんに会ったあたりから常に内省の繰り返しで、真実に対する自分の態度を改めて反省していたし
この物語のスタート位置では
磔くんが傲慢で真実が善良
ゴール地点では
真実が傲慢で磔くんが善良になったとも言えるかもね
知らんけど

そもそもタイトルの傲慢と善良は婚活するもの誰しもが持ち得て、それにより上手くいかない状況を作り出しているということやと解釈してるけど
蓋を開けてみれば
真実はイケメン好きの拗らせアラサー
磔君は都会育ちのラッキー似非リア充
だったってだけの話にも思えるな

そんな二人に

途中で漏らしちゃったけど
真実にはガンジーの名言に目を通すことをお勧めします。
これとかもろやもんね

善良さには知識が伴っていなければならない。
単なる善良さはたいして役に立たぬ。
人は、精神的な勇気と人格に伴った優れた識別力を備えていなければならない。

Mahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)

磔くんはええやつやから何もないけど
これからの気苦労を考えると大変やなと思うわ

そんな二人の門出に祝福を


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