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紙のデザイナーからWebデザイナーへの転向について

紙のデザイナーからWebデザイナーへの転向について

前回の自己紹介でも書きましたが私は31歳という決して若いとは言えない(?)年齢で専門学校桑沢デザイン研究所に入学しデザインを学びました。
2017年時点での桑沢デザイン研究所ではWebデザインは必須科目ではなく、
Webデザインorパッケージデザインの選択制で、当時の私は実はWebデザインに興味がなくパッケージデザインを選択しました。元々、グラフィックデザインや印刷物やブックデザインが好きだったり、パッケージのように実際に手に触れることができるモノのほうに興味があったからです。
専門学校を卒業後は知人を通しDTPのデザイン事務所に入社しましたが諸事情あり半年ほどで退社、その後Webデザイン制作会社に転職し色々あって株式会社トルクに在籍し今に至ります。仕事ではWebデザインをメインでやっています。もちろん紙のデザインも今でも好きですが、最近はWebデザインのほうが性にあっているような気もしてきました。そのことについてはまた別の記事で書こうと思います。(自主制作で紙のデザインをすることはあります)

Webデザイナーとして4年目を迎え、案件も一人で任せてもらえるようになってきました。しかし、紙のデザインからWebデザインに移行するにあたり、頭の切り替えというかデザインの考え方の切り替えに苦労し、Webデザイナー転向後1〜2年間は、なかなかWebデザインのコツを掴めずにいました。

紙から入ったデザイナーがWebデザインのコツを掴むためにしたこと

では、紙のデザイナーだった自分がWebデザインのコツを掴むためにどうしたのかと言いますと、一番良い練習方法はWebサイトの模写でした。Webサイトの模写方法にも色々あると思いますが、私は自分が素敵だなと思うWebサイトをブラウザの「検証ツール」を開いて文字級数・マージンを数値で見ながらFigmaやSketch等のソフトで模写をする方法を行っていました。
なぜ模写が効果的だったのかというと、もちろんデザイナーとしての経歴の浅さもありますが、紙のデザインから入った自分にはUIやWebサイトの構造の知識(お作法)が圧倒的に不足していたからです。自分で言うのもなんですが、Webサイトの模写を5〜10サイト程度行ったところから、Webデザイン能力はぐっと上がったように思います。Webデザインのお作法を体に覚えさせたのです。また、模写をすることでデザインへの分析力も身につき、感覚だけではなくロジックでデザインの良さを考えるきっかけにもなりました。
紙のデザイナーからWebデザイナーへの転向、または両立を考えている方にはWebサイトの模写を個人的にはお勧めします。

紙のデザインとWebデザインの違い

  • キャンバスサイズが固定かどうか:一枚ものの紙のデザインの場合は決まった面積の中に情報を整理するのに対しWebデザインは(場合によっては)いくらでもキャンバスを広げることができ、その中でレイアウトを行います。※(ユーザービリティーは置いておいて)縦スクロールのサイトの場合は縦に、横スクロールのサイトの場合は横にいくらでも伸ばすことができます。

  • 相対位置か絶対位置か:Webデザインは基本的には相対位置でデザインされます。これを理解するためにWebデザインの模写はとても役立ちました。

  • 実装の有無:Webデザインの場合は画面上のデザインが完成ではなく、Webデザイナーだけではデザインを完遂することができないことも大きな特徴だと思います。Webサイトを構築するためには、その後のエンジニアの方との連携が必要なため、デザインルール(マージンや文字サイズ、グリッドなど)を第三者(主にフロントエンドエンジニア)が見ても理解できるように設計する必要があります。また、Webデザインは演出としてアニメーションをつけることができますので、ここでもフロントエンドエンジニアとの連携が必要になってきます。※紙のデザインでも大規模な案件の場合チームを組んでデザインをすることもあると思いますのでデザインのルール化はあると思います。私はDTPデザインの経験が浅いので広告や紙もののデザインが世に出るまでの工程に明るくなく間違いがありましたらご指摘ください。

  • アクセシビリティ:Webサイトは場所や時間、環境を問わず閲覧することができます。誰もが平等に情報を得られるツールです。もちろん紙のデザインでもアクセシビリティは重要だと思いますが、誰もが平等に情報を得られるWebサイトを提供するためのデザインもWebデザイナーに求められることの一つであると考えます。

Webデザイナー歴4年とまだ浅い経歴ではありますが、ざっくりと紙のデザイナーからWebデザイナーへの転向について書かせていただきました。これからWebデザイナーになりたいと考えてる方に届くと良いなと思います。お読みいただきありがとうございました。

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