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のせて、残す。

あなたは何が好きですか?
今、何に興味がありますか?


子どもの頃は我慢せずに言えたのに、大人になるにつれて、それを言葉にすることを躊躇うようになった。ときには、発することさえ悪だと感じるほどに。伝えたかったはずの言葉を、わたしはどれだけ飲み込んできただろうか。


自分の好きなもの、興味があるものを言葉にしたことで、傷つけられたり馬鹿にされるのが怖かった。「別に誰かに言わなくてもいいか。傷つくくらいなら黙っておこう。」次第にそう思うようになった。わたしは、言葉にするのを諦めた。


でも、一度諦めてしまうと、全てのことがどうでもよくなる。何に対しても、言葉にするのが無駄に思えてきた。そして、飲み込むことを覚えてしまうと、代わりに上手になったものがあった。


賛同することだ。

何かを提案されたとき、多少腑に落ちないと思っても、周囲が賛成しているなら賛成する。こうすれば、波風たてずに平和に物事が進む。社会に出てからは、さらに上達したと思う。当たり障りなく悪目立ちしないために、同じであることを徹底した。


会社員時代はそれで誤魔化してきた。でも、ライターになってからは、これが理由で最初は苦しんだ。書くことは好きだ。じゃあ他は?何が好きで、何に興味があって、何がしたい?



クライアントさんから、感想や意見を聞かれたときもそうだ。最初は嘘みたいに何も言えなかった。言われたことに「いいですね」と賛同するばかりだった。



組織の中にいたときは、大人しく1歩引いて同じようにしていれば平和に過ごせた。でも、フリーランス(個人)は違う。ちゃんと自分の意思で言葉にして伝えないとダメなんだと、その時気づいた。




それからは、自分の内側を言葉にするようにしている。ありがたいことに、「何かいいテーマとか、気になるものってありますか?」と、聞いてくれるクライアントさんもいたので、少しずつ言葉にすることが増えてきた。



そのおかげで、お仕事として自分の好きなものを書かせていただけることになった。誰がいつ拾ってくれるかわからないし、拾ってもらえるのかすらわからない。でも、自分の中で消えていくより、形に残るなにかにのせて、外の世界に出した方が可能性は0じゃなくなる。

今回の出来事で、わたしはそう感じた。


思ったことを口に出すって、ものすごくエネルギーを使うし勇気がいることだと思う。でも、自分へ返ってくるときは、倍になって戻ってきてくれるから、少しずつ練習していこう。ほんの些細なことからでいいと思う。何気ない会話から始めよう。


あなたは何が好きですか?
今、何に興味がありますか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。