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花粉症の人の仕事効率「いつもの6割程」の大問題

今や国民の4割が悩まされているという花粉症。患者数は増加の一途をたどり、仕事の効率などにも影響を及している。

現在、スギやヒノキについて、花粉が少ない品種に植え替えなどが進められているが、花粉症患者は一向に減る様子はない。花粉症の問題は海外も同様で、有病者は増加しているという。

本稿では、花粉症をめぐる最近の動きとして、有病率の変化と、国や企業における取り組みを紹介する。

国内の花粉症の有病者は増加

全国の耳鼻咽喉科医本人とその家族を対象に、1998年から約10年おきに実施されている
「鼻アレルギーの全国疫学調査」によると、
2019年に花粉症の有病者は、

スギ花粉症が38.8%、
スギ以外の花粉症が25.1%で、
花粉症全体では42.5%だった。

いずれも1998年から増加し続けており、
最も増加が著しいスギ花粉症についてみると、
1998年に16.2%、
2008年に26.5%、
2019年に38.8%の有病率であり、
10年で10ポイント以上増加している。


■鼻アレルギー 有病率

同調査では、すべての年代で有病率が増加しており、自然寛解が少ない疾患であることから年齢を重ねるほど有病者が増えているほか、発症の低年齢化が指摘されている。

また、厚生労働省の「アレルギー疾患対策推進協議会」(2021年7月29日)では、児童について、花粉とフルーツのアレルギーなどといった、交差反応によって起こる食物アレルギーが増えていることも懸念事項とされている。

花粉症は、「国民病」とも言われることがあるが、日本国内だけでなく、世界中で問題となっている。

世界アレルギー機構(World Allergy Organization)のWorld Allergy Week 2016の報告資料によると、13~14歳の小児における花粉症の有病率は、世界全体で22.1%だった。

地域別にみると、アフリカ29.5%、アジア23.9%、東地中海20.1%、インド亜大陸15.8%、中南米23.7%、北米33.3%、北欧・東欧12.3%、オセアニア39.8%、西ヨーロッパで21.2%だった。過去15年間を平均すると年間平均0.3%増加しているという。

また、同報告資料によると、気候変動によって、花粉の飛散期間の長期化や、飛散量の増加が指摘されている。例えば、二酸化炭素(CO2)の増加と気温の上昇は、ブタクサなどの花粉生産量を大幅に増加させるほか、シラカバ、ヨモギ、イネ科、スギなどのアレルギー誘発植物を対象とした研究でも、花粉飛散開始時期の早期化が確認されているという。

地域によって生育する草木が異なるため、花粉症を引き起こす草木も異なり、ヨーロッパの各地ではイネ科、アメリカではブタクサなど、オーストラリアではアカシア(ミモザ)、南アフリカではイトスギが有名だ。スギは日本固有種であるため、スギ花粉症は日本の特徴だ。

現在、外務省による海外渡航・滞在情報の各国の医療情報には、相当数の国でその国の花粉症に関する情報が記載されており、関心の高さと深刻さを伺うことができる。

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