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スポーツの価値 - つなぐ

振り返り:スポーツは『国と国』『人と人』『会社と人』『社会問題と人』をつなぐ。


もし、『大学生活で最も力を入れたことはなに?』と聞かれたら、迷うことなく自信を持って、『世界を舞台に、スポーツの価値を探求したことです!』と答えます。探求の方法は多岐に及び、本の読み込み、ボランティアへの参加、貧乏旅行、人との会話、アルバイト、留学、、、。様々な方々のサポートがあって探求することができています。

そして今回は集大成として自分の経験を通じて得た、『自分なりのスポーツの価値』をまとめようと思います。

お時間のあるときに最後まで読んでみてください。


『つなぐ』を可能にしたスポーツの特徴

スポーツの最大の特徴は、『世界共通のルール』があることだと思います。これは自分が口にしている『Sport is a language』のように異なる国籍や背景を持った人々が、ある言語のように共通したものを使うことによってつながることができます。

加えて、『楽しさ』『熱狂』『競争性』というスポーツの特徴が人同士を超えて様々なものをつなげることを可能にしているのだと思います。


国と国をつなぐスポーツ

グローバル化が進む中で、国同士の協力や良好な関係が大切になっています。スポーツが持つ『ポジティブ+大きな影響力』によって政治的な外交関係の緩和に寄与するケースがあります。同時に負の形で利用されたケースもあります。

例えば、『ピンポン外交』を事例としてあげます。1976年に名古屋市で開催された世界卓球選手権に中国が6年ぶりに参加。もともと参加を拒否していた理由は、当時、台湾と分かれていた中国は『中国はあくまで1つ』という立場をとり、台湾が参加する大会には参加しないと拒んでいました。しかし、後藤こうじ(日本卓球連盟会長1906−1972)が北京へ訪問し、政府へ直談判したことから中国の参加が決定。

大会終了後に中国が欧米の選手を自国へ招待したことをきっかけに、米中関係の緊張緩和が実現したと言われています。そして1972年にニクソン米大統領の中国訪問が実現しました。また、日中国交正常化にもつながりました。もし、中国が参加していなければ日中・米中の国交回復はさらに遅れていただろうと言われています。

次に、『冷戦とオリンピック』です。オリンピックは現在のような理念ではなく、国や都市の政治力・経済力を示すための手段として期待されていました。国家の存在を主張し合う問題が、オリンピックという世界的なスポーツの舞台で起こりました。東側諸国の中心であったソ連で開催されたモスクワオリンピックは、1979年に起きたソ連のアフガニスタン侵攻の影響を受け、全50か国がボイコットをしました。また、ボイコットを呼び掛けた中心的存在であったアメリカで1984年に開催されたロサンゼルスオリンピックでは、ソ連を中心に多くの東側の国が報復としてボイコットをする事態となりました。

日本では、モスクワオリンピックボイコットにより、ある競技種目の大きな世界大会への参加が8年間も空いてしまう事態が起き、スポーツ発展に対してブレーキとなったことはいうまでもありません。


人と人をつなぐスポーツ

たくさん字があっても飽きてしまうので、実体験を基に写真と共に書いていきます。スポーツが『人と人をつなぐ』特徴を持っていると実感できたのは15か国の貧乏旅行と留学を通じてです。

イングランド留学でフットーボールチームに所属している自分は、最初は乏しい英語力だったために現地の生活に適応するのに苦労していました。しかし、一緒にフットボールをすることで、仲良くなることができました。(こちらから:フットボールという文化)

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(クロアチアでのクラブ合宿)

下の写真は、カンボジアで行われたスポーツの価値をテーマにしたボランティア活動の様子です。イベント企画から遂行まで現地の大学生と共に行えたのは良い経験になりました。(こちら:カンボジアでの活動)

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(カンボジアでのスポーツボランティア)

これはサンパウロ州に訪問した際に、フットボール道具を寄付したときの写真です。ポルトガル語が話せない自分にとってコミュニケーションで戸惑うことはありましたが、フットボールを一緒にすれば、みんな笑顔で楽しい時間を過ごすことができました。他にも公園でフットボールをしていたお兄さん集団にも『一緒にやらせて!』と混ざってフットボールを通じてつながることができました。(こちら:王国ブラジルでの活動)

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(ブラジルでの個人ボランティア)

ロシアワールドカップで得た『つながり』は最高の経験の一つです。様々な国々の人とフットボールについて語り会うことができたのは貴重な経験でした。(こちら:スポーツは言葉)

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(ロシアワールドカップ)

また、夜行寝台列車で同じルームだったカナダの人と楽しく話し、今でも連絡を取り合っています。『2026年ワールドカップおいでよ!』と言ってくれているので楽しみです。

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(寝台列車で仲良くなったカナダの人パシャリ)

ロシアが続きますが、どの国でもなるべく宿泊先は現地の人のお家というポリシーがあったので、ロシアの方のお家に泊めていただきました。モスクアの夜を案内してくれました。

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(モスクワの夜)

さらに上げるときりがなく、他にもモロッコ、タイ、アメリカ、、、、と訪問し、スポーツを通じて知り合った方々とは今でも連絡をとっているほど『スポーツが持つ人同士をつなげる力』を学ぶことができました。


会社と人をつなぐスポーツ

これはリサーチとスポーツ界で働く方々との会話を通じて発見することができました。

例えば、Facebookは2019年2月にNBA(アメリカのバスケットボールリーグ)とゲームハイライト契約、同年の5月にコパ・アメリカとコンテンツ契約を結びました。Facebook はWatch Partyという機能を用いて試合の裏側や試合を放送し、ファン同士の交流を促すことでエンゲージメントを高めるという狙いがあったようです。

ここからは自分の考察ですが、FacebookがWatch Partyを全世界で提供するとリリースを出したのが、2018年7月です。本当は、スポーツの持つ影響力と世界に共通するコンテンツを用いることで、より多くの人にWatch Partyという存在を認識させ、小難しい機能を文字で説明するよりも簡単にユーザーの心を掴むことが本当の狙いではないかなと考えています。

視点がズレますが、ポイントはグローバル化が進み、世界中の人をターゲットにしやすくなった今、会社がスポーツを間に入れることで、より多く人にリーチでき、会社の存在や活動を知ってもらうことができるのです。これを可能にしているのは、『スポーツがグローバルコンテンツ』だからです。繰り返しになりますが、世界共通ルールを持っている点と人種を超えて人を熱狂させる力を持っているからだと思っています。


社会問題と人をつなぐスポーツ

これも、授業や様々な方との会話を通じて発見することができました。例えば、『世界一緑なフットボールクラブとして知られるForest Green Rovers FC』を模擬クライアントとしてレポートを書く授業がありました。Forest Green Rovers FCはピッチ上ではなく、ピッチ外での活動に注目が集まっているクラブです。その活動は、『環境に優しい活動』を徹底しており、スタジアム管理、ピッチ整備から提供する食事を全てヴィーガンメニューにするなど一貫した活動を行っています。

そんなクラブのスポンサーは、クラブと同じく環境問題の解決に取り組む会社で占めています。詳しくはこちらから

彼らの意図は、クラブのスポンサーになることで、スポーツファンに彼らの会社という存在や活動、ビジョンを共感してもらうためだと思います。『知ってもらう』のでは足りず、『共感』です。現在、どれほど環境問題を意識して生活している人がいるでしょうか?このような問題と人々の間にスポーツ入れることで、人々への喚起と同時に共感を図ることができます。

また、1968年のメキシコ五輪で陸上男子200mの表彰式でトミー・スミス選手(金メダリスト)とジョン・カーロス選手(銅メダリスト)の2人が黒い手袋をつけ、アメリカの国家斉唱の間に拳を高く突き上げたシーンをご存知でしょうか?差別からの開放を象徴したスポーツ史に残る有名なシーンです。アメリカの差別問題は歴史的にも深く、ここでは触れません。これと似たように最近では『Black Lives Matter』という言葉を耳にした人も多いと思いますが、こういった社会問題を人々へ訴えかけることとしてスポーツは大きな影響力をもっています。


現在とこれから

大学生活を通じてスポーツの価値とはなんだろうと探求してきましたが、

『つなぐ力とその影響力』

が自分が出す現在の答えです。多くのアクションを大学生活でしてきました。止まりそうになったときは、いつもスポーツ界の最前線で先を走る方々の言葉や自分のやりたいこと、親・友達のサポートが自分をプッシュしてくれました。

現在は、このスポーツの価値をどのような視点で、自分は人々に提供していきたいのかを模索しています。仕事としてどのような役割で日本の人・世界中の人に貢献できるのか、業界や仕事の解像度を高めています。読者の方で『お話聞かせてください!!』とご連絡させていただくことがあると思います。そのときは、よろしくお願いします。

これからは、スポーツの価値を国や地域においてどのように使われているのか理解度を深めていきたいと思います。


おわりに

少し長くなりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。学生生活はまだ続きますが、一旦区切りとしました。幼い頃から、日本で選手としてプレーのみに集中してきた自分が世界を舞台に様々な視点で『スポーツの価値』を模索する道を歩むとは想像もしていませんでした。

学べば学ぶほどスポーツは深く、人生の軸としてこれから先も学んでいきます!

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