2拠点を行き来することで相手と自分がより深く理解できる
9月から独立し、熊本と東京を往来する生活を始めて3ヵ月が経ちます。
社会人を熊本でスタートし、その後29歳から12年間の東京での仕事経験を経て、今回また熊本に戻るようになったため、いわば今回、2度目の熊本という形になります。
これは首都圏で社会人をスタートして、その後、熊本にUターンすることとは異なる経験であると感じています。
というのも、最初に過ごした熊本と、今回2度目の熊本では、同じ熊本でも違ったように見えるからです。それはやはり、一度外に出て、自分の物事の見え方、感じ方が変わっているということなのだと思います。
新卒で熊本で働き始めた私は、まだ働くことに対して自分の基準が確立していませんでした。そのため、周囲の影響を受けながら、まっさらな状態から色が染まるように、自身の働き方を固めてきたと思います。
その後の東京での経験は、また異なる文化、価値観を知り、自分の中でゆらぎが起き、これまでの考え方をアンラーンし修正する経験となりました。
そして、今回また熊本に戻ってきたわけですが、ここで更にもう一度揺らぎを経験しているわけです。
一つは、熊本に対して新たな視点での再理解が進んでいること。
そしてもう一つは自分自身の考え方や価値観に対しての気づきが起きていること。
2つの側面で学びなおしが起きていると感じています。
海外留学をした人が日本に戻ってきたときに、日本や自分の特徴に対する理解が深まったり、気づくことがあったという感想を持つことがありますが、それと似たようなことだと思います。
自分を理解するには、自分とは異なる他者が必要です。
違う文化、考えを持つ場所に行き、人と対話することで、相対比較の中で自分がどのような人間なのかを理解することができる、そのようなメカニズムになっているのではないでしょうか。
ここ最近、熊本の企業様とは、いかに中途採用した人に定着してもらうかというテーマでお話をさせてもらっています。今の私の実感からも、異なる環境にいた中途入社の方は、異なる世界が見えていて、違う視点をもたらしてくれる可能性があるように思います。
一般的に中途採用者にまず期待することとして、自社にないスキルや経験を持ち込んでもらうことがあると思います。
一方で、更なる可能性として、その方の視点、観点を組織に取り入れるということもぜひ着目してもらえるとよいなと思います。
中途入社の方を定着させるために、自社のやり方になじませる、適応してもらうとするがあまり、本人の考え方までを組織に同質化させようとしてしまうと、単にその方の持つスキル以上のポテンシャルが発揮できなくなります。
スキルやノウハウの活用はもちろんのこと、考え方、価値観にも多くの
ビジネスチャンスが眠っていると思います。相手に純粋な好奇心を向け、
選択肢が増えることを楽しんでいただくというのもよいのではないでしょうか。
環境の変化は激しくなり、有能な方の能力で引っ張ることで対応できるケースが減っていくと予想されます。世代の異なるメンバーや社外など、異なる視点を取り入れてビジネスを変化させる重要性が増している中、大事な組織能力の一つになってくるはずです。
また来月もよろしくお願いいたします!
2022/12/26 VOL145 sakaguchi yuto
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