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カンボジア日記第167号(読書記録:自律する子の育て方)

សួស្តី!

以前も紹介させていただいたデンマークサッカー協会の10ヶ条が記されているこの本を読了しました。

脳科学というエビデンスからどのように未来の教育にアプローチしていくべきか記されており、とても面白い本でした。

教育の本質的な目標は自らの力で自分を成長させられる術と、幸せな状態をつくり出せる術を学んでもらうことだと述べ、

そのために、子どもたちが自分自身で課題を見つけ、課題解決を行える人材に育つようにメタ認知能力(自分を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能)や心理的安全性を確保し教育を行なっていくことの重要性などについて記されています。

メタ認知能力を育成していくために、「葛藤」と「夢」について説明されている章は教育だけじゃなく、人生をよりよく生きていく上でもとても勉強になりました。

また、あとがきでは

学校の主役はあくまで子どもであるべき。

しかし、いまの学校を見渡すと相変わらず大人が主役になろうとしているように見える。

たとえばいま全国の学校では優秀な教員を早急に育成しないといけないという焦りから、授業力をアップするための研究会が活発に行われている。

授業力をアップすることはわざわざ手のかけ方に磨きをかけているようなもので、そこを極めてもせいぜい子どもたちが「あの先生の授業はわかりやすいけど、この先生はダメだね」と不満を持つだけだろう。

子どもたちの心理的安全性が確保されるわけでも、メタ認知能力が高まるわけでも、自律が促されるわけでもない。

と述べられている箇所があります。

現在、私はカンボジアの教育と日本の教育を比較しながら考えることが多いのですが、良い授業が子どもたちを育てるわけではなく、子どもたちが自然に学べる環境を教師は提供するだけで充分なのではないかと感じていたので、今の私にとって腑に落ちる箇所でした。

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